ソーイのレザーベルトは細部までこだわり抜いたオススメの1本

メンズファッションにおいては、いつの時代も愛される「永遠の定番」と呼ばれるアイテムが幾つか存在します。ジャケット、白シャツ、ジーンズ、革靴、腕時計 etc……その中でも、とりわけ、洋服の機能上において最も不可欠な定番アイテムの代表格は「ベルト」ではないでしょうか。

特に、冠婚葬祭や高級店でディナーをするような大人デート、ビジネスシーンなどでスーツを着る際には「レザーベルト」が必須となってきます。しかし、スーツの着こなしの全体から考えるとベルトが占める面積は非常に小さいこと、また、カジュアルなシーンなどで上記のレザーベルトを兼用した際にはベルト自体が他人からは見えない場合が多いことから、ファッションアイテムとして、ついつい手を抜いてしまうのがベルトです。

もちろん、ファッションは見た目が重要、「高価なアイテムを身に付けていること」と「オシャレに見えること」には、まったく関係がありません。あまり見えないところに高いお金をかける必要はありませんが、男性であれば誰しもが身に付けるアイテムであるベルトだからこそ、チラッと見えたときに「何か違う!」と相手に思わせることができれば最高ですよね!

そこで、本記事では、シンプルでありながらも細部までこだわり抜いた至極の1本であるソーイのレザーベルトをご紹介します。

経年変化が楽しめる上質なレザー

ソーイ(soe)は2001年の秋冬シーズンからスタートした日本が誇るブランドの1つ。デザイナーは伊藤壮一郎氏。

実際にお会いしたこともあるのですが、年齢が近いこともあり、とても気さくな頼れる兄貴といった印象で、筆者のような一般人とも仲良くおしゃべりをしてくれる優しい方でした。しかし、服の話になると、顔つきが一変!

1つ1つのアイテムに並々ならぬこだわりと情熱を注いでいらっしゃるようで、こちらが手に取ったsoeのアイテムについて、そのアイテムの良さやこだわりの点、さらには着こなす際のポイントまで、デザイナー自ら熱く語ってくださいました。

そんな貴重な機会に購入にしたのが本記事でご紹介する「レザーベルト」。こちらのベルトには、ベジタブルタンニンレザーが使用されています。ベジタブルタンニンレザーとは、革のなめし(皮が腐らないように人工的に加工する作業)を植物性タンニン(水溶性の化合物)のみで行うもので、素材本来の良さを最大限に生かした製法のレザーです。

何十工程にも及ぶことこら非常に手間や時間がかかり、生産効率の悪い生産方法の1つですが、使い込むことで手や体に馴染んでいき、色味が変化していく経年変化を楽しめることが、このレザーの最大の特徴です。時間を重ねるにつれて使用者の個性に合わせた変化を遂げていくため、アイテム自体に愛着が湧いてくるところも魅力的なポイントです。

また、ソーイのレザーベルト(写真上側)は、一般的なレザーベルト(写真下側)のような艶はなく、マットな風合いに仕上がっています。素材がレザーで艶のあるデザインのベルトはドレスライクな印象が非常に強いため、スーツとの相性は最高に良いのですが、一般的なジーンズやカジュアルな素材のスラックスなどと合わせると少々違和感を覚えてしまうもの。

その点、このベルトは艶を抑えたマットな質感のため、レザーの上品な印象を残しつつもカジュアルな着こなしにもスッと馴染む、非常にバランス感覚の良いアイテムといえます。

小振りなバックルがミリタリーな雰囲気

このベルトの特徴はバックルにもあります。ソーイのレザーベルト(写真上側)のバックルの寸法は長さ×高さ=3.5cm×4.0cm、一方で、一般的なレザーベルト(写真下側)のバックルの寸法は長さ×高さ=5.0cm×4.0cmと、ソーイのレザーベルトの方が小振りなサイズとなっています。

デザイナーである伊藤壮一郎さんのお話では、ミリタリーのバックルを参考にしているそうで、このミニマムなデザインがベルト全体にストイックな印象を与えてくれています。ミリタリーアイテムの持つストイックな印象がレザーベルトのドレス要素を緩和する作用として働き、独特な雰囲気に仕上がっているように感じます。こういった細かいディテールの違いでコーディネート全体の印象が大きく変わったりするのですよね。

「使いやすさ」を求めて生まれた機能的なデザイン

ベルトの幅は3.0cm、腰回りの長さは77cm~89cmの間で調節が可能となっています。このベルトの一番面白いポイントがベルトループのデザイン。上記の比較写真をよく見ていただくとわかるのですが、ソーイのベルト(写真上側)には一般的なベルト(写真下側)には無い位置にもベルトループがついているのがわかるかと思います。

これについて、デザイナーの伊藤壮一郎さんにお伺いしたところ、壮一郎さん自身がベルトを身に付ける上で、ベルトループが2ヵ所にあったほうが使いやすくて便利だと感じたそうで、その想いをベルトのデザインに落とし込んだそうです。

ベルトの裏側を見てみると、同素材の革を使用して2つ目のベルトループを固定する構造となっています。これぞまさに機能性から生まれたデザインである「機能美」。こういったこだわりがこのベルトをより魅力的に感じさせてくれますね。

「見せベルト」としても活躍できる優れモノ

今回ご紹介するソーイのレザーベルトは「見せベルト」としても活躍できる優れモノです。上記の写真は、ソーイのベルトと一般的なレザーベルトを合わせた着こなしを比較したものですが、どちらの着こなしがオシャレに感じますでしょうか?

おそらく、左側の方がオシャレに感じると思いますが、左側の着こなしにはソーイのレザーベルトを使用しています。これは、上述したマットなレザーの風合いやミリタリーな雰囲気を持つ小振りなバックルなど、こだわり抜かれたデザインが放つ存在感がコーディネート全体を格上げしてくれているのだと思います。一方、右側の方の着こなしも悪いわけではないのですが、やっぱり一般的なレザーベルトはスーツに合わせることを想定しているため、少しビジネスライクな印象が強く、着こなし自体に違和感がありますよね。

「神は細部に宿る」とはよく言ったもので、ベルト1つでも与える印象は大きく変わります。今回の比較を通して、その意味を改めて感じることができました。

レザーベルトは大人の嗜み、こだわりの1本があれば心強い味方に

やはり、レザーのアイテムはいつの時代も色褪せない魅力があります。レザーベルトもその1つ、まさに大人の男の嗜みともいえるでしょう。

今回ご紹介したソーイのレザーベルト、希少なレザーを使用しており、手の込んだデザインも施されているため、値段も1万7000円(税抜)とかなり高めです……「ベルトにここまでの金額を払えるか」という意見も多いかと思いますが、ベルト自体はそう簡単にダメになるものでもありませんし、レザー製であれば、きちんと手入れを行うことによって、10年、20年と長く使っていくことができる一生モノでもあります。

また、上述した着こなしの比較からもわかりますように、ベルトのように面積の小さなアイテムでも、コーディネート全体に与える影響は大きいものです。こだわり抜いたベルトが1本、手元にあれば、きっと心強い味方になってくれるはずですから、洋服が一通り揃ってきた方は、ぜひ上質なベルトに目を向けてみるのもオススメです。

※執筆時点で販売終了

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