「ドクターマーチン」といえば、「レザーシューズなのに歩きやすい」「オシャレな人が履いている」というイメージがある一方で、「大学生の指定履き」と揶揄されてしまう側面があります。それほど若い人に人気のブランドだといっていいでしょう。
歩きやすい革靴が欲しいと思っていても、「ちょっと若作りかもしれない」と敬遠している方も多いのではないでしょうか。今回はそういったイメージを払拭したモデルを見つけました。もちろん学生の方で、ドクターマーチンは欲しいけれど量産型になるのはちょっと……という方にもお勧めです。
Dr.Matenesの「1461 オーリンズ」はABCマートのような量販店ではなく、直営店に売っているモデルです。それでは、「1.デザイン」「2.シルエット」「3.素材・色」の3つの観点から見ていきましょう。
イエローステッチが特徴的なシンプルな外羽根デザイン
ドクターマーチンは8ホールや10ホールといったブーツ型も人気ですが、今回は3ホールというデザインのもの。「ホール」というのは、靴紐の穴のことです。
(参考 ホールの多いシューズ)
例えば、上の画像のようなコンバースのハイカットは靴ひもの穴の数が7つと多めです。このようにホールの数が多くなると、ややカジュアルな印象になります。手持ちのスニーカーなどを見てみると、カジュアル用途のものは、ホールが多く、ビジネスや礼服に用いる革靴などは、ホール数が少なめになっています。
もう一度今回のシューズを見てみましょう。ホールの数も少ないローカットのデザインなので、ドレスライクなデザインだと言えるでしょう。
アウトソールも特徴的です。ドクターマーチンのソールはラバーです。通常の革靴だとゴムソールや、レザー貼りのものなどがありますが、ドクターマーチンは特殊で、スニーカーのような厚めのラバーになっています。このソールによって、クッションが利き歩き心地がよく丸一日歩いていても疲れづらい仕様になっています。
ビジネスシューズにみられない絶妙な丸みのあるトゥ
ドクターマーチンのシューズはつま先のトゥが丸みを帯びています。そのため、レザーが持つイカツイ印象や無骨さが緩和され、女子が履いてもカワイイと人気です。
しかし、ぽてっとした印象があり、男性が履くにはいくぶんハードルが上がります。なぜかというと、ぽてっとしているということは、つまり子供っぽさと同義です。可愛らしさがあるということはドレスライクではなく、カジュアルな要素であり、男性が履くには、着こなしに工夫が必要となります。
逆に、ビジネス用のつま先が長いロングノーズのものは、ドレスライクで、ビジネス用の象徴といった印象が強いため、街着に流用するには不向きです。
今回のこのオーリンズのモデルは、通常のドクターマーチンのモデルよりもややシュッとした印象です。
また印象を大きく左右するシルエットに甲の部分が挙げられます。この甲の部分が高いと、靴自体の存在感が増します。すると、着用した際に足元に視線が行くことになってしまうため、スタイルが悪くみられがち。ですが、このモデルは通常の1461よりやや低めなので、他のモデルよりも使いやすいと思います。
表情のある柔らかなレザー
このオーリンズが、他のマーチンと異なる点は、レザーの表情です。通常だとスムースレザーといって、均一的な素材感のものですが、プルアップレザーという表情の残った柔らかい素材を使っています。
そのため履き始めから、長い期間使い古したような味が存在します。そしてさらに、使い込むごとにその表情が一層豊かになっていくので、貫禄や色気といった歴史だけが培ってくれる大人の魅力につながっていくと思います。
見つけたら即買いレベルの人気
このオーリンズというモデル、上記のようにドクターマーチンだけれど、ドクターマーチンらしからぬ魅力があるタイプです。しかし、取り扱いがあまり多くないというのが難点。狙う際は、直営店でサイズの在庫があれば即買いしましょう。
その場合はあらかじめ量販店などで通常の1461のモデルでサイズを合わせておくのをお勧めします。着用のサイズ感はほとんど変わりなく、UKサイズで8でした。普段、筆者はコンバースならばサイズ9と、27.5cm前後を履くことが多いです。大きめに履くよりもジャストサイズで履いてなじませたかったので、今回はやや小さめにしました。ぜひ参考にしてみて下さい。
価格は2万2000円(+税)。毎年シーズン色など細部を変えながら出していますので、見かけたら試して見て下さい。
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