GUのシアサッカーセットアップはシルエットが進化していた!

セットアップが人気です。特にGUではシーズンごとに、複数の素材・デザインのセットアップをリリースしています。2018年の春夏は、カットソー、ドライストレッチ、リネンブレンド、シアサッカー、そして新登場のカノコと5つの素材、デザインのアイテムを発売。

すでに一部のサイズには欠品も出ているようです。筆者はシーズンごとに複数枚のセットアップを購入するのですが、今年もGUからリリースされた全セットアップを、1時間以上かけて試着。やっと納得の「今年の1枚」を見つけることができました。

それがこちらの「シアサッカージャケットCL」(以下、ジャケット)と「シアサッカーイージートラウザーCL」(以下、パンツ)です。2017年、GUのシアサッカー素材のセットアップは、梅雨前に、ほぼ全色・全型が売り切れてしまった人気のアイテム。

通常、GUのセットアップは大型店のみでの取り扱いですが、「シアサッカー素材」のセットアップは昨年の人気を受けてか全店に置かれているようです。とはいえ、人気の商品。ぜひ、本記事を読んだら、売り切れる前に試着してみてください。

シルエットが進化して足長効果がアップ!

今年のモデルを店頭で試着してみて驚いたのが、シルエットのよさです。夏の街着としてリラックスした印象を残しつつも、昨年モデルよりスマートに着こなせるように進化。よりきれいなIラインを作りながら、着心地もよくなっています。

その秘密は、どこにあるのでしょうか? 試着だけではわからない進化の秘密をみていきましょう。まず、ジャケットです。筆者が購入したSサイズで、昨年モデルとスペックを比較してみました。昨年のモデルは着丈67.5、肩幅42.5、身幅50.0、袖丈58.5。

今年度モデルは着丈67.5、肩幅43.0、身幅49.0、袖丈58.5。身幅が1cm短くなって、肩幅が0.5㎝長くなって、より逆三角形に近いシルエットになっています。そして、これはスペック表には掲載されていないのですが、実はウェストの絞りの位置が1cmほど高くなっています。

GUのジャケットの着丈は、SサイズとMサイズで2cmしか違いはありません。そのため、わずか1cmですが、ウェストの絞りの位置が高くなると腰の位置が高く見え、足が実際よりも長く見えるでしょう。

さらに、ウェストの位置が高くなることで、ジャケットの腰から裾にかけての広がりも大きくなり、筆者のような中年男性の出てきたお腹もすっぽりと隠してくれます。お腹をスッキリと見せて、足長効果も機能。そのため、最初に試着した際に、大きくシルエットがよくなったと感じました。

それでは、身幅も狭くなっているのに、なぜ着心地がよくなっているのでしょうか? GUのジャケットは、これまで着心地よりもシルエットを優先してきたため、オンラインサイトのレビューでは「着心地がよくない」いう声が散見されました。

着心地を改善した要因は、「アームホール(袖幅)」にありました。昨年モデルから0.5cm肩幅を広げて逆三角形のシルエットを強化するのに合わせて、アームホールを(実測で)1.5cmほど大きく設計して、肩腕まわりのストレスを軽減。そうすることで、「見た目のスッキリとした印象を強めつつ、着心地をよくする」と相反することをうまく両立させているのです。

パンツも履き心地よく、よりスマートな形に進化!︎

そして、これはパンツでも同様。パンツのスペックを見てみましょう。昨年のモデルはウェスト77 、ヒップ94、わたり幅30、股上24、裾幅16、股下73。今年のモデルはウェスト77 、ヒップ97、わたり幅31、股上25、裾幅16、股下71。お尻まわりを3cmほど大きくして、腰から太ももにかけてのリラックス感をアップ。

ヒップが大きくなると、着心地はよくなるものの、シルエットが崩れてしまうのが一般的。GUでは、それを避けるために、パンツにおいて一番目立つ先端部分のバランスを調整して、きれいなスタイルを実現しています。

ヒップを3cm大きくするのにあわせて、わたり幅を1cm広げて、股下を2cm短くしつつも、裾幅は昨年のまま細く設計。腰から裾にかけてキュッと細くなるテパードを強くして、スマートな印象を担保していますね。

さらに、ジャケットのウェストの位置を高くするのに合わせて、股上を1cm深くして、腰骨に合わせてジャストで履けるようにして、よりシルエットが綺麗に見得るように改良。こうしてリラックス感と、すらっとしたスマートなスタイルをうまく強化して、夏に最適なセットアップに進化させたのが2018年のセットアップです。

素材は暑い季節に気軽に使える「ポリエステル100%」

(ストライプは鼈甲のような柄のボタンを使用「プラスチック製」)

素材として使われているシアサッカー生地は、強く張った糸と弱く張った糸を交互にして作られた、波状の縞模様の凹凸感が特徴。この凹凸感のおかげで、生地が肌に触れる面積が少なく、べとつきにくくなるため、暑い季節にも涼しく着ることができます。

シアサッカー素材は本来、インドで作られた柔らかい亜麻布のことを指したようですが、現在はコットンが主流。コットン・ポリエステル混合による機能素材のアイテムも多数リリースされています。GUも以前は「シアサッカー」のセットアップには、コットン・ポリエステルの混合素材を使用していました。

しかし、昨年からポリエステル100%に変更。これは暑い季節での使用を想定するならば、ベストな選択だと言えます。生地にはりがあるため、凹凸部分の生地の肌への接触を少なくして、涼しく着ることが可能です。

さらに、耐久性が高くなるため、汗をかいたときにも気軽に自宅で洗濯ができます。ネットに入れて洗い、脱水前に取り出し、襟や袖口の形を整えるだけでOK。シアサッカー素材は凹凸感が表すシワも魅力のひとつなので、アイロンがけも不要。

唯一の難点は袖口の「開き見せ」

(昨年のリネンブレンドモデルとの袖口の比較)

年々、シルエットと素材が見直されてきた、GUの「シアサッカー」セットアップ。デザイン面にも妥協はありません。胸ポケットは脇側にかけて船の舳先のように三角形にとがったバルカポケットで、バストの丸みが体型に沿って出るようにしなっています。

ラペル部分やサイドポケットもシルエットがきれいに見えるように工夫されており、デザイン面での妥協もありません。そのうえで、1点だけ惜しい点があります。それは「袖口」の仕様です。今年度のモデルから、袖のボタンを外せる「本切羽」から、袖のボタンが縫い付けられた「開き見せ」に改定。

ZARAやH&Mなどのファストファッションでは、「本切羽」より「開き見せ」の方が一般的なので、大きなマイナス点ではありません。しかし、暑い季節の使用を想定した場合に腕まくりがしにくいので、来年の春夏モデルでは「本切羽」仕様の復活を期待したいところです。

とはいえ、そのほかの作りは、他社の追随を許さないこだわりが満載です。裏側の縫い目は、テープ状の布でくるむパイピングが施されて、布の端がほつれないようになっています。また、使用頻度が高いボタンの後ろには力布(縫い付けた糸で生地を傷つけないようにする加工)。こだわって作られています。

シルエットと着心地も大きく進化した「シアサッカージャケットCL」は定価4990円(+税)、「シアサッカーイージートラウザーCL」は定価2490円(+税)。週末などのセールのときは、ハイシーズン前でもジャケットが3490円(+税)、パンツは1990円(+税)での購入も可能。合わせて6000円以下です。

筆者はすでにシアサッカー素材のセットアップを保有しているため、今期はストライプのカジュアルなモデルを購入しましたが、初めてシアサッカーのセットアップを購入されるなら、着こなしやすく色味も上品なネイビーやブラックがオススメです。昨年は梅雨前には売り切れてしまいました。ぜひお早めに実物をチェックしてみてください。

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2020.01.28
TJ

この記事を書いた人

TJ

身長167㎝ 体重65㎏ 靴25.5㎝

ダイエット中で-30キロ。あと5キロに苦戦中。服選びの基準は「高見え」「やせて見えること」「若い女子にもてそうか」。42歳