【現役美容師がレビュー】ギャツビー「ルーズシャッフル」は多毛・硬毛向けでくせ毛やパーマを仕上げるのに最適

ギャツビー「ムービングラバー」は男性用のワックスで売り上げナンバー1のシリーズ。今回はその中のオレンジ色の容器、ルーズシャッフルを解説していきます。こちらの商品は「くせ毛風のアレンジ」くしゃっとした感じでラフな仕上げ、パーマ風な仕上げを目的とした商品です。果たしてどのような特性なのでしょうか?

材質と使用感

手にとってみるとこんな感じ。ゆるめのクリーム状のテクスチャーで少し糸を引くような感触があり、ちょうどクリームタイプのワックスとファイバータイプの合いの子のような材質をしています。つけた時の感触としても両者の中間のような感触です。この2種類はよく比較されるもので、どちらかというとクリームは仕上がりが重ための多毛、硬毛向き、ファイバーは仕上がり軽めなので細毛、軟毛向きに向いているという傾向があります。

この商品、ギャツビー「ルーズシャッフル」はくせ毛やパーマ風に仕上げることを目的としたワックス。筆者は硬毛、多毛でパーマをかけておりますのでちょうど狙ったような仕上がりになりました。軟毛や細毛の方にも使用しましたが、この際にはクリーム由来の油分が少し強いと感じました。つけすぎると濡れ髪のようになって潰れてしまうため、使用量に注意が必要です。

くせやパーマをしっかり出すに、毛先を握りこむ動作を繰り返すと良いでしょう。下から持ち上げるようにして空気をいれながらやるとベターです。こうすると毛束が動く空間ができるため、カールの動きがよくでます。伸びや髪への馴染み自体は特別良いわけではないため、少し時間を使ってこの作業を行い、しっかりと馴染ませたほうがいいです。

また、手作りパーマと言うふれこみの商品ではありますが、完全な直毛の方がホームページ等のイメージ写真のように仕上げるのはワックスだけでは難しいでしょう。

ギャツビームービングラバーシリーズは国内でも1番流通しているであろうヘアスタイリング剤です。初めて手に取るワックスがこのシリーズだったという方も多いはず。しかし、あまり髪型のことを知らないと、髪質の違いにまで気が及ばないかもしれません。カットだけでヘアスタイルを作ることには限界があります。

少しクセがある、カールをつけるだけでも印象は全然違うものなのです。髪質が直毛、まっすぐの場合はワックスだけで思うとおりのセットをするのは難度が高いです。出来れば、土台の髪型の方にパーマやアイロンでカールを作ってから、スタイリングをすることをおすすめいたします。

仕上がり感は?

仕上がりはこんな感じ。質感としてはややマットで、表面にもホワホワしたまとまりきらない髪の毛が見られます。このへんは自然なカールを表現するにはちょうどいい感じです。基本的に濡れたウェットな質感の方がカールは出しやすく、まとまりやすくはあるのですが、時には自然な感じ、外国人のくせ毛のような雰囲気を出したいこともあるでしょう。

そんな時、このワックスならある程度のツヤ感がありつつもまとまりきらない。くしゃとくせ毛風な表現にはうってつけの商品と言えるでしょう。筆者の場合は「乾いた、ラフな感じのパーマヘア」の仕上げの時に、よくこちらを使用しています。

セット力としてはそれほど強いわけではなく、ミディアム〜ショートくらいのレングスには使いやすいです。強引に毛束を立ち上げるほどのパワーはないので、スタイリングの際にはドライヤーでしっかりとシルエットをつくるか、髪質やクセに合わせた自然な動き、立ち上がりをそのまま表現するといった具合です。

そうするとやはり、用途としては「くせ毛やパーマがかかってる方をラフに仕上げる」、「クセを作る」というよりは、「元からあるクセを活かす」といった使い方の方がおすすめでしょう。前述の通り、細毛や軟毛の方は重たい質感になってしまいやすいので注意が必要。使用する際には少量ずつわけとって、足りなければ足す。といった形にするのがおすすめです。

こうしたら髪質の方はつける量もシビアだし、ボリュームが出すパワーがないのもあって少しスタイリングがやりづらいかもしれません。どちらかというと、多毛や硬毛の方の方がこのワックスの真価を発揮しやすいとは思います。

触った感じはなめらかとしてはよりはガサっとした触感。ベタつきは少ないのでつけた際のストレスにはなりにくいと思うのですが、「つければなんとなくスタイリングがキマる」という感じではありません。

全体に馴染ませながらつけたあとは絡まりやすいため、細かく毛束を整えていく必要があります。そのため簡単にスタイリングができるという部類ではなく、ある程度時間をとってヘアセットできる人に向いています。少しスタイリングの技術がいりますが、くせ毛・パーマ風の仕上げとしては申し分のない雰囲気「ハマれば強い」と言った感想です。万能型ではないので、自分がどんなスタイリングをしたいのか?というのを良くわかった上で、選ぶ必要がありそうです。

気になる価格は?

洗い落としも気になるところですが、このへんに関してはセット力があまり強くないのも相まって比較的落としやすいほうです。普通にシャンプーすれば落とすことができるでしょう。香りはクリアフローラルの香りとのことで、さわやかな良い香りですが、本当に優しめな感じです。つけた後はもちろん、容器を開けた際にも鼻を近づけないとはっきりはわからないくらいでした。

価格は80gで690円(税込)。ドラッグストア等であれば、もう少しディスカウントが入ることも多いでしょう。男性用のヘアワックスでは1番手に入りやすい価格帯ですが、目指す髪型、髪質など条件が整えば充分な機能があると、今回改めて感じました。15gのモバイルサイズ(携帯用)もあり、そちらは270円(税込)。こちらで試してみるのも良いでしょう。