ロエベのアナグラムブローチはラクジュアリー派にオススメの逸品

「小物はまた今度にしよう……」、今まで服を買いに出掛けた際に、何度、この言葉を口にしたことでしょうか。

ついつい後回しにしがちな「小物」ですが、侮ってはいけません。「小物」はファッションにおける「調味料」的な位置付け。コーディネートの印象を細かに調整することができる非常に優れたファッションアイテムなのです。

ここ数年、シンプルなアイテム同士をカッコよく着こなす「ノームコア=究極の普通」がトレンドでしたが、去年の秋冬シーズンから、一風変わったデザインやシルエットなど「装飾性」を取り入れたアイテムがハイブランドのコレクションを通して発表されるようになりました。

しかし、いくら「トレンドだから」と言われても、いきなりド派手で奇抜な洋服を着るのはちょっと気が引けますよね……

そこで活躍するのが「小物」。今までのノームコアな着こなしに、調味料的な感じで、ほんの少しだけ「装飾性の高い小物」を取り入れれば、見慣れたコーディネートも瞬く間に今年っぽい印象に調整することができます。

そこで、本記事では「装飾性の高い小物」として筆者が購入したロエベのアナグラムブローチをご紹介いたします。

ロエベとジョナサン・アンダーソン

ロエベ(LOEWE)は、1872年に設立したスペインのラグジュアリーブランド。スペイン王室御用達のブランドでバッグなどの高品質な革製品を得意としています。

ロエベに対する筆者の印象は、超高級ブランドで「富裕層の大人が身に着ける渋くて落ち着いたブランド」という感じでしたが、2013年、このブランドに転機が訪れます。

当時29歳であったジョナサン・アンダーソンがロエベのクリエイティブ・ディレクターに就任し、今まで見たことのない斬新なデザインのアイテムを次々と生み出していきました。ジョナサン・アンダーソンが作り出すロエベは、いわゆる「ファッション中毒者」が好むようなアイテムが多く、あっという間に若い世代にも受け入れられていきました。

上の写真は、筆者がよく通う名古屋の路面店なのですが、店員さんにお話を聞いたところ、ジョナサン・アンダーソンの就任前後で明らかに客層は変わったらしく、今まではロエベに興味を示さなかったような若い世代がお店にやってくるようになったそうです。

ジョナサン・アンダーソンはロエベの持つ重厚な雰囲気を大事にしつつも、クリエイティブでファッショナブルなブランドへと昇華していきました。

ロゴを取り入れた美しいフォルム

そんなロエベで筆者が初めて購入したのが、このアナグラムブローチ。アナグラムとは「言葉の綴りの順番を変えて別の語や文を作る遊び」という意味であり、このブローチはロエベの英文字で構成されたブランドの象徴であるロゴをブローチにしたものです。

このアイテムの第一印象は「ブランドのロゴを象ったブローチなんて身に付けていたら、あからさま過ぎて、さすがに嫌味っぽいよなぁ……」。まぁ、誰しもがそう感じますよね。

モノは試し、と試着してみたら、これが驚き!これ見よがしに主張するわけでも無いのに、「そこに居る」という確かな存在感。長い歴史を積み重ねてきたブランドならではの凛とした佇まいが筆者の心を見事に打ち抜きました(笑)。

実はこのブローチのロゴ、今までのロエベのロゴとは形が少し違って、一定の太さの線で構成されているのが特徴です。

店員さんのお話では、ジョナサン・アンダーソンは、就任と同時にアイテムに使用するロゴのデザインを一新したそうです。今までのロエベのロゴは、太い線と細い線で構成することによって重厚感と力強い印象を与えているそうですが、ジョナサン・アンダーソンのロゴは華奢でモダンな印象を持っています。

この新しいロゴはジョナサン・アンダーソンが有名なロゴのデザイナーと相談して作り上げたものらしく、ジョナサン本人も相当気に入っているそうです。デザインって本当に些細な事でも与える印象が大きく変わるものなのだと、このブローチを通して学びました。

輝くゴールドはまさにラグジュアリー

こちらのアイテムは、ゴールドとシルバーの真鍮製で2色展開。サイズは5x1x5 cm。シルバーはシャープで威厳のある印象、ゴールドは煌びやかで華やかな印象でした。

今までの自分であれば、カッコよさを優先してシルバーを選択するところですが、ここ最近はブラック×ゴールドの組合せがマイブームということもあって、ゴールドカラーをチョイスしました。

さすがは一流ブランド、ゴールドの輝きも繊細で美しい、その姿はラクジュアリーそのものです。ちなみに、ロエベの店員さんの制服は、黒のスラックスに白シャツ、その上にネイビーのニットを着用し、ニットの胸元にはシルバーのアナグラムブローチを付けることになっているそうで、その姿を見てこのブローチを購入する人も多いとか。

ロエベの店舗に行く機会があれば、ぜひ、店員さんの制服、そして胸元にも注目してみてください。

アレンジ無限大、着こなしの幅も広がる

ブローチといえば、ジャケットやニット、今の時期であればTシャツの胸元に身に着けるのが一般的です。しかし、これからのトレンドは「装飾性」がキーワード、少し発想を変えてアレンジすることも重要です。

今年のトレンドはロングベルトを垂らしたり、ウォレットチェーンを身に付けたりと、腰回りにアクセントをつける傾向にあることがいえます。そこで私はこのロエベのアナグラムブローチを腰回りに付けてみることにしました。

アナグラムブローチをベルトループに付けるために、上の写真のようなキーホルダーを購入してきました。こちらは東急ハンズのハンドメイド用のパーツ売り場でゲットしたもので、お値段は200円程度。このキーホルダーとブローチを組み合わせることによって、ベルトループに取り付けられるようになりました。

今年の夏は、Tシャツの胸元に付けたり、ベルトループから垂らしたりと、着こなしの「装飾性」を高めるアクセントとして活躍してくれています。もちろん、秋冬シーズンには、ジャケットやコートはもちろんのこと、ストールやマフラー、ハットにバッグなど、あらゆるアイテムに付けて楽しむことができます。発想1つ、アレンジは無限大です。 

長く使えるのが小物の良いところ、お気に入りを手に入れよう

今回ご紹介したロエベのアナグラムブローチ、販売価格は2万5000円(税抜)。ロエベのラインナップの中でも比較的購入しやすい価格帯です。

小物は服と比べても流行・トレンドの移り変わりが緩やかであり、使い方やアレンジも多岐にわたることから、一度、購入してしまえば長く使えるところがポイントです。

「神は細部に宿る」、小物は少し値段が張っても、お気に入りを手に入れた方がトータルとして満足度が高いように思います。ラクジュアリー派にはロエベのアナグラムブローチ、大変オススメな逸品です。