プレスリリース直後から大きな話題を呼んでいるGU KIMJONES PRODUCTION。世界に誇るラグジュアリーブランド、ルイヴィトンのデザイナーを退任したばかりのキム・ジョーンズと国産ファストファッションの雄であるGUのコラボプログラムです。
過去のアーカイブから着想したといわれるデザインアイテムが多く並ぶなか、筆者が注目したのがシャンブレーシャツでした。その理由を紹介いたします。
デザインフルな第一印象を与えるアイテムが多いなか、2490円(+税)という価格には不釣り合いな程のドレス感を持ったベーシックアイテムなのです。
※ドレスとカジュアルのバランスについては以下の記事を参照
http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810
目次
そもそもシャンブレーシャツって?
シャンブレーとは、霜降り生地とも呼ばれる生地で、通常コットンが原料になっています。シャンブレーの生地はデニム生地と同様に縦糸が色糸、横糸に白糸を使った生地で、綾織と呼ばれる厚みの出る織り方をするデニム生地と異なり、平織と呼ばれる薄さの出る織り方をするという特徴があります。
そのため、通常コットンで織られたシャンブレー生地は薄手のデニム素材のような風合いをした生地となります。艶のないデニム同様、カジュアル要素を持っています。
そしてシャツはビジネスやフォーマルで扱うドレスアイテムです。もし、これが艶のないコットンシャンブレーであれば、ややカジュアル寄りのアイテムとなります。
例えばユニクロや無印良品でも綿100%のコットンシャンブレーシャツをラインナップしています。ユニクロはワークシャツというデザインで、無印はボタンダウンでカジュアルにさらに寄せています。
[参考:UNIQLO シャンブレーワークシャツ] https://goo.gl/aJW121 [参考:無印良品 オーガニックコットンインディゴシャンブレーボタンダウンシャツ] https://goo.gl/Y2JiCdKIMJONES PRODUCTIONのシャンブレーシャツはここが違う!
通常のシャンブレーシャツはコットンを使用したカジュアル要素の強いアイテムなのですが、こちらのシャツは違います。まずは成分表示を見てみましょう。ここに最大の特徴があります。
コットンではなく、レーヨン70%とリヨセル30%を使っています。レーヨンとリヨセル、どちらも光沢のある生地感が特徴の素材です。ツヤがある素材はドレスライクです。そして先ほど述べた通りYシャツもドレス要素のあるアイテムです。
つまり、「ワイシャツ→ドレス」「ツヤのある生地→ドレス」「カラー(青)→カジュアル」と考えることができます。青はビジネス、フォーマルにおいてはくだけた印象のカラーとなるため、カジュアルとなります。
そのため各要素を合わせて見ればドレス要素が強いですが、色によるカジュアル要素を併せ持ったハイブリッドアイテムといっていいと思います。コットン素材を使った通常のシャンブレーシャツとはこの点が大きく異なります。
日本人にとって「ドレスとカジュアルのバランスは7:3がベスト」だとすると、このアイテムにはドレス寄りアイテム、カジュアル寄りアイテムのどちらを合わせてもそれなりにサマになりやすく、着回しのしやすいアイテムと見る事ができます。
そのためシルエットは非常にシンプルでベーシック。通常のYシャツと同じくレギュラーカラーで背中にはセンタープリーツが入っています。胸ポケットは付いていないため、フォーマルシャツのようですね。
トータルデザインも大きな特徴のないビジネスシャツのようでもあるので、オフィスカジュアルや日ごろのコーディネートに取り入れるのは非常に容易な点も見逃せません。
サイズはS~XLの4サイズ展開となっています。161cm、67Kgで若干メタボ体型の筆者ではありますが、購入したのはSサイズ。自身の肩幅が40cmなのでジャストサイズで着用でき、製品着丈も71cmのためちょうど良かったためです。
身幅は多少お腹が出ているため心配しましたが、キツさもさほど気になりませんでした。
(少し光を当てて撮影しています)
また、素材の表情も大きな影響を与えています。
シャンブレーは玉虫色とも呼ばれる表情のある素材感が魅力ですが、このシャンブレーシャツも素材の表情を持ちつつも、さらにレーヨン独特のトロッとした質感と落ち感、ムラのある光沢感がある生地のおかげでよりベーシックなYシャツの持つ無難な印象を払拭し、周りとの差別化を促すこともできます。
少し薄手の生地感ですが、色味が強いため、インナー透けの心配はさほど感じません。また、リヨセルを混紡したことで吸湿性・速乾性はこれから気温の上がる季節にもピッタリ合致します。
注意事項はもちろん洗濯‼
タグの下部には洗濯表示、一見すると通常洗濯で大丈夫なように見えますが、実はここの判断が厄介なのです。というのも、レーヨンとリヨセルの混紡で強いドレス感が得られましたが、その生地が仇となり、洗濯の際は特に注意が必要になります。
レーヨンは普通に洗濯してしまうと縮み・型崩れを起こしてしまう洗濯が厄介な素材の一つ。
そのレーヨンの洗濯時のデメリットを、強度と吸湿速乾性に優れたリヨセルが緩和してくれてはいるのですが、リヨセルの方はなんと摩擦擦れに弱い素材。そのため何も考えずに洗濯機に放り込んでしまうと、表面の生地が荒れてせっかくの光沢が台無しになってしまう可能性があるのです。
洗濯表示上は洗濯機洗いが可能となっているものの、気を付けるに越したことはありません。筆者はSサイズを購入したのですが、初回洗濯の後、袖を計測してみたとろころ2㎝ほどカタログスペックから縮んでいました。
しかし、他の丈は変わらなかったので、許容範囲といっていいでしょう。
ボタンはプラスチックボタン、これが惜しい‼
アイテム単体でみればもう一点、惜しいポイントがあります。それはボタンがプラスチックボタンになっている点です。KIMJONESPRODUCTIONの製品はGUの生産背景を利用しているため、どうしても細かいポイントにファストファッションならではのマイナス要素があります。
このシャンブレーシャツの場合、特に目立つのはプラスチックボタンが採用されている点です。プラスチックボタンはアイテム全体に安っぽさを付加してしまうため、シャツ本体の持つ大人っぽさやドレス感が薄まってしまうというデメリットがあります。
特に無地のベーシックアイテムほど、ボタンの印象はアイテム全体の印象を変えるほどの効果があります。
とはいえ、シャツのカラーに合わせたネイビーでまとめてある分、大きく目立つわけではないのですが気になる方はお好みのボタンに付け替えるのも手だと思います。
なお、このプラスチックボタンにはKIMJONESの刻印がされています。このアイテムでは刺繍タグ以外で唯一KIMJONESアイテムをアピールできるポイントなので筆者はこのまま使おうと思っています。
アーカイブのタグは襟の裏側についているので、目立たなくなっています。上部の『SS04』が着想元となったモデルとなったアーカイブのシーズン、下部の『SS18』が今回のアイテムのシーズンを表しているようです。
春夏のドレスアイテム要員として一考の価値はアリ!
日差しも強くなるこれからの季節、メンズファッションはトップスとボトムス、シューズで構成されたワンツーコーデが基本になってきます。
そのため、サマになりやすいバランスを組むためにはドレス要素をどのように確保するかが命題となります。このアイテムであればそのドレス要素の確保をトップス一枚で得られますので、
これからの時期において一枚は持っておいて損はないアイテムといえます。2490円(+税)という価格設定でありますが、一般的なシャンブレーシャツとは全く異なる印象を与える可能性を秘めたアイテムなので、この春夏に取り入れてみてください。
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