筆者は毎朝、自転車で娘を保育所に送り届けた後、駅に向かい会社へ行きます。この時間は、自転車の前と後ろで色んなことを話しながら、時には歌いながらの楽しいひと時でもあります。自転車なので、当然歩くよりも風を受け、体感温度は下がります。
グリップを握る手はいちばん冷たくなるところでもあります。今までは、その冷たい風に娘との楽しい時間が邪魔されていました。そんな時、ハンズオングリップという手袋専業ブランドと巡り合いました。今回ご紹介するのは、ラインナップの中でも自転車乗りを意識したEasy Breezyというモデルです。
ハンズオングリップは、香川県東かがわ市にある手袋専門のブランドです。日本の手袋生産の約9割を出荷するこの街で、約60年に渡って手袋作りに関わっているという、男心くすぐられる歴史があります。
機能的でスタイリッシュ
手袋は少し余るくらいが普通、と思っている人も多いのではないでしょうか。しかしハンズオングリップの手袋はサイズ展開が豊富で今回ご紹介するEasy BreezyはS・M・Lの3サイズ展開、モデルによってはXSもあります。
しかも作りが細くなっているため、フィット感に優れ、着用するとスタイリッシュに見えます。写真でも指部分が細い作りだというのが分かるのではないでしょうか。自転車のグリップを握るときにも違和感なく、ベルやチェンジレバーも無理なく操作できました。
手首部分にループもあり、カラビナ等でまとめてリュックやパンツのベルトループにつけることもできます。もちろん濡れてしまったときには、吊るして干すこともできて意外と便利です。
神戸牛って美味しいだけじゃなかった
(左側は裏返しにしたものです)
甲側にはDURATEXという素材が使われ、柔らかく風も通しません。防水性もあるので、雨の日も大丈夫です。手平にはなんと神戸牛が使われています。これはカウハイドレザーと言われる、生後2年以上のメスの成牛の革で、柔らかく、耐久性もあり、更に手洗いができるようにウォッシャブル加工がされています。
手首部分の生地にはPOLARTECのPOWER STRETCHが使われています。この素材は4方向にストレッチし、非常に通気性が良いことが特徴で、軽くて暖かく、あらゆるスポーツウェアに適しているものです。そしてこの部分の中綿には、プリマロフトという素材使われており、とても暖かいです。
プリマロフトという素材は、ダウンを超える人口羽毛として開発され、米軍の寒冷地用防寒着や寝袋・寝具・枕・高級グースダウンの代替素地としてダウンジャケットにも使われています。手袋を裏返してみると非常に多くのパーツでできていることが分かります。
写真でも手首部分の暖かそうな中綿が感じられるのではないでしょうか。実際に使用している間、指先が冷たくなっても、手首部分が冷たく感じることはありませんでした。
雪国やマイナスの世界ではちょっとつらい
素材の説明をすると少しわかりにくくなったかもしれません。体感としては、ぴったりフィットしているので、手首部分をアウターの袖にも入れやすく、濡れてもすぐ乾き、暖かい、まさに自転車乗りには最適な手袋ではないかと思います。
写真のようにアウターのベルクロをぎゅっと締めなくても、風や冷たさを感じることはありませんでした。私は7時半頃に家を出ることが多いのですが、Easy Breezyを試している間の気温は-1℃~8度くらいでした。
その時の風の強さにもよるのですが、さすがにマイナスの気温の時に15分くらい自転車で走っていると、指先が冷たくなり、じんじんしてきました。それでも自転車を降りてそのまま手袋をはめていると5分ほどで冷たさは解消されていきます。
雪が降り積もる地域ではつらいかもしれませんが、都市部や平野部では十分に使えると思います。私は関西在住でとても寒がりですが、このEasy Breezyに出会えてとても幸せです。
気を付けてほしいのはやっぱりサイズ
サイズ展開が豊富だからこそ、しっかり計ってほしいと思います。できれば試着した方が良いですが、近隣にお店がなく、通販で購入される方はHPのサイズガイドをよく見てしっかり採寸することをお勧めします。
私のサイズは、手囲いが22㎝で手長寸法が18㎝ですが、Sサイズがぴったりでした。参考になれば幸いです。なお、上記のサイズ表はXSの表記もありますが、これは全モデル対応のサイズ表のためです。今回ご紹介したEasy BreezyはS・M・Lの3サイズ展開です。
16日間使用してみての感想
(使用16日目に撮影。手の平側にしわが入って、馴染み始めてきました。)
12月に入ってから使用テストをしています。テスト地は関西地方の平野部で、雪は降りません。テスト時の気温は-1℃~8℃(朝7時半から8時と18時頃の気温です)。今年は気温が昨年よりも低い日が多く、試すには丁度良い気候でした。
新品の時は、若干手を通しにくかったですが、牛革が馴染んできたのか、一週間くらいで着脱もスムーズになってきました。フィット感に優れ、着用したままでも、携帯のボタン操作くらいならできました(タッチパネルは無理でした)。
防寒用の手袋はおおよそ不格好であることが多く、自転車を降りるとすぐに外したくなっていましたが、Easy Breezyは着用しているところを見てほしいとさえ思えるほど、シルエットが美しいです。私は普段用にも使うことが多いです。かといって防寒性を犠牲にしているのではなく、極寒地でなければ十分な暖かさを提供してくれています。
自分の手にフィットするサイズがあり、デザインもシンプルでスタイリッシュ。さらに防寒性にも優れている手袋。雪国に引っ越しでもしない限り、私はずっと使い続けるでしょう。この出会いに感謝しています。1万4256円(税込)の価値はあると思います。