実用性と同時に装飾性にも優れている

(上から、鞄、手袋ホルダー、手袋)

(手袋を保持したところ)
エルメスの手袋ホルダー(フィルー)は、左右を束ねた手袋を鞄などにぶら下げるアイテムです。脱いだ手袋を上着のポケットに入れていつの間にか落としてしまったり、鞄に入れて他の荷物に紛れてしまったりするのを防げます。手袋ホルダーは実用品であると同時に、鞄に取り付ける飾り(バッグチャーム)としてさりげなく機能します。
デザイン・シルエット

(写真右下のD型リングがD鐶)

(D鐶を鞄の持ち手に装着)
外した手袋を挟み込むためのクリップと、鞄の持ち手などに繋げるチェーンというシンプルな構成です。手袋をはさむ部分から開閉時のつまみ部分にかけて、全体が美しい曲線を描いています。クリップ支点部の両側に、ブランドのHマークが刻印されています。
Hマークはクリップ、チェーンと同色のため悪目立ちすることなく、「よく見れば気づく」というさりげなさです。手袋を挟み込むクリップの穴は楕円形で、長径30㎜、短径25㎜です。このアイテムの楕円サイズは、束ねた手袋を挟み込むには意外と小さいので、厚めの手袋をお持ちの方はご注意ください。
なお、クリップには手袋を挟む力が十分あります。筆者がこのアイテムを使用して2回目の冬になりますが、挟んだ手袋が抜け落ちたことは一度もありません。チェーンは伸ばした状態で長さ130㎜。
筆者所有の鞄に付ける場合、持ち手に直接巻き付けられなくはないのですが、チェーンの長さが少し足りない様に見えたため、ホームセンターで購入したD鐶(Dカン、2個入りで80円)を介して、鞄の持ち手に取り付けました。
重さは26gあり、素材はすべて金属です。本体色は、光沢のあるシルバー(公式サイトの色名表記はパラディウム)です。本稿では筆者所有のシルバーを紹介しております。全体がゴールドのタイプも店頭やネットで見たことはありますが、現在、公式サイトに掲載されているのはシルバーだけでした。
わざとらしさのない自然な自己主張

小物アイテムには、帽子、メガネ、ネックレス、ストール、ブレスレット、指輪、ベルト、靴下など色々ありますが、飾り付けることが主目的であるアクセサリーを身に付けるのは、「カッコつけている、目立とうとしていると思われたくない」という気持ちがどうしても先行して、自身の着こなしに取り入れることに抵抗を覚える男性は、少なからずいらっしゃると思います。
「時間を確認する」ための腕時計と同様に、手袋ホルダーには「脱いだ手袋をまとめて収納する」という明確な使用目的があります。寒い季節の防寒グッズとして手袋を身に付けるのは普通のことです。
指輪やネックレスなど自分の体に直接身に付けるアクセサリーではなく、手袋ホルダーは鞄などに付けるアイテムであるため、着こなしに取り入れる際の心理的ハードルを越えるのに、あまり力は要りません。少なくとも私の周りでは、手袋ホルダーを使用している男性を見たことがありません。
差別化には有効な小物アイテムだと思います。公式サイトでの価格は4万2120円(税込)です。ハイブランドですが、同ブランドから出ている数十万円もするレザー製バッグなどと比べると、小物アイテムである手袋ホルダーは決してお安くとは言えませんが、「頑張れば狙える価格帯」でしょう。
本稿でご紹介したエルメスに限らず、「手袋ホルダー」、「グローブホルダー」で検索すると、色々なメーカー・ブランドから様々な仕様・形状、価格帯の商品が出てきます。ご自身の感性に合った製品を探して、試してみてはいかがですか。