2018の秋冬を最後にブランド休止が発表されたラウンジリザード。そのラストシーズンでのアイテムとなったスキニーデニムを紹介します。
シルエット

デニムの評価が高いラウンジリザードですが、特に素晴らしいのがスキニーデニムです。今やさまざまなブランドでスキニーデニムは定番アイテムとしてリリースされていますが、ひと口にスキニーデニムと言ってもブランドによってシルエットは千差万別です。
本来スキニーデニムをはくメリットとしては、脚にぴったりとフィットしたシルエットで、すっきりとした印象を与えるためと言ってもいいでしょう。そういった点で見てみると、市場にはスキニーモデルであっても膝下からのテーパードが甘く、はいたときにも野暮ったくなってしまうモデルも少なくありません。
その点ラウンジリザードは、日本人に合わせてしっかりと脚にフィットするキレイなシルエットに仕上げられています。ブランドのこだわりが詰まったそのシルエットは、はいて鏡の前に立てば他ブランドとの違いを実感できます。
生地

本アイテムはセルビッジというデニム生地が採用されています。これは力織機という旧式の機械でしか織ることが出来ない生地で、その特徴は赤耳と呼ばれる裾を折り返したときに見える織りしろです。量産生地には出しにくい独特の風合いのある生地になる反面、生産に手間がかかります。

さらにラウンジリザードのデニム生地はデニムで有名な岡山県児島地区の熟練工によって生産されていて、その品質の高さは折り紙つきです。また、生地はコットン97%、ポリウレタン3%。これはポリウレタンを混紡することで、若干のストレッチ性を持たせるためです。
ノンウォッシュデニムはその名の通り洗い加工をしていないため、最初は生地が硬いのが特徴です。硬い生地のままスキニーデニムを作ると、例えシルエットはキレイでも穿きにくいものになってしまいます。そこでポリウレタンを混紡することでストレッチ性を持たせ、タイトなシルエットながらはきやすさも両立させています。こういった細部にもブランドのこだわりが垣間見えます。
展開と過去モデルとの違い

サイズは1~3の3サイズ展開、スキニーレッグというタイトなモデルで筆者が購入したのは「ブラック×ブラック」です。身長177cm64kgの筆者でサイズ2を選んでいます。筆者の所持している過去のスキニーレッグと比較しても、個人的に一番タイトなサイズだと感じました。
これはリリース毎にマイナーチェンジを繰り返しているためでしょう。ノンウォッシュデニムははいていると生地が伸びて自分の体型に馴染んでいきます。そのため、最初はちょっとキツイくらいがちょうどいいのですが、締め付けが苦手な方は余裕を持ったサイズ選びをしてもよさそうです。
今やファストファッションでもスキニーデニムが手頃な価格帯で手に入り、その品質も年々高くなってきています。しかしファストファッションでは万人受けをするためにシルエットが犠牲になっているものも多いのが現状です。
その点ラウンジリザードのデニムは徹底してシルエットにこだわり、20年のブランドの歴史の中でスキニーデニムを提案し続けてきました。さらには毎年少しずつ素材やシルエットの改良を積み重ねており、いわば本アイテムはブランド20年間の集大成ともいえます。
コディネートにおいて、シルエットにこだわれば印象が劇的に変わることも少なくありません。ファストファッションから一歩踏み出し、極上の1本をワードローブに加えてみるのもいいのではないでしょうか。価格は1万9000円(+税)