ダッドスニーカーブームの火付け役であるバレンシアガ「トリプルS」はなぜこんなにも人気が出たのでしょうか? 実際に買って履いてみた結果の詳細を検証していきたいと思います。
見た目の印象
まずパッと見の印象ですが驚くほど大きく感じます。筆者を含む今までシンプルなスニーカーや革靴を履いてきたユーザーには違和感を覚えるほどです。

(スタンスミスとの比較)

もちろん重さもかなりあり、片足で817g(27cm)とスタンスミスと比較するとその差444gです。

(スタンスミスの倍以上の重さ)
初めて履いてみると重たいと感じますが、この重さはすぐに慣れました。この重さの要因はスニーカーのシリーズ名であるトリプルSのS部分にあります。
最大の特徴ソールについて

(3種類のソールを組み合わせたデザイン)
トリプル「S」はsole(ソール)の頭文字で3種類のスポーツシューズの靴底(トリプルソール)を組み合わせて作られています。
3種類の異なるソールはランニングシューズ、バスケットボールシューズ、トラックシューズで、この3種類のソールは見事に融合しトリプルSの最大のデザインとして機能しています。立体感のあるソールは複雑に組み合わされることによって高級感が生まれています。

(セパレートソールにも見える厚底)
厚底ソールは野暮ったく、コーディネートの邪魔をするのではないか?と思いましたが、筆者が選んだノアール/ルージュカラーはアッパーの切り替えがブラック同色でワンポイントにレッドが入っているシンプルなカラーリングなので、異様に派手すぎ合わせにくいといったこともありません。
また土踏まずのソール部分のカラーがブラックになっているため、遠目から見ると前後が分かれて見えるセパレートソールを模していて、厚底に感じさせない工夫がされています。
アッパーのデザインについて


アッパーの素材は牛革(カーフ)、羊革(ラムスキン)、ポリエステルを使いかなり切り替えが多いと感じます。他のカラーではこの切り替えが目立つのでよりダッド感が強調されますが、素材にレザーを使い野暮ったくならないようバランスを取っているのだと思います。
サイドにはBALENCIAGAのブランド名がプリントではなく刺繍で表現されています。トゥ部分の数字はサイズを表していてここも刺繍でデザインされています。
通常サイズなどは見えない部分に表記されていることが多いですが、シューズの先端の目立つ部分にデザインとして取り入れてしまうところにハイブランドのこだわりが感じられます。シュータンにはスポーティなフォントでトリプルSのシリーズ名が。
シューレースにはハイキングブーツなどに使用されるパラコードデザインを採用していて、他のブランドがリリースしているダッドスニーカーもシューレースはこのパラコードデザインがほとんどではないでしょうか。
なおトリプルSには異なるカラーのシューレースも付属します。どちらもモノトーンなので好みで使い分けるといいでしょう。
ヴィンテージ加工

ソールの溝やアッパーの一部には初めから汚し加工がされているので、「新品なんだけど結構履いてますよ感」があります。このヴィンテージ加工によってこなれ感が演出されています。ここもブランドのこだわりが感じられる箇所ではないでしょうか。

靴の裏など履いている時は見えない箇所ですが、ここにもブランド名を大胆にデザインしてしまうところにもブランドの凄さを感じます。
サイズとカラーバリエーション
サイズ展開はフランスサイズでの表記でメンズの場合39(26cm)〜47(31cm)まであります。普段27cmのスニーカーを履く筆者で41(27cm)を選択しました。いつものサイズ感で問題ないでしょう。
カラーバリエーションはシーズン毎にニューカラーもリリースされていて、オンライン限定のカラーも合わせて19種類以上があります。
オールブラックもあり、ソール部分がネオンカラーになったクリアソールの物もリリースされ、どのカラーがいいのか悩むところですが、よりダッド感を演出したいのであれば派手なカラーリングもオススメです。
11万円(+税)と、かなり高価ですが、デムナ・ヴァザリアのこだわりが詰まったスニーカーがこのトリプルSです。ダッドスニーカーの持つダサさをカッコよく変換した最高峰のシューズだと感じました。1つデメリットを挙げるのであれば、人が密集した場所では必ずカカトを踏まれます。ご注意下さい。