オールデンは一生履ける名作革靴!プレーントゥモディファイドラスト♯53501をレビュー

子供のころ、周りにカッコいい紳士が1人ぐらいいましたよね?

私にもいたんです。思い出してみるとカッコいい大人は、スニーカーではなく、革靴を履いていた記憶があります。

本稿では、その革靴の代名詞ともいわれるブランドの「オールデン」を紹介いたします。

大人の色気と無骨さをあわせ持つ絶妙なデザイン。


オールデンは、1884年に設立されたアメリカの革靴ブランド。

設立から約130年もの間、世界中で売れ続けています。日本でも、アパレル大手セレクトショップから、アパレル個人店まで、ファッション感度が高いお店には、必ず取り扱いがあります。では、なぜそんなに人気があるんでしょうか?それは、一般的な革靴とは違い、大人なイメージだけでなく、無骨なデザインもあわせ持っているからだと考えています。

一般的に革靴というのは、「革靴=大人」「革靴=キレイ目」のイメージが存在します。このイメージはなに由来するかというと、スニーカーと比べていただきたいのですが「靴底が薄い」「靴幅が細い」「革の素材」などから成り立っています。
(一般的な革靴。革底が薄い)

(一般的な靴。幅が細い)

では、オールデンは、あくまで革靴という前提はありますが「靴底は厚い」「靴幅はそこまで細くしていない」と、一般的な革靴と比べると反対の容姿をしています。

(オールデン。革底が厚い)

(オールデン。幅が太い)

もちろん、考えなしにデザインされているのではなく、計算された格好よさがそこにはあります。ここが、オールデンの最大の魅力です。これが、無骨さの正体です。それもそのはず、オールデンは、その昔、アメリカ軍の靴を手がけていた会社のため、丈夫で長持ち。履きやすく、無骨なデザインとなったのが偶然ではなく、必然なのです。

この一般的な革靴とは違い、「キレイめ」「大人っぽさ」だけでなく「無骨なデザイン」を併せ持っているところが、カッコよさの秘密なのです。

驚くほど快適な履き心地。

では、デザインのカッコよさは理解できたと思いますが、履き心地はどうでしょうか。

商品名は「オールデン プレーントゥ  モディファイドラスト♯53501 」といいますが、「モディファイドラスト」とは革靴の靴型のことです。革靴をつくる際、足の形に基づいて靴型を作ります。オールデンもいくつか靴型が存在しますが、今回紹介する商品は、その中でも特に人気のある「モディファイドラスト」です。

この、モディファイドラストの何がすごいのか?実は、矯正靴として作られた「靴型」なんです。アメリカでは、ハイアーチという土踏まずが高い足の方が多くいるそうです。この人達は、歩く際にバランスを崩してしまうことが多く、ひどい時には痙攣を起こしてしまっていたそうです。それを救ったのがモディファイドラストなのです。

特徴としては、土踏まず部分が思いっきり絞ってあり、まるで誰かに土踏まずを持ち上げられてるような、気持ちのいい感覚に陥ります。また、反対にその他の部分は、一般的な革靴よりも、ゆとりのある設計になっています。この設計、快適過ぎるんです。一度履いたら他の靴には戻れません。革靴なのに、走っても疲れにくいです。それ程、気持ちがいいんです。

(土踏まず部分が思いっきり絞ってあります。上から)

(土踏まず部分が思いっきり絞ってあります。下から)

ただし、初めて購入する方は注意が必要です。一般的な革靴と比べると、ゆったり感が強い革靴のため、サイズ選びが少し難しいです。可能であれば実際の店舗に行くなどして、サイズを店員さんに指導いただくことをオススメします。

また、一般的な革靴と比べると、0.5〜1サイズアップした、サイズ表記のものになるかと思います。更に、USサイズ表記のため、こちらも店員さんに確認することをオススメします。オールデンのサイズ表記は、数字が大きさ。B/Dなどの表記が靴幅を表しています。

(サイズ表記。靴の大きさ9。靴の幅はC A/C)

革靴では珍しい馬の革。秘められた魔力

革靴に使用している素材のお話ですが、オールデンの靴は主に馬の革を使っています。一般的な革靴は、耐久性に優れた牛革が使われます。しかし、オールデンでは、馬の革であるコードバンという物が使われています。この、コードバンの特徴は、大きく2つあります。

1つ目は、独特な艶です。他の革には出せない強烈な色気のある艶が発せられます。この艶に見せられ一目惚れしトリコなってしまう方が数多くいる程、魔性の艶と呼ばれています。

続いて、2つ目は、独特な皺です。履けば履くだけ出てくる、持ち主の足型にあった世界に1つだけの履き皺。この皺は、外見をカッコよくするだけでなく、その人の足型に沿った皺の入り方をするので、履き心地も抜群によくなります。

この2つについては、時がたつにつれ表情も変化してくることから、経年変化が楽しめ愛着の持てる要素にもなっています。

本稿の写真に使っているオールデンは、7年間履いているものです。経年変化だけに絞ってお話しすると、ブラックよりもバーガンディという、ブラウン色の方が分かりやすく楽しめます。
(一般的な革靴。牛革)

(オールデン。馬の革。コードバン。7年目)

(バーガンディ。5年目。)

カッコよすぎるがための、唯一の欠点。

ここまで褒めてきましたが、欠点が1つだけあります。それは、雨の日に履けないこと。正確には履けないのではなく、履かない方がイイということ。馬の革であるコードバンは、雨に濡れてしまうと、毛羽立ってしまい魅力である艶が出なくなってしまいます。

それだけではなく、シミのようにも見えるため、カッコ悪さが際立ってしまうという訳なんです。ただし、きちんとメンテナンスしてあげることで、そのシミも消すことが可能です。きちんとメンテナンスをしてあげて、長く履けば履くほど、経年変化が楽しめるのもコードバンの特徴の1つです。

1ヶ月に一度は、必ずクリームを入れて7年間履いてきました。ソールも専門店で2度の交換をしており、現在は、ビブラムソールというゴム製のものへと、交換しています。格安靴とは違い何度もソールが張り替えられるのも魅力です。手が入る程愛着が増しております。

また、販売価格ですが、13万3920円です。どうでしょうか?高いと感じた方、考えてみて下さい。

オールデンには、この欠点と価格を上回る程のあまりある魅力がたくさんあります。冷静に考えれば、雨の日に履けないのは、他の革靴も同じです。

「大人の色気と無骨さをあわせ持つ絶妙なデザイン」
「走れるのでは? と思うほどの履き心地」
「経年変化を楽しみ一生眺めることができる素材のよさ」

と3拍子揃っている革靴が、オールデンです。

是非、大人の色気と無骨さをあわせ持つ革靴であるオールデンを試着だけでもしてみては、いかがでしょうか。