古着屋で見つけたマッキントッシュフィロソフィーのツイードジャケットは驚きの値段と品質だった

ツイードジャケットは簡単に「柄」「季節感」「暖かみ」を取り入れられるアイテム。今回はマッキントッシュフィロソフィーのツイードジャケットを古着屋で購入したのでレビューしていきます。

古着ならではの驚きの値段

このマッキントッシュフィロソフィーのツイードジャケット、私は古着屋で1万3000円(税込)で購入しました。帰ってから気になる値段を調べてみると、信頼できる情報ソースでは無いのですが、定価が約8万5000円したそうです。

ここで私は「とてもいい買い物ができた!」と思ったのですが、「なぜそこまでの値段がするのだろう?」とも思いました。たしかにマッキントッシュはとても有名で高価なブランドです。

しかし、マッキントッシュフィロソフィーは日本の三陽商会が出しているセカンドブランドなので、比較的お手頃な価格で購入できます。オンラインストアを見てみると、同じようなツイードジャケットが4万3200円(税込)と約2倍の価格差があります。

「何か手がかりがあるはずだ」ジャケットを細かく見ていくと、ブランドタグの下にsignatureという文字を発見しました。調べたところ、シグネチャーラインは素材から仕立てまでこだわり抜いた、マッキントッシュフィロソフィーの最高峰ラインだそうです。

なるほど、どうりで高いわけです。シグネチャーライン、現在は存在しないので貴重な品と言えるでしょう。では、こだわり抜いた素材と仕立てをチェックしていきましょう。

最高峰ラインにふさわしい最高峰の素材

服を見ているときに「これは良さそうな素材だな」と思う服があると思います。このジャケットもまさにそれでした。正直ツイード素材の良い悪いなんて、比較的ガサガサした素材だからある一定のラインで止まるのではないかと思っていた節がありました。

しかし、このジャケットは違いました。見た瞬間にヘリンボーンの折り目の綺麗さが目に入り、ツイード素材によくある毛がちょっと飛び出している印象がほぼなかったのです。次に触ってみると、毛の1本1本が細くて柔らかいのでチクチクとした肌が痒くなるような感じがほぼなく、ツイード生地と思えないくらいに柔らかい生地でした。

それもそのはず、内側を見てみるとジョンストンズのタグが貼ってありました。ジョンストンズは1797年にイギリスはスコットランド北東のエルガンで始まった老舗生地ブランドです。

カシミヤやビキューナ、メリノウール、ラムズウール、キャメルヘアーを使った生地、スカーフ、マフラーなどが有名で、原毛の刈り取りから製品までの工程を全て自社工場で一貫して生産しています。

ですので製品のクオリティがとても高く、品質の安定しているブランドなのです。残念ながら使われている毛と生地の名前はわかりませんでしたが、見た目と感触からとてもいい生地を使用していることは明らかです。

ボタンもしっかり水牛ボタンを使っています。比較的小ぶりなボタンでマッキントッシュフィロソフィーと彫られています。

裏地も袖部分が高級スーツに使われるキュプラを100%使用しています。触り心地がつるっとしているので腕を通す際もストレスが少なく、吸湿性と放湿性があるので通気性もいいです。袖部分の裏地はストライプになっているので、軽く袖まくりをしてストライプを出して着るのもいいですね。

気軽に羽織れる仕立て

マッキントッシュはイギリスのブランド。ですからこのジャケットもイギリスらしく裏地が総裏になっていて重厚感のあるジャケットかと思いきや、裏地は背抜き使用でした。

背中部分に裏地がないのでとても軽く、気軽に羽織ることができます。内ポケットも胸部分に2つとペンポケットまでついているので、少しの荷物でしたらバッグを持たずに出かけることも可能です。

また、体を立体的に見せて美しいシルエットを得るための手法も用いられています。例えば胸ポケットを見てみると、一直線ではなく程よくカーブして縫われています。こうすることで胸の部分が立体的に見え、綺麗なシルエットを得られます。

袖の処理も本切羽ではありませんが、ただボタンをつけるよりも説得力がある「袖開き見せ」を採用しています。まるで本切羽のように見えますし、4連ボタンも水牛ボタンを使っているので高級感があります。

ポケットはパッチポケットでカジュアルな印象です。私はツイードジャケットで「カントリー」「アウトドア」「ブリティッシュ」などの単語が思い浮かびます。

これらの言葉から連想されるのは「暖かみ」「動きやすさ」「重厚感」などなど。パッチポケットなので手を入れやすく、クラシカルなポケットじゃないのでカッチリしすぎない。ドレスすぎない程よいバランスに暖かみが感じ取れます。

イギリスらしいジャケット要素としてはサイドベンツが挙げられます。後ろの両端に切れ込みを入れたデザインで、腰に差した剣を抜きやすいようにデザインされたと言われています。

最後にもう一度全体を見てみましょう。ジャケットといえばドレスアイテム。パッと見ではやはりカッチリとしたアイテムであることがわかると思います。

しかし、目立ちすぎることない上品なツイード生地によるヘリンボーン柄とパッチポケットがドレスさを崩しすぎることなく、ちょうどいいバランスを作り上げています。ハンガーにかけた際に何もせずにシルエットがほぼ左右対称になるのもいい仕立てのおかげかもしれません。

古着屋にはロマンがある

今回、私はとてもいい商品を低価格で、しかもジャストサイズで手に入れることができました。

いいモノを見つけられたとしてもサイズが合わなければ着こなしは難しい。だからこそ自分ピッタリのサイズに出会うと感動があります。ぜひ古着屋で自分好みのお宝を探してみてはいかがでしょうか。

素材違いでの似たものですとこちらにあります。