価格差4倍!ユニクロとアンルートのインナーダウンは何が違うのか?

皆さんはこの時期何を着ていますか? Pコート、モッズコート、スタジャン、はたまたロングコート、それぞれ好きな防寒着を着ていると思います。今回はその中でも最も防寒性が高いダウンを紹介します。バリエーションを増やしにくかった冬コーディネ―トのお助けアイテムになること間違いなしです!

冬の選択肢が広がるインナーダウン

こちらはアンルートのパッカブルインナーダウン(税込2万0520円)です。インナーというくらいなのでアウターの下に着て防寒性を上げるためのもの。火付け役はアウトドアメーカー「モンベル」のシリーズで、ユニクロのウルトラライトダウンによって一般的になりました。

しかしなぜインナーダウンが流行るのか? それは冬の選択肢を増やすからです。インナーダウンを使えば、着られるアウターの種類が増えます。レイヤード、つまり重ね着が楽しめるのです。冬はほとんどの方が厚手のアウターを着ます。

そして風が入ってくるのを防ぐためにボタンを閉じて着ることが多いでしょう。すると、上半身はアウターのみの印象になり単調で地味なコーディネートに。もちろん小物やボタンの閉め方、色使いなどの着こなし方次第でカバーはできるのですが、オシャレ初心者には少しハードルが高くなってしまいます。

インナーダウンの良いところは単体で十分な防寒性がある点です。そのため秋や春にしか使えなかったアウターもインナーダウンを着れば冬でも暖かくすごせます。筆者は身長175㎝でサイズ2、Mサイズ相当を購入しました。

インナーダウンは着丈70 肩幅44 身幅54 そで丈63.5ですが、ドレス感の強いテーラードジャケットのインナーとしても着用することができました。ただし、1つだけ注意点があります、それはいくら本人が暖かくても、他人からは薄手のアウターを着ていて寒そうに見られかねない点です。

対策として冬の小物や素材で季節感を取り入れるのが簡単ですが、マフラーをするだけでも効果はあります。またインナーダウンを見せるのも効果的で“あえてインナーダウンをレイヤードをしている“と思わせればいいのです。そのためインナーに使う場合はアウターのボタンを開けておくのがおすすめです。

ダウンには珍しい裾とレイヤードしやすい首元のデザイン

さて次に、デザインの詳細です。まず注目すべきは首元。スウェットなどでおなじみのクルーネックタイプです。開き具合が広すぎず狭すぎずインナーとしても、アウターとして着用するにもちょうどいいバランスです。

最近多く見かける襟元が少し高いモックネックニットに羽織っても収まりが良く、また第1ボタンのないオープンカラーシャツの上から着ても襟のデザインを邪魔せず綺麗に見せることができます。

アウターとして着る時にインナーにパーカーを合わせてもフードの部分に綺麗に沿った形で空いているのでちぐはぐ感が出ずに着られます。

Vネックのタイプも多く見かけますが、シャツに合わせるとベストやカーディガンの様に見えてしまいます。また、モックネックやパーカーに合わせると首元のVの部分が空いてしまい、物足りなさに繋がってしまうので、個人的にはこのクルーネックタイプがオススメ。

次に裾のデザインを見てみましょう。

インナーダウンではあまり見ないラウンドカットという形をしています。ラウンドカットとは裾が円を描くようになっている事をいいます。

(お腹側と背中側のみが長いので横からはスッキリ見えます)

裾がこういう形だと着丈70㎝と長めでもサイドがスッキリしているのでだらしない印象がなく、うまく腰の位置を隠すことができます。腰の位置が隠れると脚の長さを誤魔化すことができるので脚長効果が得られて、胴長短足が多い日本人には有難いデザインと言えるでしょう。

ウルトラライトダウンと比較! 価格4倍の差はあるのか?

ここからは手持ちのユニクロ/ウルトラライトダウン(3990円+税)と比較していきます。果たして2万円と4000円の価格差は感じられるのか? 生地感、素材など細かなところまで見ていきます。まずは素材です。

まずアンルートのインナーダウン。表面の生地はナイロンとポリエステルの混合材、中綿は最も暖かく型崩れしにくいと言われる黄金比のダウン:フェザーが9:1。

続いてユニクロ。表面の生地はナイロン100%、中綿はアンルートと同じ割合でほぼ違いはありません。着て比べても暖かさにそれほどの違いは感じないので、防寒性は五分五分です。次は素材の違いがある生地を見ていきましょう。

こちらはアンルートのもの、テカテカした光沢はなくウールのような表情です。触ってみると少しザラついたドライな感触になります。

こちらはユニクロ。ナイロン特有のテカテカした光沢が若干あり静電気でホコリがまとわりついてしまっています。

手触りは柔らかく、スルスルとした感触です。素材の違いもあるため、生地感は明確に分かれました。ユニクロはナイロン100%のため、どうしても光沢や静電気は否めず値段相応な見た目になっていると感じました。しかし撥水加工と自宅での洗濯が可能で取り扱いはとにかく簡単。

対してアンルートはダウンというには上品で大人っぽい印象を受けました。またユニクロと同等程度の撥水効果はあるものの、自宅での洗濯までは難しく、クリーニング推奨であるため、ケアはめんどくささを感じます。

また、大きな違いとして静電気が起きにくということを感じました。冬場は避けて通れない静電気事情。これだけでも魅力を感じる人は少なくないといった印象です。

このほかのスナップボタン、袖の処理、ダウンの詰め方での軽量化などに大きな違いはありませんでした。

多くの人がコスパ重視で選んでいるからこそデザイン性で差別化を

正直にいうと、ウルトラライトダウンとの機能的な大きな差はありません。おそらく多くの人がユニクロを選ぶでしょう。実際に私も最初に買ったのはユニクロでした。とりあえずの防寒目的やインナーダウンを使ったコーデを試したい人には、やはりコスパのよいユニクロをオススメします。

しかし、実際筆者がそうだったようにもう少しオシャレをしてみたい、もっとレベルアップしてみたいと考えている人には、アンルートのインナーダウンをオススメします。多くの人が選ばないからこそこれ1つで簡単に差別化する事ができ、街でのすれ違った人と同じものを着ている現象を防ぐ事ができます。

先程書いたように上品で大人っぽい表情のある生地は、インナーダウンというカジュアルアイテムにドレス感を加えてくれます。このドレス感によりアウターへ持ってきてもカジュアルすぎる事がなく、インナーに着た際は程よいアクセントになってくれます。大人が着てもサマになるアンルートのインナーダウン、一度お試し下さい。