ベロア素材を生かしたカットソーでメンズファッションに季節感を取り入れよう!カンビオ/ベロアカットソーをレビュー

コーディネートを考える際は、季節感を大事にしたいものです。そして季節感を表現する上で、素材選びは重要なポイント。今のような寒い季節に合うのは、カシミアやウールをはじめ、コーデュロイやフランネルといった起毛感のある素材です。

そんな起毛素材のひとつで、昨今のトレンドのひとつに挙がるのがベロア。そこで今回は、ベロアを使用した着回しのきくカットソーをご紹介します。

程よい光沢感のある薄手の生地

まずは今回ご紹介するアイテムの最大の特徴である生地から見て行きましょう。そもそもベロアとは何か。正しくは「ベルベットは織物で、ベロアは編物」「ベルベットよりもベロアの方が毛足が長い」といった違いがあるそうですが、一方で「今となってはブランドによって定義がまちまちになってしまっている」とも言われています。

ともあれ、ベロアの特徴は起毛感と光沢感。ドレスな印象を獲得できる素材です。
※ドレスとは? こちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

なお、このアイテムにおける生地の構成要素はポリエステル95%とポリウレタン5%。伸縮性のある生地です。表地はテカテカするような下品な光沢感ではなく、パッと見ではマットな印象すらあります。しかし実際に着て、体を動かす等により生地にシワが生まれると、光が乱反射することで程よい光沢感が生まれます。

また、裏地は柔らかな肌触りで、素肌に直接着ても心地よいほどです。ただし生地自体が薄めなので、室内着にでもしない限り、このアイテム単体で着ることはオススメできません。

ケアについてです。洗濯機OKですが、ごく弱い水流推奨です。漂白や乾燥機はNG。また、アイロンは低温であればOK、となっていますが、シワのできにくい素材で落ち感もあるため、実際は必要ありません。

一見ベーシックなシルエットながら、肩と袖が特徴的

このカットソーは概ねベーシックな形をしています。つまりビッグシルエットで着ることを前提としたものではありません。しかし以下のサイズを見れば、お気づきになることがあろうかと思います。肩幅はSで46cm、Mで48cm、Lで51cm。身幅はSで48cm、Mで50cm、Lで53cm。

そう、肩幅のサイズが大きいのです。身長178cmの筆者が選んだのはMサイズですが、肩幅はかなりゆとりがあります。これがVネックのデザインと相まって、独特の見え方になるのですが、その点は後述します。

身幅については、カットソーにしてはゆったりしているようにも思えますが、シャツの上にスウェットのように着るのであれば、これくらいでちょうど良いと感じます。身体を締め付けるほど狭くはなく、それでいて落ち感のある素材なので、体型をナチュラルにきれいに見せるシルエットになります。

続いてこちらの数字も要注目です。袖丈はSで62cm、Mで63cm、Lで64cm。着丈はSで68cm、Mで69cm、Lで71cm。袖丈の長さにお気づきになりますでしょうか。長いのです。ただでさえ肩幅が大きくとってあり、袖の“始点”が肩から離れているのに、袖そのものも長いとなると、袖の見え方は相当長くなります。

身長178cmの筆者がMサイズを着ても、袖が手の甲が全て隠してしまうほどの長さです。ただそれは、まっすぐ袖を伸ばした場合のこと。下にシャツを着れば、シャツの生地にもよりますが、生地との摩擦により、このカットソーの袖口を手首の先で留めることも可能。

そしてその場合、腕に余った生地がシワとなり、そのシワが生地の光沢感を呼ぶのです。元よりそれを意図して、この長さなのかもしれません。着丈については程よい長さ、と言えそうです。筆者が着た場合、スラックスのポケットが全て隠れる程度です。

ベーシックなデザインでありながらベーシックにならない仕立て

このカットソーの、デザインにおける特徴は「Vネック」であることくらいです。ただ、V字のネック部分の開きが大きいのです。それは「V」の“谷間”が深い、ということではなく、“左右の開き方”が大きい、という意味です。

「V」の谷間の深さで言えば、筆者の場合、下に着たシャツの第2ボタンが見える程度。浅くはないですが、まずまずの深さです。一方で、「V」の横幅については、筆者の場合は鎖骨が見えるほどでした。

ただしこれは、筆者の上半身が細身だから、かもしれません。身長181cm、体重 66kgのモデルがMサイズを着用した場合の写真を、この後の項目(カラーバリエーションの項目)に掲載しますので、ご参照ください。

袖については細めの作りになっており、きれいめな見え方になります。生地に伸縮性があるため、腕ががっしりしている方でも問題ないかと思います。また、上述の通り袖は長めの作りになっていますが、袖口はリブでこそないものの、さほど広くはないので、だらしない印象にはなりません。

裾にはサイドスリットなど特筆すべきことのないノーマルなものです。ただ、下にシャツなど着る場合、その生地との摩擦の仕方によっては、このカットソーの裾が内側に丸まってきてしまうケースがあります。どんな生地と合わせた場合にそうなるか、といった法則までは見出せてはいないのですが、重ね着の際には注意を要する旨、付記しておきます。

甲乙つけがたい4色展開

https://goo.gl/nZNxkz

このカットソーはネイビー、ブラック、グレー、ワインの4色展開。ネット上での売れ方を見る限りでは、特に色による人気の差はあまりないようです。筆者が購入したのはネイビー。上掲のモデルの写真が決め手でした。

ただ、いざ手元に置いてわかったのは、このモデルの着用写真は「光が当たった時」の見え方です。実際は上述の通り、もう少しマットな印象です。このカットソーのブランド「カンビオ」には実店舗がなく、ネット通販のみの展開。

そのため、返品覚悟でまず取り寄せてみないことには現物が見られないのです。そんなわけで、本稿が読者諸兄のご検討の一助となれば幸いです。ベーシックなクセのない形のカットソーに見えて、実際はサイズ感が特徴的なこのカットソー。

そのサイズ感さえ好みに合うようであれば、着回しのきくアイテムとしてきっと重宝することでしょう。価格は7560円(税込)です。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。