ジャケットのインナーにプリントTがハマる!H&MのプリントデザインTシャツ

プリントTシャツは、モノとしての魅力に溢れています。モノとしてというのは、この場合、コーディネートの部品としてではなく、単体としてという意味です。

そしてその魅力は、プリントのないTシャツと比較して、素材やシルエットよりもプリントされているコンテンツそのものに起因する割合が高いといえるでしょう。ユーモアやウィットに富んだ文字列、美しい写真や絵画、ごひいきのミュージシャンやキャラクター、愛用のブランドやメーカーのロゴなどなど……

しかしそんなプリントTシャツも、オシャレ目線でいえば、コーディネートのパーツとして機能すべき「服」であることにかわりはありません。

いうまでもなく自分目線でモノとして愛でるのは個人の自由ですが、他人目線でいえばビミョーなものが多いのも事実です。服ログの読者であるあなたなら、自分目線と他人目線、趣味と実益=オシャレのせめぎあいで悩んだことがあるのではないでしょうか?

この問題の「もっともカンタンな解決策」について、H&MのプリントデザインTシャツなどを例に紹介させていただきます。

きっかけはアイバニーズ

きっかけは2012年に1500+税)で購入したこのTシャツでした。Ibanez(アイバニーズ)は主にメタル系のテクニカルなギタリストたちとエンドースメント契約を結んでいる日本のギターブランドです。

ポール・ギルバートの愛器アイバニーズのロゴをあざやかなブルーのグラデーションで表現したこのTシャツを私は衝動買いしてしまいました。

冷静になって評価してみると、ただでさえ地雷アイテム頻発のユニクロUTの企業コラボ、しかもメタル系ブランド、さらに派手めのカラーと、三拍子そろったオシャレ難易度の高いもの。そんなわけで、しばらくは自家製のデッドストックとして寝かせてあったのですが……

もし他人に見せたい服、たとえば新調したばかりの艶やかなシャツを着ていたら、多少寒くてもジャケットを脱ぎたくなるでしょう。でももし着ているのが他人に見られたくない服、たとえばうっかりトマトケチャップをこぼしてしまったシャツであれば、多少暑くてもジャケットは脱がずストールまで投入して隠そうとするでしょう。

そしてちょうどこれらの中間に位置するのが、私にとってアイバニーズのプリントTシャツだったのでしょう。積極的に見せたいわけではありませんがもともと一目惚れして買ったもの、消極的には見せたい!という願望を捨てきれなかったので、方法を考えてみたのです。

必然的にというか、ならばチラ見せすればいいのではという結論に至り、テーラードジャケットのインナーに入れてみたのがこの画像です。もちろんこういった思考プロセスに要した時間はじっさいには一瞬であり、あえてコトバで説明すれば上記のとおりだということです。

ちなみにこれはあくまでもメソッドです。テクニックというほどのことではありません。だって、ただTシャツの上にジャケットを着るだけなのですから、意識があるかどうかだけの問題にすぎません。これが「もっともカンタンな解決策」です。

秋に着るためのプリントTシャツ

プリントの色数が多ければ多いほど、色彩が強ければ強いほど、面積が広ければ広いほど、プリントTシャツはカジュアルなものになっていきますが、ジャケットで両サイドを隠してやることで、その度合いをかなり低くすることができます。

そういった意識さえできてしまえば、秋に着るための、インナーとしてのプリントTシャツを、あえて物色することができるようになります。そのような経緯で、はじめからインナーとして購入したH&MのプリントデザインTシャツ。

泣く子はおろか、あのイングヴェイ・マルムスティーンも黙るジミ・ヘンドリックスの勇姿がかなりド派手なカラーでプリントされています。素材は1799円(税込)の価格相応というか、いつものH&Mらしいテロンとした薄手のコットンでできていますが、むしろあまり張りのある厚手のものよりロックTらしいとさえいえます。

シンプルにセットアップに入れてみました。この上下に白シャツでは、街着としてはいくらなんでもやりすぎでしょう。それでもキャップやスニーカーでドレスダウンすることはできますが、ジミヘンTシャツならそれ一枚でどう転んでも仕事着には見えなくなります。これは「もっともカンタンな解決策」の応用といえます。

サイズ感としては、身幅こそややスリムではあるものの肩はドロップぎみ、丈も長めのつくりになっています。インナーとしての購入ということもあり、ユニクロUTではLサイズ=身丈70cm・肩幅44cm・身幅52.5cm・袖丈22cmメインの私もSサイズをセレクトしましたが、それでもやや大きめです。

実測で身丈75cm・肩幅47cm・身幅48cm・袖丈22.5cmでした。 H&Mのサイズ設定が比較的大きめであることに加え、デザインそのものからくる大きさもあるので注意が必要です。

お店で宝さがし!

プリントTシャツはいつでも販売されていますが、メインはやはり春夏、いまはワゴンセールになっているものもあるでしょう。

一年後のためにセール品を購入するのは、トレンドの移り変わりの早さを考慮するとあまりおすすめできませんが、まさにこれからジャケットのインナーとして着るのであればまちがいなく「買い」です。

もちろん限度はありますが、ギリギリの線を狙って大胆なものをセレクトしてみるのも楽しいですよ。だって、どうがんばってもチラリとしか見えないのですから。