【ワックス比較】ギャツビーVSアリミノのワックスは価格差ほどの違いがあるのか?

男性のヘアスタイル作りには欠かせないワックス。数ある男性向け整髪剤でも1番ポピュラーで、多くの方が使用されていることと思います。一方でたくさんのブランド、製品があり、どれを選べば良いのかわからない方は多いでしょう。筆者は美容師なので長年サロンで販売している製品を使っています。

ドラッグストアで市販されてる物と比べると、2倍、3倍以上の値段の商品も多いです。では、本当お値段以上の差はあるのか……? その違いを見極めるべく、今回は市販されている製品とサロンで販売してる製品を比べてみることにしました。

今回使用するワックスはこちらの2つ。まずは、ギャツビー「ムービングラバー スパイキーエッジ」。ドラッグストアで400円程で購入できます。男性用ワックスでは売り上げNo.1のシリーズのムービングラバー。その中でも、特に人気のスーパーハードワックスです。

次に、アリミノ「スパイスネオ フリーズキープワックス」。サロン専売のワックスでは登竜門的な存在のアリミノのワックス。筆者と同世代の方は、髪型のおしゃれに興味を持ち始めた時このメーカーのワックスに手を出した人がたくさんいると思います。そのリニューアル版がこちら。

今回使用するワックスはそれぞれのラインナップの中でもっともセット力が強く、固いもの、似たようなタイプをセレクトしました。ワックスを選ぶ際の尺度として、以下の3つのポイントを押さえておくとわかりやすいでしょう。

①固さ、強さ→ワックスのセット力

②形状→ファイバー、クリーム、クレイなど剤の性質。

③質感→マット、ナチュラル、ウェットなど仕上がりの差

今回使用する2つは、スーパーハードに分類されます。はたしてどれほどの違いがあるのか…試していきましょう。

使用感、仕上がりはどうか?

ギャツビーのワックスから試していきます。蓋を開けてみるとこのようになっています。こちらはクリーム状のワックスです。ワックスの形状には、クリーム、ファイバー、クレイ、グリースなど様々なタイプがあります。なかでもスタイリングに慣れていない初心者の方にお勧めしたいのがこちらのクリームタイプです。程よいツヤがあり、ナチュラルな仕上がり。伸び、セット力に優れます。油分を多く含むためつけすぎるとギトギトした印象になってしまいますが、1番万能で多くの髪質、髪型に対応してくれます。

ファイバータイプは束感の表現が得意。よりナチュラルな仕上がりであるものの、ややセット力や伸びに劣ります。特に硬毛、多毛の方だと物足りなさを覚えることがあります。クレイやグリースはマット感、ウェット感など「質感」を表現するもの。特定のヘアスタイルで活躍するタイプで、初めて使うにはクセが強いです。製品ごとに違いがあるので一概には言えないですが、このように覚えてもらうと選ぶ際の基準になるでしょう。

手にとってつけていきます。柔らかいクリームになっており、手の平での伸びは非常に良好です。まずは全体になじませるのが基本になります。このワックスは伸びが良く、かなりつけやすい部類に入ると思います。サロンで販売してる製品と比べて遜色ないです。

質感はややマットなツヤが抑えめの仕上がり。商品コンセプトの通り束感の表現に優れます。多少引っかかったり、絡まるような感触もありますが、これはスーパーハードのワックスなら仕方のないことでしょう。一度全体につけたら、このような形の櫛(リングコーム)の先端の棒の部分でほぐしてあげるのが良いです。

次に、アリミノ「フリーズワックス」を試していきます。ギャツビーのものに比べて少しだけ固めのテクスチャーですが髪の塗布する際、髪への馴染みは良好。スパイキーエッジと比べると、より毛の一本一本、細かいところまで行き渡る感じがあります。

 

 

ギャツビーのものに比べて油分があるため、ツヤのある仕上がり。このあたりはツヤ仕上げか、マット仕上げかは、好みの問題。どちらも仕上がり感は問題ないです。フリーズワックスはやや馴染みが良かったですが使いやすさもほぼ互角の勝負ですね。

キープ力と汎用性は?

では気になるキープ力、持ちはどうか? これはアリミノフリーズワックスのがっしりと、根本から支えられている感じがあります。これは細かいところまで浸透しているかどうかが違いになると考えます。実際に筆者の髪でも使ってみたところ、アリミノフリーズワックスは朝から晩までキープができましたが、ムービングラバーは夜になるとボリュームが落ちてきてしまいます。自分で整え直せば修正可能なレベルではあります。もうひとつ違いを感じたのが、汎用性、対応力の部分。

(ムービングラバー)

(フリーズワックス)

少し髪の長さがあったり、髪質が変わってくると使いやすさに差がでてくるようです。モデルは多毛で髪質も固め。ムービングラバーのほうはやや動きの固さが目立ちます。また、ツヤのでるフリーズワックスの方が大人の男性、ご年配の方の細くなった髪の毛にも相性が良いです。ビジネスヘアや毛流れ、まとまり感を表現するのにはこちらの方が良いでしょう。

余談ではありますが、このくらいの長さの一般的な男性のショートスタイルにスーパーハードワックスを使うと初心者の方にはスタイリングが難しくなります。からまってしまったり、引っかかってしまったりでかなりやりづらさを覚えるでしょう。もちろん無理ではないのですが、このくらいの長さであればハードタイプのワックス、5段階のうち4くらいの強さのワックスを選ぶのがお勧めです。

ヘアスタイルの「持ち」キープ力を求めて選ぶ方が多いと思いますが、そこはドライヤーやヘアスプレーを併用すると解決すると良いです。

スーパーハードのワックスはこのくらいのツンツンと立たせて動かす長さからの使用がお勧めですので、ご参考までに。洗い落としに関しては強力なワックスゆえ、どちらも良いとは言えません。お湯をかけてシャンプーをつけても泡立たない場合は一回流して2度洗いをお勧めします。

値段と総評

こうしてみていくと、ムービングラバー スパイキーエッジはまさにパッケージの写真にあるようなツンツンと立ち上げて動かすヘア、束感表現に特化しています。他方のフリーズワックスは多くの髪質、髪型を広い範囲でカバーできる万能型のハイクオリティワックスと言うことができるでしょう。

価格は、ムービングラバー スパイキーエッジは80g、622円(税込)。ドラッグストアではもう少し安く入手できるかもしれません。アリミノのスパイスネオ フリーズワックスは、100gで1520円(税込)。価格面ではやはり倍以上の差があります。ワックスは髪質や髪型に合わせて選ぶことが大事だと、今回改めて感じました。是非ご参考にしてみてください。

ヴォーノ

この記事を書いた人

ヴォーノ

身長175cm 体重63kg 靴28cm

シンプルな服装が好き。脱地味を目指して日々奮闘中。プチプライスアイテムが多めです。美容師やってます。