「自分でデニムを育ててみたい!」「自分だけの1本が欲しい!」。服好き、デニム好きの男性ならこう思ったことがある人も多いのではないでしょうか。今回はそんなあなたにオススメのブランド、「BONCOURA」を紹介させて頂きます。
コダワリの詰まった逸品
デニムの世界は「リーバイス」「リゾルト」「A.P.C.」など、名だたるブランドが名を連ねる激戦区。そんな中で僕が選んだのはこの「BONCOURA」。初めて名前を聞いたという方もいると思いますが、上に挙げた有名ブランドにも全く引けを取らないクオリティです。
※参考 http://urx2.nu/EUtg
こちらはデザイナーさん本人のブログ記事です。美しい色合いと、デニムへの深い愛情が伝わってきますね。「そろそろいいデニムを買って一から育てたいな、どれにしようかなぁ」と迷っていた頃、こちらの記事を見て購入を決断しました。
生地はもちろん、ボタンやリベットなどのパーツも全てオリジナルで作られているのですが、なんとそのこだわりは糸にまで及んでいます。
こちらは僕が実際に履き込んだデニムのバックポケット部分です。ステッチがところどころ切れているのがわかると思います。実は重要な部分とそうでない部分とで糸の太さを変えているそうで、まるでヴィンテージのデニムのようなステッチの飛びを安心して楽しむことができます。
バキバキの色落ちを目指し1年の根性履き
デニムの色落ちには大きくわけて2種類の方向性があります。全体的に均一な色落ちと、ハッキリと濃淡のある色落ちです。前者は上品でヨーロッパ的な雰囲気、後者は無骨でアメカジ的な雰囲気になります。僕が目指したのは後者。
メリハリのある色落ちにするには、きちんとシワを定着させることと洗濯の頻度を抑えることがポイントです。そこで僕が今回行ったのは「糊を落とさず1年間履き込む」というもの。かなり極端なやり方ですが、生地が硬いままの方が身体に沿ったシワが定着しやすいですし、何より初めて自分の手で育てるデニムなので実験の意味も兼ねてやってみようと。
具体的には、前職の仕事着として毎日6〜13時間ほど屋内で着用。期間はほぼぴったり1年(昨年4月〜今年4月)。皮脂などによるダメージから生地を守るために頻繁にファブリーズをぶっかけておりました。身長172センチのやや細身体型で29インチを着用しています。
摩擦だけでもここまで落ちる
こちらは腰周りと裾の部分を比較しやすくするために折り曲げて撮った写真です。腰周りはレジ台などとよく擦れるので最も色落ちが進んでいる場所。逆に裾は数回ロールアップして履いていたので最もダメージの少ない場所です。
色がかなり違っていますね。洗濯なし、屋内履きなので紫外線による退色もほぼなし、仕事中の動作による摩擦だけでここまで落ちるとは驚きました。
それでは細部のディテールを見ていきましょう。ベルトループの真ん中の部分にご注目。実はステッチとステッチの間のところが少し盛り上がっているんです。それにより横の平坦な部分より激しく色落ちし、こんな細かいパーツなのに藍色の濃淡を楽しむことができます!
続いてはコインポケット部分。友人から貰ったライターをずっと突っ込んでいたのでクッキリと跡がついてますね。角の部分には少しほつれが。ちなみに僕は非喫煙者です。彼が何故ライターをくれたのかは謎。
あまり細身の形ではないのでヒゲは控えめですが、レジ台とよく擦れていたので色は結構落ちてます。濃淡が激しくてお気に入りの部分です。
こちらは膝裏、いわゆるハチノスの部分です。上記の通りタイトなモデルではないのであまり期待していなかったのですが、1年の根性履きのおかげでしょうか、思いのほかしっかりとシワが定着してくれました。
パッチ部分。柔らかい鹿革です。ベルトとの摩擦で少々プリントが掠れています。こちらもエイジングが楽しみなポイントの一つ。
最後は個人的に一番気に入っている部分、シンチバック。1940年頃まで使われていたパーツで、フィット技術が未成熟だった当時にウエスト調節の機能を担っていたものです。現代のデニムでコレが付いてるものはなかなか珍しい。これがあるからこのモデルを買ったというくらいには好き。
まあ履いたら自分では見えなくなっちゃいますし、なんならトップスの裾に隠れて他人からも全く見えないので完全に自己満足なのですが……。そういった自己満足、細かいディテールへの偏愛の気持ちは一服好きとして大事にしていきたいものです。因みに針が1本折れちゃっているのですがそこも含めて味ということで。
少し値は張るがそれだけの価値はある
今回は実験的になかなか極端な履きこみ方をしましたが、かなり満足のいくエイジングをしてくれました。因みにこの記事用の写真を撮ったあと1度洗いをかけたので現在はほんのりと青みを増してくれています。
実は洗う前はウエスストが緩すぎてベルト必須だったのですが、一応腰で止まってくれるくらいには縮みました。実寸で3センチ程ですかね。今後は定期的に洗濯をして、始めに紹介したブログの写真のような美しい青を目指していく予定です。
色味が薄くなってきたら型違いあるいはサイズ違いで買い足したいくらいです。「良いリジッドデニムを買って育てていきたい。どのブランドにしようかなぁ」なんて思っている方がいたらぜひ候補に加えていただきたい。きっとあなたのお気に入りの1本になってくれるはずです。
ボンクラのインディゴデニムは4種類の型があります。太めストレートの「XX」、緩やかにテーパードの効いた「66」、前者2つの中間の形でややゆるめのストレートの「シンチバック」、細身テーパードの「Z」。今回僕が選んだのはシンチバックですが、昨今のトレンドを考えると最も使いやすいのはZだと思います。
身長172センチ細身体型の僕が29インチを履いてみて、ウエスト含め全体的に割と余裕があります。洗濯による縮みを考慮したとしても、細身の方や僕より小柄な方は27インチくらいを選んでみてもいいのではないでしょうか。
お値段はシンチバックのみ税込3万2400円、他のモデルは税込3万240円。お高く感じる方も多いと思いますが長らく信頼関係を作っていけるいいデニムですので、思い切って投資してみるのもアリではないでしょうか。自信を持っておすすめ致します!
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