究極のシンプルリュックサックならbackwardlabのCLASSIC DAYPACK

今回は、backwardlab/バックワードラボの「CLASSIC DAYPACK」をレビューします。お値段は税込1万2000円と、決して格安ではありません。

お勧めしたい方は、悩めるリュック難民の方。極上のリュック探しにお疲れのあなたにとって、今年生まれた新ブランドbackwardlabのリュックサックは、コーディネートに欠かせない「究極の普通」になるかもしれません。

はじめに簡単なブランド紹介をします。backwardlabは、デザイナー白谷直樹さんが手がけるブランド。白谷さんは、都内でrip van winkle、-phase、sixeといったドメスティックブランドを手がけた実力派デザイナーです。

彼は現在、静岡県浜松市に移り、backwardlabというアトリエ兼コンセプトショップを打ち出しています。今回のリュックは、そのbackwardlabから販売されているアイテムとなります。

アウトドアテイストを残しつつ、シンプルで大人っぽいデザイン

ではアイテムレビューをしていきます。まずは「デザイン」から。このリュックはメインポケットと外側サブポケットが一つだけのいたってシンプルな形状です。

そもそも、リュックが日常使いされ始めたのは1970年代のアメリカから。ケルティやイーストバックのデイバッグ(登山者が1日分の荷物を入れるカバン)が学生に利用されるようになったのが起源です。

当時のリュックは、メインポケットとサブポケット一つだけでした。backwardlabのこのリュックは、このような70年代のデイバッグの歴史を受け継いだデザインとなっているのです。

この、デイバッグの源流を崩さないシンプルなデザインが、アイテムの品質に説得力をもたせています。

このようなシンプルな形状ですが、一部で表革の本革レザーによる切り替えがされています。それは6箇所。前面下部、両側面下部、底面、後面上部と上部取っ手部分です。なぜレザーによる切り替えがされているのでしょうか?

実は、これらのレザーによる切り替えは全て、「リュックの痛みやすい部分」に補強としてなされているのです。

背負い時に周囲と接触しやすい前面・側面下部や、

地面に接する底面。

背負い時にもっとも負荷がかかる肩掛け上部である後面上部と、手持ち時に掴む上部取っ手部分。

これら「痛みやすい部分」に対するレザーの切り替え補強は、本格アウトドアリュックサックで見られる(スエードであることが多いですが)デザインです。そのため、レザーの切り替え部分は、本物のリュックを追求した高級感を醸し出しています。

また、表革レザーはツヤ感が高く、リュックのカジュアルな印象を和らげてくれるため、大人が品良く使えるデザインとなっています。

さらに詳細を見ていきましょう。

後面は一枚布で仕上げられており、シンプルさに拍車をかけています。

また、ショルダー部分は中央付近にフックが付いています。このディテールも、本格アウトドアリュックで見られるデザインです。ここには、本来チェストストラップ(ショルダーがずれないようにするために胸につけるストラップ)がつけられます。ですが、このリュックにはチェストストラップが装着されていないため、単なる装飾になります。

次に、容量・内部を見ていきます。このリュックは、実寸で高さ45cm、横幅36cm、マチ(奥行き)17cmほど。後述のように無印良品のリュックと比べて一回り大きく、かなりの大容量です。流石、DAYBACKという名称を持つだけあります。

上部は大きく口が開く形状。そして、内部はパソコンを入れるためのスリーブがあります。また、日の丸型のブランドロゴが中央に縫い付けられており、可愛い仕上がりになっています。

以上のような、デイバッグの源流を意識しながら、レザー切り替えやフックといったディテールを有するbackwardlabのデイバッグ。アウトドアテイストを想起させつつ、シンプルかつ大人っぽいデザインになっています。

大き目で丸みのある愛着の持てるシルエット

次に「シルエット」を見ていきましょう。ここでは、無印良品から出ているリュックサックを比較としていきます。無印良品のリュックサックは、安価で程よい大きさ、シンプルなデザインで人気のモデルです。

全国の店舗で販売されているので、見たことのない方は是非一度見てみてください。

正面から見るとお分かりの通り、backwardlabのリュックは無印良品に比べて、高さはほぼ同じ程度ですが、横幅が5cm弱ほど大きいです。つまり、backwardlabのリュックは、スタイリッシュなデザインというよりも、丸みを帯びた可愛らしいシルエットになっています。

また、底面を比較すると、backwardlabのリュックの大きさが一層感じられることでしょう。無印良品のリュックサックは、マチが14cmと、日常使いには決して小さくありません。そんな無印良品よりも、一回り大きいbackwardのリュックは、大き目で丸みのある、愛着の持てるシルエットであることがわかるでしょう。

想像以上の生地のハリ! 撥水加工もされており魅力的な素材感

さらに、「素材感」について。無印良品に比べて、一回り違うのは大きさだけではありません。生地の質、ハリが違います。私の拙い写真ではお伝えできていない気がして申し訳ありませんが、例えばショルダー部。

生地はともにナイロンですが、無印良品の生地に比べて厚みやハリが違います。これは、2種類の素材をボンディング加工されていることによります。上の底面の比較写真を見比べていただいても、backwardのリュックのハリ感がわかるでしょう。

余談ですが、私はbackwardのリュックを通販で購入しました。通販ページではハリ感について言及があったのですが、商品の画像が少なかったために、どこまで本当かわからず、生地の質については半信半疑でした。

ですが、届いて実際に見ると、予想を上回る素材の良さに驚きました。市場でよく見かける安価なナイロンリュックと一線を画した良素材であることは、間違いありません。

ちなみに、生地にハリ感があることで、見た目の印象はガラリと変わります。ハリ感があると、使用時に形が崩れず、きれいな形をキープできるので、高級感が出ます。backwardlabのリュックは、ハリが強く高級感を醸し出す素材感となっています。

また、撥水加工もしっかり施されています。撥水加工のないナイロン生地だと、水に濡れた場合、内部に染み込んで内容物を濡らしてしまいます。

上の写真のようなイメージですね。一方で、backwardのナイロンは、下の写真のように高い撥水性を備えています

この写真のように、水を弾いて容易に染み込ませません。上の写真程度の水であれば、水は一切染み込まずにツルツルと下に流れ落ちます。日常使いするリュックに防水性があると、雨天時に非常に心強いです。

backwardlabのリュックは、撥水加工がされており、日常使いに魅力的な素材感になっています。


http://backward-lab.com/topics/backwardlab/classic-daypack-リリース

なお、本商品のレビューとは離れますが、色は4色展開です。派手な色もありますが、どれもある程度は大人っぽく使えるものになっています。

欠点はシンプルゆえの収納場所の少なさと、大容量ゆえの大きさか

以上のように究極のシンプルリュックとも呼べるbackwardのリュックですが、欠点を挙げるとするならば、一つは収納場所の少なさでしょう。

シンプルであるがゆえに、ペットボトルホルダーや、スマホ・財布のみを入れてすぐに取り出せるようなミニポケットがありません。内容物を整理するためには、別途バッグインバッグを用いるのが良いでしょう。

また、大きめで可愛らしいデザインである分、小柄で細身な方、特に女性は、背負っているとやや大きすぎる印象を与えるかもしれません。それも魅力と言えないことはありません。

ですが、カジュアルなリュックが背中で過度に目立つと、カジュアル感が強まり、コーディネートに締まりが出なくなってしまう可能性があります。小柄で細身の方は、このバッグは特に横幅が広いことを理解の上、無印良品のバッグの大きさと写真を参考に、購入を検討してみてください。

ファッションは、シーズン毎にトレンドを取り入れるのも素敵です。ですが、自分にとっての「究極の普通」となるファッションを追求するのもまた素晴らしい選択です。

自分にとっての「究極の普通」となるファッションアイテム探しの中で、backwardlabのリュックを是非検討してみてください。