GUのカットソージャケットは売れきれる前に手に入れるべし!

夏真っ盛りですね。しかし洋服の世界には早くも秋が到来しているようで、店頭に秋物が続々と入荷しつつあります。

「秋の服は秋になってから」などと考えていると、いざ秋が来た時に、良品が店頭から消えていることも。オシャレを目指すなら、今から秋物にも目を向けましょう。

さて、2017年の秋冬のトレンドは「ドレス」。“大人っぽいオシャレ”を楽しむ絶好のチャンス到来です。メンズファッションにおける、ドレスの代表格といえばジャケット。既に何着かお持ちの方も多いかと思いますが、それでもなお買い足す価値のあるジャケットをGUで発見したので、ご紹介します。
※ドレスとカジュアルについてはこちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

デニムライクな生地が見せる、ほどよいドレス感。

今回ご紹介するジャケットにおいて一番特徴的な部分であり、魅力となっているのは生地感です。商品名に「デニムライク」とある通り、デニムそのものではないですが、デニムに似た表情をもつ生地です。触感は起毛のないスウェットに近いでしょうか。

デニムのようなゴワゴワ感は一切なく、やわらかな肌触りです。表示上は「綿52%・ポリエステル45%・ポリウレタン3%」となっており、テーラードジャケットで一般的なウール素材の艶とは違うものの、ほどよい艶感があるため、大人が着ても“若々しすぎる”ことはありません。

加えて、生地に落ち感があり、シワがつきにくいのも特徴的です。シワはカジュアルの象徴。シワが入りにくい分、きれいな印象を保持できるのです。

なお、このジャケットはネイビーとダークグレーの2色展開ですが、特にネイビーをオススメします。生地の表情自体はネイビーもダークグレーも同じなのですが、このアイテムを敢えて選ぶべき大きな理由である“デニム感”は、ネイビーの方がより強く感じられるためです。

スタンダードなきれいめデザインとシルエット

このジャケットはかっちりとしたテーラードジャケットと違い、肩パッドを使わずにソフトに仕立てられています。しかしデザインやシルエット自体はきれいめな印象です。ディテールをひとつひとつ見ていきましょう。

袖はスーツと同様、4つの飾りボタンがあります。

ポケットもスーツで標準的なふた付きのフラップポケット。

裏地はいわゆる“背抜き”で、背中部分の裏地だけがありません。通気性がよいため暑い季節向きの仕立てと言われていますが、7月下旬に買ってすぐに着てみたところ、正直なところ、夜でも汗だくになります……。秋口以降に着るのが望ましいようです。

さて、形はトレンド感のある細身シルエットです。身長178cm、体重64kgで細身の筆者は、肩幅43.5cm、身幅51cm、袖丈60cmのMサイズで、袖が若干短い以外はほぼジャストサイズ。

ただし秋以降、ジャケットの下にニットなどを着込むことを考慮するのであれば、肩幅44.5cm、身幅53cm、袖丈62cmのLサイズでもよかったかもしれません。ともあれ生地に伸縮性があるため、体にフィットするような細身でありながらも、窮屈さを感じることはありません。

一旦まとめます。このジャケットはスタンダードな細身シルエットだからこそのドレス感を、デニムライクな生地によってほどよくカジュアルダウンしたもの。

だからこそ襟付きのシャツと合わせてもかっちりし過ぎず、一方でTシャツと合わせても子供っぽくならず、細身のシルエットに違和感のない方であれば、年齢を問わずとても使い勝手のよいアイテムです。これで3990円(税別)は破格といえるでしょう。

余談です。ジャケットにおけるボタンは印象を大きく左右する要素。このジャケットのボタンはプラスチックでありながら質感のあるものを用いており、チープな印象はありません。

ただ、例えば水牛のものに替えてみれば、このジャケットがさらにワンランク上の見え方になること間違いなし。ボタンを自分で替えられない方は、町場のお直し屋さんにご相談を。

セットで展開しているスラックスも秀逸

 

今回ご紹介したジャケットに合わせてセットアップとして履くことのできる、同素材のスラックスも、たった1990円(税別)でリリースされていますので、あわせてレビューします。大人っぽいコーディネートを組みやすい上にドレスに寄りすぎていない点で、単品でも使い勝手のよいアイテムです。

ジャケットと同様に、デニムライクな見た目でありながら艶がある生地で、真ん中にはスマートな印象を強めるセンタープレス。クリーンなデザインです。また、伸縮性のあるやわらかな素材なので、ひざを曲げたり伸ばしたりしてもひざ裏にストレスがかかりません。

そしてシルエットも優秀です。腰周りやふともも周りにはゆとりがありつつ、裾に向かって細くなっている“テーパードシルエット”。足首は首や手首と並んで人の視線を集めるところなので、ここをキュッと細く見せることはオシャレの重要なポイントなのです。

このスラックスの裾幅はかなり細く、裾上げ後の幅が約16.5cm(商品はMサイズ、裾幅は筆者の実測)です。ちなみに筆者はユニクロの股下76cmのパンツでジャストサイズ。お手持ちのスラックスの裾幅と比べてみてください。パンツの裾幅は1cmでも違うとかなり印象は変わります。

なお、あくまでもニット素材なので、ロールアップには向きません。くるぶしが隠れるくらいの長さで裾上げされることをオススメします。

セットアップはオススメしません

驚異的なコスパを誇るこのジャケットとスラックス。それぞれの単品としての使い勝手のよさはすばらしいものがありますが、1点だけ注意すべき点があります。それはセットアップで着ないこと。

セットアップ前提で作られているアイテムなのにセットアップをオススメしない、というのも暴論のように感じられることでしょうけれど、実際にお試しいただければ、おわかりいただけるかと思います。

※このアイテムはGUの中でも大型店とウェブ通販限定での取り扱いとなっています。ご試着をご希望の方は大型店へ。

デニムに似た表情をもつジャケットと、デニムに似た表情をもつスラックス。これらをあわせて着ると、どうにも野暮ったい印象になってしまうのです。例えばデニムオンデニムであれば、最初からカジュアルなものと割り切って見ることができるのですが、このアイテムは下手にデザインとシルエットがきれいめであるがために、合わせると素材感の個性だけが悪目立ちしてしまい、中に何を合わせてもイマイチ冴えないな、と筆者は感じております。

個々のアイテムはとても優秀なのでセットで購入することをオススメしますが、敢えてセットで着るかどうかは、お試しの上でご判断ください。

秋以降、ぞんぶんに着回しましょう!

デザインとシルエットが美しく、ジャケットやスラックス本来のもつドレス感を、デニムライクな素材でカジュアルダウンした今回のアイテム。「値段の割によいもの」というよりは、「このクオリティでこの値段は驚異的」というべき名品です。

セットアップで着るとイマイチ、という思わぬ難点には目をつぶるとして、それぞれをぜひこの秋のワードローブに加えていただければと思います。

 

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。