晩夏にオススメなcoenのベロアショートスリーブドロップTシャツ

季節の変わり目には、素材で変化をつけると差別化が進みおしゃれに見えます。そこで、今回はcoenのベロアショートスリーブドロップTシャツをご紹介します。そもそもベロアとは何か。タオルをよく見てください。表面が輪状になっているかと思います。

このように編地が輪状になったその輪っかをカットして、毛羽立たせた生地を指します。毛(ウール、アンゴラ等)や絹、レーヨン、アセテート、コットンでつくられることが多く、毛足が長いため肌触りのよさが特徴となります。

coen/ベロアショートスリーブドロップTシャツの詳細

このTシャツもベロアの生地感を生かした柔らかい素材でできています。とはいっても、オーバーサイズで作られているため、体にぴったりフィット感するようなサイズ感ではありません。

筋骨隆々で体型を隠す必要がない方もいらっしゃるかと思いますが筆者のようにやせ型の場合は、ぺらぺらとした生地のTシャツを着ると体型があからさまに出てしまうので、こういったビッグシルエットのアイテムは体型隠しにもってこいなのです。

実寸はSサイズで着丈64cm、身幅51cm、肩幅47cm、袖丈19cmとなっております。普段着用している黒のヘインズ・ジャパンフィットTシャツのSサイズが着丈63cm、身幅45cm、肩幅42cm、袖丈17.5cmなので、とくに身幅・肩幅・袖丈が大きいことがわかります。

身幅・肩幅は大きいのですが、ビッグシルエットにしてはだらしなく見えない工夫がされています。それは袖の長さ・細さです。比較写真をご覧のとおり、袖はそこまで長くありません。また袖口も大きくありません。

市場にあるドロップショルダーのTシャツは袖が長く、だらしない印象です。また、単なるビッグシルエットだと身幅が大きいだけで袖も長く野暮ったく見えてしまいます。その点、このTシャツは袖が短めにデザインされ袖口も狭いため、ビッグシルエットでもすっきりとした印象になるようデザインされているのです。

あまり計算されていないビッグシルエットのTシャツ、古着のXLサイズのTシャツ、ビジネスマンが着用する半袖シャツはこういった工夫がないので、単なる大きなTシャツになってしまいどうにもサマになりません。袖がいかに重要かというと「先端」だからです。

先端は視線が集まる箇所です。視線がそこに留まりやすいので、袖口の大きさが「全体」の印象に多大な影響を与えるのです。袖口の幅はこれほど重要なのです。Tシャツの袖口がむやみに広いと、腕は細く見えます。ルーズソックスを思い出してみてください。

大きい靴下をあえて履くことの対比効果によって足を細く見せる効果がありました。つまり、腕を細く見せたい女性ならともかく男性らしさを強調したい場合は、袖口はなるべく腕にフィットしたもののほうがいいのです。

袖まくりをしたシャツ姿がカッコよく見えるのも、シャツが腕にフィットすることで多少は筋肉があるように見えるからです。こういった工夫がされたデザインなので、ドロップショルダーでも野暮ったく見えず、すっきりとした印象を与えてくれます。

ベロア生地の裏は?

実際にモノを裏返ししてみるとわかるのですが、表面は肌触りがいいベロア素材なのに対し、裏側は、ベロアの「べ」さえなく、コットンの肌触りです。着ていて暑苦しいかと言えば、それほどでもありません。

素材は「綿75%、ポリエステル25%」となっていて、上側部分をポリエステル繊維がくるように、それ以外を綿が来るように織り上げています。裏側までベロアの風合いがあるとさすがに暑苦しく、晩夏でも着用できるものではないでしょう。

コットン100%でも悪くはないのですが、汗でぺたりとくっついてしまいます。ポリエステル繊維が入っていることにより汗が浸透しにくく、気になる汗ジミも抑えられるます。また、こういった特殊な生地は洗濯することにためらいがちになるため、手を出せない方も多いかと思います。

洗濯表示を確認したところ、自宅で洗濯できることがわかりましたので洗濯を実際に行いました。

こちらが洗濯後のTシャツの状態ですが、光沢はそれほど減っているようには見えません。ベロアの起毛具合も洗濯前と比べて減っていません。また、洗濯後のシワですが、シワを伸ばして干しましたが少し残ります。

といってもく通常のTシャツのようにくしゃくしゃになるほどではないので、気にならない方はならないかと。大きいシワも少し残りますので、アイロンがけをおすすめします。アイロンを当てる場合は、裏返しにしてアイロンを当てましょう。

筆者も起毛がなくならないか心配だったので、裏返しにしてアイロンを当てました。自宅で洗濯できますが、それでも目に見えない汚れ、特に皮脂等が残っている可能性もあります。そのような汚れが原因で生地を痛めてしまうので、1シーズンが終わったら必ずクリーニングに出しましょう。

裾のサイドスリットと首元のボリュームが下がれば満点

メンズのTシャツでもスリットが入っているものが最近見かけるようになりましたが、今回のTシャツにはスリットは入っていません。その点が残念な点です。スリットごときで何を、と思われるかもしれませんが、スリットのメリットは「お腹周り」の印象を劇的に変えてくれるのです。

わずか数cmのスリットがあることで、裾が自然と広がります。冬によく着るニットには裾にリブがありますが、動き回ると上にズレ、お腹に「ボコッ」っとたまってしまいます。

Tシャツはそこまでの弊害はないにしてもスリットがあることで裾が広がり、お腹周りをすっきりとした印象に見せることができるのです。残念ながらそういった機能は期待できません。

首元がTシャツなのに暑い

Tシャツの生地自体は薄く、また裏地にもポリエステル繊維を使用しているということもあり、汗ジミは目立ちませんが、首元が普通のTシャツと比べてこのように厚みがあり、熱がこもってしまいます。首には大きな血管があります。

風邪の時や暑い日に冷やすと体が冷えるのはこの血管を冷やし、全身に血液が回るためなのですが、首元の生地が暑いと首を温め、結果、Tシャツ着ているのに暑い。35℃を超える日には着用していませんが、晩夏でもやはり暑い日は暑い。やはり、そこは考えてほしかった。

もう少し首周りを広くするか、この厚みを減らしてもよかったかと思います。サイズ展開はS、M、Lと3サイズあり、色は初秋にぴったりのオリーブとネイビーの2色展開。お値段も2916円(税込み)と手ごろです。以上、これからの時期におすすめのベロアTシャツの紹介でした。