サイズ選びが難しいアディダスのスーパースターオリジナルススリッポン

一年を通してコーディネートに役立つ白スニーカー。ベーシックなアイテムだけに、あまり個性の強いものを選ぶとコーディネートに苦労するし、さりとて無難なものを選んでもつまらない。なかなかにチョイスが難しいアイテムです。

そんな中で今回は、“選ぶに足る”だけの理由がある、と筆者が実感した白スニーカーをご紹介します。

名作をベースにしつつもトレンド感のあるデザイン

 

今回ご紹介するスニーカーはアディダスの「スーパースター」がベースになっています。アイテムそのもののレビューの前に、このアイテムをより楽しんで履くための予備知識として、「スーパースターとはなんぞや」について、少しだけご紹介させてください。

世界で最も売れたスニーカーとしてギネス認定された「スタンスミス」。それと双璧を為す、アディダスの代表的なスニーカーが「スーパースター」です。

スタンスミスが名テニスプレイヤーの名を冠したテニスシューズ発祥であるのに対して、スーパースターはバスケットシューズとして生まれたもの。1970年代は大半のNBAチームが採用していたといわれるほどです。80年代以降、ファッションアイテムとして浸透したスーパースター。2015年に誕生45周年を記念してさまざまなモデルが登場し、今またその人気が再燃しています。http://ur0.work/Fgif

さて本題に入ります。今回ご紹介するアイテムもまた、2015年以降に登場しているさまざまなモデルの中のひとつです。「スーパースター」はもともと紐タイプのスニーカーですが、2016年春にスリッポンタイプが登場し、これも大きな話題となりました。当初はレディスのみでしたが、その後メンズでも展開。このアイテムはそのメッシュバージョンになります。

「スーパースター」の象徴的なデザインのひとつが、サイドに入った3本のライン。しかしこのスリッポンにはそれがありません。代わりに、アッパー(足の甲)部分を大きくクロスするエラスチックバンドが特徴となっています。このバンドの機能的な役割は、靴紐のように足をグリップすること。実際に、このバンドが程よく締め付けることで脱げにくくなっており、また伸縮することでストレスなく履けるようになっています。

このエラスチックバンドのスニーカー、海外のハイブランドでも登場している一方、GUでも「ベルテッドスニーカー」という名前で展開されているほど、メジャーなデザインとして浸透しつつあります。トレンド感のあるデザインといえます。

そんなトレンドの一方で、「スーパースターならでは」「アディダスならでは」のオリジナルなデザインそのものが、このスニーカーの大きな差別化点となります。その代表がラバーのシェルトゥ。つまり、つま先部分の貝殻のようなデザインです。

また、シュータン(足の甲と靴紐の間に入っているパーツのこと)にトレフォイル(アディダスの三つ葉マーク)。実のところ筆者はファッションアイテムにブランドロゴが入るのをあまり好まないのですが、スニーカーについては、目立たないのであれば“本物”の証として「入っていてもいいか」と割り切ることにしています。

シュータンは足の甲という目立つ位置にあるものですが、モノ自体は小さい上に色もついておらず、遠目に目立たないため、許容範囲と考えます。

同様に、後背部からサイドにかけてもアディダスロゴとトレフォイル。こちらも見え方としては奥ゆかしいものなので許容範囲でしょう。

サイズは少し大き目を選びましょう

 

スリッポンは靴紐で調整ができないので、サイズ合わせが難しい靴です。本来はショップで試着した上で購入するのが望ましいところですが、もし通販で購入するのであれば、ふだんより少し大きめのサイズをオススメします。筆者はふだん27.0cmの靴を履いていますが、このスニーカーについては28.0cmがジャストサイズでした。

ジャストサイズというのは足の甲とかかとがきちんとホールドされていて、それでいて足先に若干の余裕がある状態。特に甲高で幅広というやっかいな足の持ち主である筆者はサイズ選びにシビアです。

なお、このスニーカーの公式通販サイトに寄せられた購入者コメントを読んでいると「ふだんより大きなものを選ぶべき」という声と「小さめを選ぶのがコツ」という声が混在しており、混乱させられます。

しかしよくよく読むと、どうやらレディスについては作りが大きいようで「小さめを選ぶのがコツ」らしく、メンズは概ね「ふだんより大きなものを選ぶべき」ということのようです。メンズについては筆者の見解と一致しています。

厚いソールが歩きやすさを担保

このスニーカーを実際に使っている中で感じる魅力は「履きやすさ」と「歩きやすさ」です。当たり前のことではありますが、これがなかなかに難しいもの。履きやすさについては上述の通り、エラスチックバンドによる適度な締め付けと伸縮によるところが大きいものと感じています。そして歩きやすさは厚いソール(靴底)によるものでしょう。

オシャレと機能は往々にして両立しづらいもので、オシャレのためには足元が悪目立ちしないように、靴は薄いほうが望ましいです。しかし靴底が薄いと、地面の反発が足にダイレクトにくるために疲れやすくなります。逆に靴底が厚いと、地面の反発を吸収してくれるために足は疲れにくくなるものの、足元が悪目立ちしてオシャレが損なわれがち。

その点、このスニーカーはソールが厚いにもかかわらず、オールホワイトである上に全体が細身のスマートなフォルムなので、オシャレを損なっていません。機能とオシャレを両立している、とてもありがたいアイテムなのです。

雨の日とその翌日は履かない方がオススメ

このスニーカーの唯一といってよい弱点は、とにかく「汚れやすい」ということ。ネット上にも「なんとかならんのか」の声があふれていますが、有効な手立ては見つかりませんでした。特にメッシュ部分については、汚れやすいだけでなく汚れが落ちにくいのも困ったところ。革のビンテージ感はさておき、薄汚れた白スニーカーを見るのはなんとも哀しいものです。

対策は「汚さないこと」。当たり前なのですが、それしか浮かびません。筆者の場合、防水スプレーくらいはしていますが、これは気休め程度と感じています。そのほか、少なくとも雨の日とその翌日、泥はねのリスクがある日は絶対に履かないようにしており、またアスファルトやコンクリート以外のところには履いて行かないように気をつけています。もし、根本的な対処法があれば、ぜひ教えてください。

コーディネートにスマートなストリート感を。

今年の秋冬のトレンドは「ドレス」。ただし市場の傾向によると、ドレスにストリートの要素を採り入れるのが、よりよいようです。
※ドレスとは?http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

とはいえ、キャップやシャカシャカしたジャージパンツを採り入れるのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います(少なくとも筆者はそうです)。これはそんな“大人”の諸兄にこそオススメしたいスニーカーです。

1万円以下(税込9,709円)で手に入る汎用性の高いこのアイテム、まずは一度店頭でお試しいただければ。スリッポンなのに包み込まれるような履き心地に「おおっ」となること請け合いです。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。