カズユキクマガイのストレッチ度詰天竺ノーカラーブルゾンは汎用性が高い

ともすれば「Tシャツとショートパンツで一丁上がり」になってしまう夏もそろそろ終盤。オシャレをより楽しめる季節がやってきますね。野球に例えるなら“ホームラン”級の魅力を放つようなキメのアイテムを買い求めるのもよいですが、四番バッターだけで強いチームはできないように、個性の強いアイテムばかりでオシャレはできません。“つなぎ役”は重要です。

そこで今回は、これからの季節に1着あると大変心強い、良質なブルゾンをご紹介します。

無駄な装飾を排したミニマルなデザイン

このアイテムは、中央についている2つのジップで開閉するブルゾンです。デザインはミニマル(最小限)。ほかのアイテムと組み合わせた時にケンカする要素がないため、さまざまな重ね着を楽しめる仕様です。細部をひとつひとつ見ていきましょう。

一般的に、ジップアップ型のブルゾンは、最も目立つ前面センターでジップの金具が目立つがゆえに、カジュアル感が強調されがち。しかしこのアイテムは、比翼仕立てにすることでジップを隠しており、ドレス感を醸し出す仕上がりです。
※ドレスとカジュアルについてはこちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

「ノーカラーブルゾン」の名前の通り、このブルゾンには襟がないため、どんなアイテムと合わせてもケンカになりません。レギュラーカラーのシャツとの相性はいうまでもなく抜群ですが、タートルネックのカットソーやスタンドカラーシャツと合わせてもサマになります。

また、あえてクルーネックのカットソーとあわせつつ、ストール等で首回りを補うのも一手。多彩な楽しみ方が可能です。なお、首回りの空きは広くないため、ほかのアイテムと合わせた時にだらしない印象がなく、上品な見え方になります。

脇にはポケットがついていますが、スリット状の小さなもの。モノを収納するためというよりは、全体のバランスの中でブルゾンとして配された最低限のデザインといえそうです。

保温性と伸縮性が高く、表情のある素材

 

続いて素材についてです。全体的な印象はスウェットのように柔軟で伸縮性がありつつ、それでいてしっかりと張りが感じられるもの。デザインがシンプルだからこそ、素材の良さが際立っています。

商品名の「Li/Coストレッチ度詰天竺」にある「Li/Co」は「リネンコットン」の意味。このブルゾンの素材はリネン66%、コットン31%、ポリウレタン3%となっています。主素材がリネンということで「夏向けのアイテムではないか」と思われるかもしれませんが、その心配はご無用です。

リネンならではのザラッとした触感はありますが、「度詰天竺」の名の通りギュッと間隔を詰めてしっかりと編み上げられているため保温性が高く、逆に夏にはとても着られないほど。そもそもリネンは確かに夏に多用される素材ですが、秋冬のアイテムで用いられることもままあります。

また、リネンはシワになりやすいものですが、これまた名前の通り「ストレッチ」が利いているこのブルゾン、伸縮性がありシワにはなりにくいです。一方で、表情のある素材で立体的に感じられるため、デザインはシンプルでありながらも、存在感があります。ただ、あくまでも素材としての主張なので、悪目立ちするものではありません。

色はグレー、ブラック、ブルーの3色展開。上着としてのみ活用するのであればブラックやブルーも魅力的ですが、より汎用性を重視するなら筆者はグレーを推します。グレーといっても実際はオフホワイトに近い色味。特に冬、ダークトーンのコートの下に着込めば、この明るいモノトーンはきっと映えることでしょう。

重ね着を前提とした身幅とアームホール

 

このブルゾンの肩幅はサイズ2で42.5cmとかなり細身です。実際に着てみても細身のシルエットで、きれいめな着こなしが楽しめます。それでいて身幅は52.5cm。ゆったりというほどでもないですが、中にシャツを着ても窮屈感は感じられません。

アームホールは細めの作り。感覚としてはシャツに近いくらい、腕への密着感があります。とはいえ、伸縮性の高い生地であるため、腕を通すこと自体に窮屈さを感じることはありません。強いてこの密着感の問題点を挙げるとすれば、気温が25度を超える場合にはオススメできないくらいに暖かく感じられることでしょうか。

ともあれ、このアームホールの細さゆえに、このブルゾンを上着として着た際にスマートなシルエットに見える一方で、コートのインナーとして着た時に、スムーズな重ね着が可能な作りになっています。

シンプルであるがゆえに多彩な重ね着が可能

ここまで見てきた通り、このブルゾンの魅力はミニマルなデザインと素材感の良さ、そしてきれいめなシルエット。であるがゆえに、重ね着の仕方次第で多彩な楽しみ方ができます。下に何を着るか、または上に何を着るか。例えば上掲の写真のようにきれいめなカラーシャツと合わせれば、まず間違いなくサマになります。

一方で、筆者がよりオススメしたいのは、柄のあるシャツと合わせることです。柄シャツは、ともすればカジュアル感が強くなりすぎてしまいますが、このブルゾンで“隠す”ことによって程よいバランスがとれるのです。

なお、サイズ2で63.5cmと、上着としては短めの着丈である上に、ダブルジップである点もポイント。縦の重ね方、つまりインナーをどれくらい下に出すかによっても、見え方が違ってくるのです。

セール価格でお得にゲットしましょう!

今回ご紹介したブルゾンは、個性の強いアイテムの“つなぎ役”としても秀逸ですが、引き立て役だけに徹するのではなく、それ自体が主役級の存在感を放っています。定価41,040円(税込)のところを、今なら24,624円(税込)で購入可能(2017年8月14日現在)。

お安いものではないかもしれませんが、トレンドに左右されないデザインだからこそ長く着られることを考えると、コスパは決して悪くありません。特に、様々なアイテムを組み合わせた構築的なファッションを楽しみたい方には、自信をもってオススメできる逸品です。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。