「adidas Originals(アディダス オリジナルス)」の人気シリーズ、「チューブラー」。今回はその中でも、「インスティンクト」というモデルをご紹介します。独自の形状をしたソールと、ボリューム感のあるフォルムが魅力的なスニーカーです。
目次
「TUBULAR INSTINCT(チューブラー インスティンクト)」とは
様々な名作スニーカーを復刻させている、「adidas Originals(アディダス オリジナルス)」。その代表的な例がスタンスミスで、2014年に復刻されて大きな話題を呼びました。それと同時期に発表されたのが、「TUBULAR(チューブラー)」シリーズです。
「TUBULAR(チューブラー)」とは、90年代に発表されたスニーカーで、自転車のタイヤにインスピレーションを受けたというソールの形状が特徴的。そのスニーカーをベースに、現代的に再構築したのが、現在の「TUBULAR(チューブラー)」シリーズになります。
ご紹介するのは、シリーズの中でも、80年代に誕生したバスケットボールシューズ「INSTINCT(インスティンクト)」をモデルにした、「TUBULAR INSTINCT(チューブラー インスティンクト)」。
ハイカットとローカットのモデルがありますが、今回はローカットのモデルについてです。
曲線を描く、独自のスタイリッシュなデザインが特徴的なソール
ではまず、ソールから見ていきましょう。「TUBULAR(チューブラー)」シリーズらしい、分厚く、ボリューム感のあるソールです。白い部分、つまりソールの大部分はラバー素材で、ミッドソールの一部にEVA素材が使われています。
EVA素材とは、オリジナルの「TUBULAR(チューブラー)」のソールにも使われていた素材で、軽く、クッション性があるのが特徴。ヒール付近のソール、黒い部分がそれに当たります。
ラバー素材の白い部分も、EVA素材の黒い部分も、どちらもタイヤの溝のようなものが彫られており、タイヤにインスピレーションを受けたという、「TUBULAR(チューブラー)」の雰囲気を感じ取ることができます。
アウトソールの形状もユニークです。ラバー素材をベースに、真ん中の部分だけくり抜かれたように、EVA素材の黒いソールが見えるようになっています。
さて、このソールをデザイン面から見ていくと、アッパーの黒とソールの白が、波打つように切り替わっており、ややモードな雰囲気を感じます。単純にスニーカー単品として見てもかっこいいのですが、実は実用性の高いデザインになっています。
スニーカーをソールの厚さで分類したとすると、これは間違いなく「分厚い」部類に当たるでしょう。ソールが厚いことで、スニーカーのカジュアルな雰囲気が強まりますが、ここで一つ問題があります。それは、「脚が短く見えてしまう」ということ。
「ソールが厚いほうが、脚が長く見えるよ!」という方は多いですが、実は逆で、ソールが厚ければ厚いほど足元が目立ち、脚が短く見えてしまうのです。特に、今回のような黒と白で、ハッキリと色の差が分かる場合は尚更です。
しかし、このスニーカーは、アッパーとソールの切り替えが曲線的なラインになっており、「白の分量」が大きくなりすぎていません。ヒール付近では、ソールはほとんど黒で覆われています。
これにより、アッパーとソールの切り替えでデザイン性を確保しながら、ソールを必要以上に分厚く見せない、目立たせすぎない工夫がなされているのです。
デザイン性と実用性を上手く両立させているといえます。
「ピッグスエード」と「バリスティックナイロン」で構成されたアッパー
次はアッパーについて見ていきます。アッパーの主な素材はピッグスエード。ピッグスキン(豚皮)を起毛させて、スエードにしたものです。トゥの部分には、パンチング加工が施されています。
レザー=牛革というイメージが強いので、初めてピッグスキンを知った方もいらっしゃるかもしれませんが、実は意外とメジャーなレザーです。ピッグスキンのメリットとしては、耐久性に強く、軽く、通気性も良い、ということなどが挙げられます。
見た目の特徴は、レザーの表面に見られる、3本1組の毛穴。なので、他のレザーとの見分けもつきやすいのですが、正直いって、これはあまりかっこよくない……と感じる方も多いでしょう。
ですが、今回のように起毛させてしまえば、毛穴はほとんど目立たなくさせることができます。牛革のスエードとはまた違った質感ですが、きめの細かい、上質なスエードです。
アッパーのヒール部分の生地は、バリスティックナイロン。上部にはスエードのヒールプルが付いており、アディダスのロゴが描かれています。
バリスティックナイロン生地とは、ナイロンの中でも特にタフなもので、軍事用に開発されたという経緯があります。かなり強度が強く、防水性にも優れているナイロン生地。バリスティックナイロンで出来たバッグなど、よく目にすることができます。
織り目の密度が高く、全くペラペラしていないので、見た目の印象も安っぽくありません。重圧な雰囲気のツヤがある生地なので、スエードと組み合わせても、ちぐはぐな印象にはなりません。
ロゴの主張が抑えられたシュータン シューレースは光るので注意!
シュータンも、バリスティックナイロン生地で出来ており、その上をスエードで覆われています。タンの上部には、アディダスのロゴが描かれています。スエード生地と同色で光沢もあまり感じられないので、自然に溶け込んでおり、悪目立ちしません。
シュータンの厚さは、わりと薄いほうです。クッション性はあまりなく、ピタッとフィットしますが、スニーカーと足の形の相性によっては、良いフィット感が得られないこともあります。
シューレースには反射材のチップが埋め込まれており、ちょっとしたアクセントになっています。伸縮性のある生地なので、フィット具合も良いです。角度などによっては光って見えるのですが、個人的にあまり派手なものは好きじゃないので、交換しようかと少し悩んでいます。
暗いところで光ったりするのは止めてほしいのですが、これがデザインとしても機能してくれているので、黒無地のシューレースでは少し地味に見えてしまいそうです。無地だとしたら、丸紐じゃなくて平紐のほうがバランスが取れそう……?難しいですね(笑)。
クッション性のある、高機能なインソール
インソールは、「Ortholite(オーソライト)」社製です。オーソライトは素材の名前でもあり、通気性が良く、抗菌・防臭効果も備わっているという優れもの。柔らかく、足裏を包み込んでくれるような感覚です。
インソールを取り外すと、このようになります。履き口には、クッション性のあるパッドが中に入っているので、足首周りのフィット感も悪くありません。
サイズ感、履き心地
私が選んだサイズは28cm。足長が26.5cmくらいで、普段スニーカーは27.5cmをよく履くのですが、今回は少し大きめに履いてみたかったので、ワンサイズ上げることにしました。
少し余裕があるので、このスニーカーもジャストサイズは27.5cmだと思いますが、シューレースでしっかり調整してやれば、特に問題ありません。中には少し余裕がありますが、履いていてずれは感じません。
履き心地としては、ボリューミーな見た目通り、安定感があります。スエードは柔らかく、インソールにもクッション製があるので、長時間歩いても疲れにくくなっています。そして見た目とは裏腹に、意外に軽いですね。
いかがでしたか?
「TUBULAR INSTINCT(チューブラー インスティンクト)」、是非チェックしてみてください。
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