余計なデザインが一切ないマーカウェアのショールカラー「ミニマリストコート」をレビュー

チェスター、ステンカラー、トレンチとコートにも色々あります。すでにそれらの定番品は持っているという方や、他の人と同じようなコートは避けたいけれども奇抜なものは扱いづらいという方もいらっしゃるでしょう。

今回はそのような方のために、少しひねりがありつつもシンプルなデザインのマーカウェアのショールカラーコートをご紹介します。

その名の通りのミニマルデザインのコート

ご紹介するアイテムは、商品名に「ミニマリスト」とあるとおり、ミニマルなデザインが特徴です。とてもシンプルなつくりで、目にとまるデザインといえばドロップショルダーであることぐらい。

パッと見は正面にボタンが二つ、袖口にボタンもなく、背面をみても特に目立つパーツがなく、またポケットすらも付いていないように見えます(実際には、ポケットは目立たないものの側面の縫い目に添わせてポケットの口がついています)。背面は中央下部に切れ目が入っています。

このコートは襟の形状に特徴があります。襟を立てて使うとスタンドカラーに、襟を寝かせて使うとショールカラーになる2WAYです。

ショールカラーとは、ジャケットやコートの襟がヘチマの形になっているもので、通常の襟にあるくぼみがなく、曲線的な形状が特徴です。襟には折り目がついていないため、襟をスタンド状態で使うとノーカラーコートのようにも見えます。

筆者は前のボタンを留めるときはショールカラーとして、前を開けるときはスタンドカラーとして使っています。鏡の前でそれぞれの状態を試してみましたが、そのように着たほうがこのコートのデザインがより活きるように感じました。

表地については後述しますが、裏地はキュプラ55%・コットン45%の素材を使っています。あえてスーツやジャケットでよく使われるキュプラ100%とはしていません。

これは、古くは裏地にはコットンを使用していたことに由来しており、古着のテイストを出すためにこの素材を選んでいます。キュプラ100%の裏地はつるつる滑りますが、コットン混のこの素材はあまり滑りません。

本アイテムの色展開は、コヨーテ、ネイビー、ブラックの3色で、筆者はコヨーテを選びました。

ゆったりシルエットながら袖は細め

肩まわりはナチュラルドロップショルダーで、袖の縫い目が肩から落ちた部分にあります。肩まわりとボディ部分は若干ゆったり感があります。

それに対し、袖は細めなデザインになっています。ただし、ゆったり目のニット程度であれば問題なくインナーに着用できます。

写真のとおり、袖はかなり長くそのまま着用すると人差し指の付け根のあたりまできます(筆者は165cmでサイズは1です)。ロールアップして着用することを想定してデザインされているため折り返しても裏地が出ないつくりになっています。

コーデに合わせてロールアップしてもよいでしょう。なお、実測したところ、袖の裏地は袖口から約18cm部分より上にしかついていませんでした。裾は膝上に掛かる程度で、トレンドのロングコートの流れを組んでいます。

こだわりの素材や各部詳細

とてもシンプルなデザインであるだけに、素材はこだわったものを使用しています。素材名はオーガニック梳毛 “JAPAN” フランネルで、その原料はアルゼンチン産の毛(オーガニックウール)100%です。

生地はコートのフランネルとしてはあまり厚いものではありませんが、しっかりした保温性があります。フランネルなので羽毛感がありますが、少しはなれるとツヤがあり高級感があります。

ポケットは縫い目に沿って入口が作られています。近くで見るとポケットがわかりますが、少しはなれると縫い目とポケットが同化してみえなくなります。

色が”コヨーテ”のモデルでは、ボタンはこの写真のように少し黄色みがかった乳白色です。生地の色と同色ではないため、ボタンは目を引きます。

ボタンは縁から6.5cmの位置についています。これは通常のコートのボタン位置よりも外側であり(別のチェスターコートは4cmでした)、このためボタンを留めると左右の前身頃の部分の重なりが広めになります。

袖口はシンプルなデザインで、ボタンは付いていません。また袖口近くには裏地がないためロールアップしても裏地が出てくることはありません。

背中上部の写真です。襟はスタンドの状態でこの程度の高さです。襟の高さが低めであるため、立てて使用してもキザな雰囲気にはなりません。

背面の下部中央にはスリットが入っています。スリットの長さは39cmです(サイズ1)。スリットが深いためロングコートとはいえ動きやすいつくりです。

左右ともに内ポケットがついており、ボタンで留めるようになっています。ポケットの深さは、長さ18.5cmの長財布がちょうど入ってボタンが留められる程度です。

背中の上部中央裏側には、コートをフックに引っ掛けるためのハンガーループがついています。外出先で一時的にコートを吊るしておきたいときにはこのループを使用しましょう。

ただし、型崩れする可能性があるためハンガーループだけで長時間吊るしておくことは避けたほうがよいでしょう。

着用時/使用上の注意

このコートを着用して無造作に座るとイスと挟まれた部分にシワがつきます。外出先でシワが入るとそれを取ることは難しいので、気になる方は着席するときにはコートを脱ぐなどシワがつかないように気をつけましょう。

ただ、椅子に座ってついたシワは、ハンガーに数日吊るしておくことで、自然にもとに戻ります。これまでに10回程度着用し、シワが入ったことも多々ありますが、すべてハンガーがけで回復したため、アイロンがけが必要になったことはありません。

自宅での洗濯は不可です。タグに表記のあるように風合いを維持するためにもドライクリーニングを行いましょう。

まとめ

本アイテムはその名の通りシンプルなデザインのショールカラーコートです。またスタンドカラーとして使うとノーカラーコートのようにも使えます。

とてもシンプルではありますが、スタンダードからは一つひねりのはいったデザインになっており、適度なこなれ感があります。シンプルデザインのロングコートをお探しの方にぜひともオススメしたいアイテムです。

お店で見かけたら試着してみてください。価格は8万1000円(税込)です。

※執筆時点で完売

バラバシ

この記事を書いた人

バラバシ

身長165cm 体重58kg 靴24.5cm

イタリア的なファッションに惹かれつつもフランスもいいなとか多方面に手を出し被服費が家計を圧迫気味。最近はネイビーのアイテムに目がない。足が小さく服屋さんの靴ではサイズが合わないことが最近の悩み。