大人の男が持つに値するダニエル&ボブのクロドーロローディーは存在感バツグン

ダニエル&ボブの人気モデル、クロドーロ ローディーをご紹介します。ダニエル&ボブは、イタリアのバッグブランドです。また、ローディーとは使われている革の名称のことです。詳しくは別記事に記載がありますのでそちらをご覧ください。

ダニエルアンドボブのトートバッグは立体的な艶があり高級感がある

2017.08.24

長年あこがれていたバッグ、あまりに高価なためなかなか手が出ませんでしたが、このたびメルカリで安く手に入れることができました。価格や、中古ってどうなの?程度は?といった疑問についても後ほど解説いたしますので、クロドーロにご興味のある方はぜひご一読ください。

クロドーロとは

まず目につくのはなんと言ってもその独特の形状です。人気商品でありながら、これを真似した商品というのはあまり見かけません。

広げると非常に大きな開口部と底面積のあるバッグなのですが、それをわざわざマチとして折り込み、上部をスナップボタンで留め、ハンドル、ショルダーストラップを取りつけたのがクロドーロです。

あえてきちんとした作りにせず、包み込むような形にしたことで、ローディーというとても雰囲気のある加工レザーを使いながらもどこかかわいらしさというか、丸っこい人懐っこさのあるバッグとなっています。

スーツやジャケットに合わせたオンスタイルはもちろん、カジュアルな普段着、オフの日にも使いたくなる理由がここにあると感じます。使いこまれたクロドーロは、上の写真のようになんとなく「巾着」のような形になります。

新品であればマチ部分がしっかり折りたたまれており、また少し違った印象です。新品のローディーは「硬さ」のあるレザーなのですが、使っていくうちに革がやわらかくなり、マチが広がってきます。

手持ちのハンドルから伸びる補強用のレザーは裾に向けて広がっているため、一見すると下の方が幅のある台形のバッグなのかな?と思いますが、マチを折り込んだ状態では上部と下部の幅はさほど変わりません。

平らにするとむしろ縦長なバッグだと気づきます。そして「肩が盛り上がったような」形の部分にショルダーストラップが取り付けられています。「とっても機能的ですよ!」という性質のバッグではないのですが、最低限必要なパーツを絶妙な配置にすることで、一度見たら忘れられない、とても魅力的なバッグとなっています。

(参考として、新品の写真です)

http://urx.blue/H9zI

カラーはダークブラウンです。上のラインナップの中にはないですね。手前の茶色のものより、もっと濃いこげ茶色だったはずです。経年変化により色抜けしていますので、エイジングの様子もお楽しみください。

各部詳細

では各部分を見ていきましょう。ハンドル、すなわち通常手で持つ部分です。ここにも本体と同じレザー、ローディーが使われています。

ハンドルはこのように、レザーを折って縫い合わせただけのシンプルな作り。ビジネスバッグの場合はハンドルに芯が入っている場合も多いのですが、クロドーロは芯無しです。芯があるとハンドル部分の主張が強くなります。

カジュアルな雰囲気も持ち合わせているクロドーロでは、芯無しがやはり合うと思います。特に持ちづらいとは感じませんしね。このハンドル、新品だと先ほどの写真のように「ピン!」と立っています。革がまだ硬いからですね。

それがむしろショルダーストラップで肩がけするときに邪魔になるからと、このハンドルが倒れるように作った別注品もあるようです。使いこまれたものだと「フニャッ」として立ちません。使う分には問題ないですが、置いた時のカッコよさが少し損なわれるかな?

油断するとこんなにフニャっと……。かなり使いこまれたものだったようです。

こちらは開口部の留め具。バッグが開いてしますのを防ぐためのパーツです。ここももちろんローディー。カバン本体より手でさわることが多い部分なので、自然とツヤが出てきます。パーツごとのエイジングの差を感じられるのも楽しいものです。

スナップボタンで留められます。ボタンにはしっかり「D&B」(ダニエル&ボブ)の刻印が。細かいですがこういう部分が「ブランド品を持っている」という所有感につながりますね。

シンプルな形状のバッグなのでジップなどはなく、ボタンで留めるだけです。しかしマチを折りたたんだ状態では開口部がかなり狭くなりますので、荷物が飛び出たり落とす心配はほとんどあいません。

(ボタンを留めなくても、このくらいしか開きません)

ショルダーストラップはこのように取り付けられています。ナスカンで取り外しが可能です。バッグ側の補強金具は表からも裏からも見えるようになっています。あえてデザインの一部として隠すことはしなかった、ということなのでしょう。

ところでこのショルダーストラップ、そのものがけっこう「重い」のです。それで何の影響があるのかというと、ショルダーストラップを取りつけた状態のときにバッグの「肩」の部分が重さで垂れやすいのです。

このように。構造上この部分はレザー自体の硬さで立っているので、使いこんでやわらかくなれば垂れるのも仕方ないところです。ショルダーストラップを外せば解決しますが、あると便利だし、肩がけした時が一番カッコいいんだよなぁ……。

http://urx.blue/H9zI

新品ならちゃんと立ってくれます。このいかり肩のようなフォルムがクロドーロの魅力ですよね。置いた状態では立たなくても、ショルダーストラップで肩にかければ当然引っ張られてこの形になります。ゆえに「肩がけがカッコいい」のです。

続きまして、マチを折り込んだときにそれを留めておくスナップボタンがこちら。

(本体を横から見ています)

これでバチンと留めます。大きくてしっかりしたボタンなので、片手で留めるにはちょっと苦労するほどです。おかげで使っているうちに勝手に外れてしまって……なんてことはありません。

バチンと。使いこんだクロドーロでも、このボタンを留めれば多少は形が安定します。

次は底面をご覧ください。皆さんはカバンを買う時、底って見ますでしょうか?「そこまで詳しく見ないよ!」という人でも、1つ確認してほしいのが「底に鋲(びょう)が打ってあるかどうか」です。

これがあると、地面にじかに置いてもカバンが汚れたり傷ついたりしません。便利なものですが、比較的カッチリしたカバンでないとついていません。コストもかかりますし、見ために影響することもあります。

このクロドーロには底の鋲はついていませんが、このバッグの「包み込む」という性質を考えれば、底に鋲があるとイメージを損なってしまうな、と想像がつきます。機能を多少犠牲にしてでもデザインを重視しているのでしょう。

またこのマチの縫い方、私はミシンも扱うのでわかるのですが、いくつかある底マチの作り方の中でも比較的簡単な方法なんです。

外から見て三角形になるように縫い合わされていますよね。これを内側にして見えないように縫うことも可能なのです。お手持ちのトートバッグなどと見比べていただけるとわかります。こんな高級バッグで、なぜこの仕様なのか?

それはおそらくですが、底マチを広げない状態でも、横から見たときに美しく見える(縫い合わせでレザーが途切れない)ようにしたかったのでは?と考えます。写真をよく見ると補強ベルトの前後がちょっとズレていたり、正直なところ縫製がていねいとは言いがたいですね……

各部の紹介が終わったところで、やはりクロドーロを語るうえで外せない、ローディーというレザーについて見ていきましょう。

RODIと表記されていることもあります。丈夫な牛革を、あえて絞ったり乾燥させたりして、かなりの手間と時間をかけてわざわざシワをつけています。新品ではシワがクッキリしており、売り場で並んでいるのを見てもかなりの存在感があります。

それではそのレザーを使いこんでいくとどうなるか?この写真のとおり、少しシワが伸びた感じはありますが、まだ加工が残っています。そしてシワがあることによって、色の濃い部分と薄い部分のムラが強く出ているのがおわかりいただけるでしょうか。

陰影というか、立体感のある表情になっています。最初の加工がないと、なかなかこのような風合いにはなりません。

(いいツヤです……)

レザーの絞り加工というものは他にもありますが、ここまで大胆かつハッキリとしたシワがつけられているのは、やはりローディーが唯一無二でしょう。もちろんその分好き嫌いも分かれるところですが。

使い勝手、持ち方、耐久性、重量

それでは今度はクロドーロのバッグとしての使いやすさを考えてみましょう。まずは荷物の出し入れのしやすさから。見やすいように中に白い紙を入れてみましたが、開口部はマチのスナップボタンを留めた状態だとこの程度。

折り込まれたマチ部分が開口部を狭めています。マチ部分をよけてA4の書類を縦にすれば入るけれど、横には入れられない大きさ。正直狭いです。

ではスナップボタンを外すと?こんなにガバッと開きます。底の面積と同じくらいにまで開くので、A4書類が平置きでそのまま出し入れできます。

ボタンを留めたり外したりするのさえ面倒でなければ、出し入れはしやすく、またカバンの中身も見やすいと言えます。もちろん収納力もバツグンです。1~2泊程度の旅行ならこれ1つで十分でしょう。重いですけどね。

ただし内ポケットは少ないです。ジップ付きの内ポケットが1つあるだけ。大きさ・深さはかなりありますが、ちょっと心もとないです。バッグインバッグなどを使い、ポンポン放りこんでいく使い方がいいでしょう。

ガバッと開くということは、他の人からも見られやすいということですからね。あまり気にしていませんでしたが、こちらはエディフィスの別注品だったようです。2008年製、つまり作られてから10年近く経っていますが、まだまだ現役で活躍してくれそうです。

ちなみにこのままマチを広げて使うこともできます。そうするとこのような形状になります。かなりの荷物が入るのですが、私はこの状態をカッコいいとは思えなくて……。ボタンも見えてますしね。どうしても荷物が入りきらない時しか使っていません。

続いて重さです。970グラム、1㎏弱あります。カバンだけでこの重さですから、荷物を入れるとかなり重いです。金具類は少ないですが、この厚さのレザーをこれだけの面積で使っていますので当然ですけどね。

重くなってしまったときは、手持ちをあきらめ、肩がけにするといいでしょう。ショルダーストラップと金具の強度は十分にあります。ストラップは細めなので長時間肩にかけると痛くなってくる可能性はあります。

先ほども申し上げたとおり、このクロドーロ、肩にかけているときが一番カッコいいです。キッチリ四角いビジネス用のバッグと違い、レザーがくたっとして、体のラインに沿ってくれるのです。一体感が生まれるとでも言いましょうか。

コーディネートの一部として、なんてことない服装を「格上げ」してくれる雰囲気がこのバッグにはあります。耐久性はかなり高いバッグです。パーツが少ないうえ、レザーと金具が丈夫ですので。こまごましたパーツが多いほどどこかしら壊れてしまいがちです。

唯一弱い部分と言えば、内装でしょう。ここだけレザーではなくコットンです。中古品を探していると、ある程度使いこまれたものですとこの内装が破れているものが多いのです。修理は可能だとは思うのですが、金額はかなりかかってしまいそうです。

価格、現在の人気、中古品てどうなの?

さて、ここまでダニエル&ボブ クロドーロの魅力や使い勝手を紹介してきましたが、現在のこのバッグの価格は正規品と言われるもので10万5840円(税込)です。10万円を超えてしまっています。数年前は7万円台だったのですが。

世界的な原料不足で、ここ数年レザー製品の価格は特に高級品で高騰しています。いくら魅力的とはいえ、バッグに10万円を出せる人がどれだけいるでしょうか。ルイヴィトンやエルメスなど、「誰が見てもわかる」、持っていること自体がステータスとなりうる高級ブランド品と比べると、知名度はまだまだ低いダニエル&ボブ。

逆に知っている人は知っているというか、ちょっと前には雑誌でもしょっちゅう取り上げられ、「人とは違う良品を持ちたい」男性の間でヒットしたこともあります。つまり見る人が見れば「ブームは去った」と感じる人もいるでしょう。

という風に、少し難しい立ち位置にいるのですが……。私はどうしても一度このバッグを手にしてみたかった。そのため私が選んだのは「中古品を探す」という道でした。

メルカリの功績で個人売買が盛んにおこなわれるようになり、「クロドーロ」と検索すれば常に何点かは出品されています。価格は、少し使われたもので3~4万円が相場です。しかし私は今回のバッグを定価の約1割ほどの価格で手にすることができました。その理由と、選び方のコツを最後にお伝えしようと思います。

安く買えた理由はこちら。ショルダーストラップ用の金具のまわりのレザーが破れていたんです。出品者さんはこのことをきちんと伝えていらっしゃいまいましたし、それ相応に価格を安く設定されていました。

隠そうと思えばいくらでも隠して売れるのがネットでの個人取引。実際私も、公開されていなかった汚れに取引終了後に気づき、悔しい思いをしたことがありました。そういった経験から「ああ、この出品者さんは信用できるな」と判断しました。

一見すると「こんなに破れてたら使えないんじゃない?」と思いますよね。だからこそこの価格だったわけですが、よく見ると金具の負荷はステッチ(縫い目)で受けている状態なので、まだこのままでも使えるんです。まあ早めに直したほうがいいですけどね。

もちろん、「安けりゃいいや」と単純に考えたわけではありません。重視するべきと思った点は確認しました。それが「内装の破れはないか」「バッグは自立するか」「写真で見てもツヤが残っているか」です。

1つずつ解説します。まず「内装の破れ」ですが、先ほども書いたとおりクロドーロで一番弱いのが内装のコットンです。中古品では「内装の破れあり」と書かれているものが多い中、このバッグの内装は破れもなく無事でした。

きっと大切に使われていたのでしょう。次に「バッグは自立するか」。これはレザーがどれだけやわらかくなっているか、使いこまれているかを確認する質問でした。

しかしこの点は、置いたときの見ためさえ気にしないのであればあまり重視しなくてもいいかもしれません。手に持ったり肩にかければ関係ないことですから。そして「ツヤがあるか」。

いくら良い革でも、手入れを怠ればカサカサになったり、ひどいときは割れたりもします。以前、他のブランドですが、自分と同じバッグを持っている人を見て「同じバッグでも手入れをしないとここまでカッサカサになるのか……」と思ったことがあります。

ツヤはもちろんですが、手入れをしないと色が抜けてしまうんです。この点は写真から判断しましたが、とてもキレイな状態で、きちんと手入れされてきたことが一目瞭然でした。

このような点を評価して購入したものが今回紹介したバッグです。実際どの程度エイジングや汚れがあったかというと底に少しのキズ、スレ。底鋲がないので仕方ないところ。キレイな状態と言えます。

側面に色抜けあり。ですが全体から見ればほんの一部ですし、これは「経年劣化」ではないエイジングの魅力の一つ。

ブランドタグのついていない側にシミあり。元の色が濃いのでさほど気になりません。といったように、正直なところ私の想像した以上にキレイな品が届きました。非常に満足しております。

いかがでしたでしょうか。最後は少しアイテム紹介からズレてしまいましたが、人気商品だからこそ中古の良品を探す楽しみも生まれます。そしてエイジングの美しさは見てのとおり。

新品を買って自分で育てるもよし、どこで妥協するかを熟考しながら中古品を漁るのもよし。多少使いにくさはありますが、持っているだけでコーディネートが「ランクアップ」するのがクロドーロローディーの魅力。

「ちょっとカジュアルすぎるかな?」「シンプルすぎて地味?」という服装に、ぜひ一度合わせてみてください。突如生まれるコーディネートの「説得力」にきっと魅了されることでしょう!

三十路

この記事を書いた人

三十路

体重69kg 足の実寸25.5cm 頭囲60cm

37歳、2児の父。 体型に恵まれなくても、仕事や育児に忙しくても、いっしょに「おしゃれでカッコいいパパ」を目指しましょう!