世界各国の著名なデザイナーとコラボしたアイテムがずらりと並ぶ、ステーショナリーブランド「ACME」。数あるラインナップから、今回は一見奇抜に見えて、実は質実剛健なスグレモノのビジネスカードケース、つまり“名刺入れ”をご紹介します。
仕事人はいつ何時もアピールチャンスを逃すな

上の図は、厚生労働省の研究機関「国立社会保障・人口問題研究所」が2016年9月に公開した「出生動向基本調査」の分析データです。
このグラフからわかるのは、現在夫婦生活を営んでいる人における、夫婦間の「出会い」の機会のうち、約3割が職場や仕事にあるということです。
ファッションを軸に出会いを考えるなら、この割合はさらに増えるかもしれません。そして、スーツで職場に出勤している人にとっては、通勤時やランチタイム、そして退勤後の飲みの時間も、身につけているのはスーツです。
自宅を出てから自宅に帰るまでの間、ずっと人に見られているこのスーツ姿。結婚したいかどうかは置いておくとしても、女性とのよき出会いを求めるのであれば、平日の家を出てから家に帰るまでの間も意識した方が、確率が上がりそうです。
その際に直接身に着けているものに気を遣うのは当然ですが、女性の目を意識するうえでは、小物にも気を配りたいところ。
女性はスーツやYシャツなど、男性ならではのアイテムを必ずしも適切に評価できません。なぜなら、そのようなアイテムをふだん“自分ごと”として見ていないからです。しかし小物、とくに自分も使っているものであれば、少なくとも好き嫌いは言えます。その点で、名刺入れは女性がとても言及しやすいアイテムのひとつなのです。
男は働いているときが一番カッコいい、はずですよね。とくにスーツ姿は、女性が一番好きなファッションのひとつ。
しかし、そんなスーツ姿でさえも、見慣れてしまうと地味(没個性的)な印象を喚起してしまうリスクがあります。そんななかでも、より素敵なスーツ、ワイシャツ、靴をばっちり着こなすことによって、そして何よりも仕事をばっちり頑張る姿によって、女性を魅了するのがデキる男というもの。
しかし、さらにデキる男は、“ばっちり”のなかに、ちょっとした余裕を感じさせるものです。それをファッションにおいて具現化すると、「スーツの緊張感を、遊び心の利いた小物で緩和してバランスをとる」ということです。
奇抜に見えて、実は質実剛健なデザイン
この文章を読んでくださっている“大人”の方は、上品なレザーを使ったシックな名刺入れをお使いでしょうか。そんな方にしてみれば、この名刺入れの一見奇抜なビジュアルに、眉をひそめられるかもしれません。
しかし実際に使ってみると、不思議と奇抜な印象がないのです。よく見ればさまざまな色を使っているものの、全体的なトーンが落ち着いている上に、文字通りカードサイズなので、目が疲れるようなことはありません。オランダの家具デザイナー、マルセル・ワンダース氏の手がけたこの西洋風とも東洋風とも言えないビジュアルは、むしろ使うほどに愛着を感じさせてくれる不思議な魅力があります。
この名刺入れ、素材は丈夫なスチールで、デザインの表面部は、傷のつきにくいアクリル樹脂で覆われています。
実のところ筆者は8年にわたり愛用していますが、ステンレス部分がくすんでいたり細かい傷がついたりはしているものの、今でも古びた感じはありません。トップに挙げた画像は私の使用している現物のものですが、詳細に目をこらさない限り、“使い古し”には見えませんよね。
- サイズ: W94mm x D58mm x H6mm
- 重量: 50g
- 素材: スチール / デザイン部分: アクリル樹脂
- クローム鏡面仕上げ
そしてもうひとつの理由は、開いた時にわかります。
中はこの通り、きわめてシンプルな構造。変な開き方をする、といったギミックはありません。内側は鏡面仕上げで、奇抜さはみじんも感じさせない潔さ。「粋な江戸っ子は着物の裏地にこだわる」、なんて話がありますが、内側にはいやらしさどころか、気品すら感じさせてくれます。
薄さゆえの、メリットとデメリット

わずか6mmという薄さもまた、この名刺入れを上品に見せてくれる理由のひとつです。机の上で存在感を放つ、分厚く膨らんだ名刺入れは不格好なもの。その点この名刺入れは、机の上でこそ、そのスマートな印象が際立ちます。また、これだけ薄いと、スーツの内ポケットに入れてもよい意味で存在感がなく、ゆえにスーツの形が崩れることもありません。
ただし、キャパが小さい点は欠点と言えば欠点です。収容枚数がだいたい15枚程度。厚めの名刺だと13枚程度しか入りません。常に補充を心がけないと、出張時や大人数との面会時にすぐ“弾切れ”を起こすことになってしまいます。
しかしこれも慣れてしまえば問題なし。むしろこまめに名刺の整理する習慣が身につきます。
手間をかけて取り寄せるに値する希少性という価値

かつて東京駅前の新丸ビルにショップがあったACMEですが、今は国内に店舗がなく、知る人ぞ知るブランドとなってしまいました。
しかしウェブサイトでの通販は健在。しかもうれしいことに、商品はアメリカから取り寄せになるにもかかわらず、その費用は無料なのです(国内の配送料は有料)。また取り寄せに6~8週間かかるところがもどかしいですが、ほかにないデザインである点を考慮すると、待つ時間すらも楽しむのが大人のたしなみというものです。
なお、現時点(2017年7月4日)で、amazonでもいくつかの商品は購入可能ですが、ものによっては公式サイトよりも割高です。この名刺入れ「CROP」の場合、公式サイトでは5400円(税込)ですが、amazonでは7610円(税込)となっています(それぞれ送料は別)。
※参考:amazonのショップページ http://urx.blue/ExdQ
ACMEの小物は一見の価値あり!
今回ご紹介した「CROP」以外にも、ACMEには素敵な名刺入れ、そして素敵な小物がたくさんあります。私は名刺入れと同じデザインのボールペンも持っていますが(残念ながら現在は取り扱いがないようです)、単に見た目だけでなく、書き心地のよさも大変気に入っています。是非、ほかではお目にかかれないレアなアイテムをチョイスしてみてください。いつでも胸に、遊び心を。