古着で見つかればラッキー!デザイン性に富んだジェイ・サバティーノのウォッシュ加工デニム

ファッションのトレンドは、シンプルなアイテム同士をカッコよく着こなす「ノームコア=究極の普通」から、デザイン・シルエット・素材・カラーに工夫をこらしたアイテムを取り入れて着こなす「着飾るオシャレ=装飾性」に移り変わろうとしています。

メンズファッションの永遠の定番の1つであるデニムについても、多かれ少なかれ、ファッション全体のトレンドの影響は受けるものです。

デニムのトレンドも、ノンウォッシュデニムなどのシンプルでキレイめなデニムから、ウォッシュ加工やダメージ加工を施したデザインを意識したデニムへと移行しつつあります。

もちろん、ノンウォッシュデニムがトレンドの移行とともに、オシャレではなくなるという意味ではありません。トレンドを反映したアイテムは「オシャレにみえやすい」というだけですから。

しかし、この「装飾性」というトレンドの波に乗って、行き過ぎたデザインのアイテムが市場に出回っている感も否めません。このような過度なデザインを施されたアイテム達は、オシャレの面での説得力に欠け、嘘臭さが漂い、コーディネート全体の印象を悪くしてしまう恐れがあります。

このバランスが非常に難しいところではありますが、今回の記事では、絶妙なデザインでヴィンテージ感とモードな雰囲気を掛け合わせたジェイ・サバティーノのウォッシュ加工デニムをご紹介します。

シルエットは細身、膝下はストレート

まずは、こちらのデニムの採寸について。デニムのサイズ表記は28、詳細な採寸は、ウエスト76cm、股上23cm、股下66cm、もも周り52cm、裾回り33cm。165cmの筆者ですが、かなり細身の作りなっています。

また、サッカー経験者で、もも周りが大きい筆者が履くと、ももはかなりピタッとします。ただし、ユニクロのスキニーデニムほどではありませんが、ストレッチも効いているため、そこまで履き心地にストレスはありません。

また、股上も浅く、少しローライズ気味でもあります。このデニムの一番面白いポイントは、膝下のシルエットがストレートであること。

数年にわたって市民権を得た「ノームコア=究極の普通」のトレンドによって、下半身がキレイにみえるボトムスとして、膝下のシルエットが膝下から足首に向けてシュッと細くなるテーパードが主流となっていました。その流れもあって、膝下したから足首までの細さが変わらないストレートのこのデニムは、逆に新鮮に感じました。

絶妙な色落ち加工は、まさにヴィンテージデニム

冒頭でも述べましたが、こちらのデニム、本当にデザインが絶妙なのです。特筆すべき点として、まずは、色落ち加工。

デニムのベースカラーは濃紺というよりは少し緑色が入ったもの。このデニムに「これでもか!」というくらいに色落ち加工を施しています。もはや、原色をとどめている部分はごくわずか。

腰回りには程よくヒゲ(白いラインのシワ)が入っており、ポケットの部分はほんの少しだけ茶色っぽい加工も施されています。この加工が、力仕事で汚れた手をそのままポケットに突っ込むという仕草を繰り返すことによってついたシミみたいな感じがして、ものすごくリアルなのですよね。

上記の写真はデニムの全体。前面側はももから膝にかけて、しっかりと色落ち加工が施されています。また、腰回り同様に膝に向かってシワが入っています。

一方、背面側については、お尻周りはイスなどに座った際の擦れによる色落ち、歩いたり、走ったり、しゃがんだりすることによってストレスが大きく掛かるふくらはぎ部分の色落ちが見事に表現されています。

この説得力、まさにヴィンテージデニムそのものです。

また、上記の写真からもわかる通り、このデニムの色落ちは場所によって濃淡がハッキリしている、いわゆる「アメリカン」な雰囲気を意識しているといえます。デザイナーであるJay Sabatinoは、アメリカはニューヨーク州の出身。

このデニムの再現性の高さにも納得がいきます。

裾のデザインは秀逸、デザイナーズブランドの真髄

こちらのデニムの一番のポイントは裾のデザイン。一般的なデニムのように、裾部分を折り返して縫い合わせるような加工とは大きく異なる仕様となっています。

まずは裾端から5cmほど上側でデニム生地を繋ぎ合わせています。さらに、その繋ぎ目から2.5cm程度下側にデニムの白糸による折り目加工が施されています。その折り目加工から裾端までの2.5cmはデニム本体よりもあえて色落ち具合を抑えて、深めのブルーになるように調整されています。

最後に裾端は切りっぱなしにして、デニムのほつれ糸をそのままデザインとして取り込んでいます。

デニム全体としては、ヴィンテージデニムのように、かなり履きこんだイメージに仕上がっていますが、この裾のデザインは、ヴィンテージライクな雰囲気を残しながらも、ヴィンテージデニムにありそうでない絶妙なデザインを施しているといえます。

この「ありそうでない」という印象を持っているからこそ、古着には無いモードな雰囲気を纏うことができるのだと思います。これぞ、デザイナーズブランドの真髄ではないでしょうか。

シンプルな着こなしのアクセントにgood

さて、こちらのデニムの着こなしですが、白のカットソーやロンTなどのシンプルなアイテムにサラッと合わせるのが面白いと思います。

一見すると、いい具合に色落ちしたヴィンテージデニムに見えるのですが、上述した裾のデザインによってモードな雰囲気も兼ね備えているため、古着のような野暮ったい印象は無く、足元でほどよいアクセントとしてコーディネートを引き立ててくれます。

どうしてもダークトーンに偏りがちな秋冬シーズン、コーディネートに軽さを与えてくれる貴重なアイテムとしても活躍してくれること、間違いないでしょう。

古着ショップで見つけたら、ぜひ試着してみよう

今回ご紹介したジェイ・サバティーノのウォッシュ加工デニム、価格は1万6000円(税抜)。ここまで熱く語ってきましたが、実は、「ジェイ・サバティーノ」というブランド自体は2015年に終了しており、今は、同じデザイナーが「メンテナント」というブランドを立ち上げて活躍されています。

ジェイ・サバティーノのアイテムは、販売当時、非常に人気があったため、今でもブランド古着ショップやネットオークションでも取り扱いがされています。しかも、今回ご紹介したデニムのようにタイムレスな魅力を持つアイテムが多かったので、筆者のワードローブの中でも現役で活躍してくれています。

こういったアプローチのブランドはなかなか無いので、「安くて良いものを手に入れたい」という方は、ぜひチェックして損のないブランドだと思います。

古着ショップで見かけたら、ぜひ手に取って試着してみてくださいね。

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2019.01.10