「オシャレは足元から」「靴を見れば人となりがわかる」といった先人の言葉があるように、靴の重要性はファッションにおいて顕著です。今回は「全体」の印象を大きく左右する靴の中でも、街着に使える革靴として、マックレガー(McGREGOR)MC7973を紹介したいと思います。
男性のファッションはどうしてもカジュアルに偏りがちです。そんなときにドレスライクな革靴を履くことで全体の印象を整えてくれます。それだけに一足は街着で使えるレザーシューズを持っておいてほしいのですが、注意点は「革靴」ならなんでもいいというワケではないことです。
素材が革でもデザインがカジュアルならば、それはカジュアルアイテムです。そして「フォーマルな革靴なら持っている」と何も考えずにビジネス用の靴をはいてしまうと、街着としてはチグハグで「会社用の靴をはいている人」になってしまいます。
フォーマル過ぎず、カジュアル過ぎずない革靴を考えた場合、その基準がよくわからずに悩んでしまう方は多いでしょう。そんな時にオススメするのが、今回のマックレガーです。
重要なシルエットと履き心地

(左がビジネスシーンを想定しているORIHICAのローファー/右がマックレガー)
まず全体的なかたちはプレーントゥ。ベーシックでシンプル。極めてオーソドックスなデザインゆえにコーディネートを邪魔しません。そしてトゥ(つま先)の部分が、丸みを帯びたラウンドトゥになっています。フォーマルすぎる印象やビジネス用途に見える靴のポイントは、トゥにあります。
このトゥが尖りすぎている靴だと、スーツであればシャープな印象をもたらしてくれるのですが、街着に合わせた場合はキメすぎな感じが出てしまいます。どうしてもビジネスの印象が強いので、「仕事用の靴?」といった違和が生じてしまうのです。
ところが、マックレガーのプレーントゥはトゥがほどよい丸みをしていて、街着に合わせても違和感がありません。また価格も8900円(+税)と低価格ながら素材は本革を使用しています。革ならばなんでもよいというわけではありませんが、合皮ではないので履いていくうちに足に馴染みます。
経年劣化ではなく経年変化が楽しめる一足です。筆者は2016年に購入し、月に数度の使用頻度で、手入れ用のムースを使うだけのお手軽ケアを月一でしている程度ですが、目立った劣化は見受けられず、まだ艶が見て取れます。ソール部分はEVA×ラバーが全体を覆ってくれているので、ショック吸収性が高く、履き心地も良好。
通常の合成ゴムよりも軽いEXE素材を使っているからか、特別重くも感じません。マックレガーは、1970年代創業の主にカジュアル系の展開している日本メーカーのブランドです。カジュアル分野への強みがタフさと履き心地にいい影響を与えてくれているようです。
注意すべきサイズ感と惜しい点
筆者はコンバースのオールスターは26.5cmがジャストですが、こちらは25.5cmとワンサイズ小さめがちょうどいい感じでした。サイズは若干大きめのつくりなので、ワンサイズ落とすとくらいがちょうどいいように思います。
フィッティングができればベターですね。実はシュープラザなど全国展開の量販店で取り扱いがあるので、意外と気づかないうちに目にしているかもしれません。

良い点をいくつも挙げてきましたが、気になる部分がないわけではありません。ソール部の若干の厚み(つま先あたりの厚みは1cm程度)と外縁部(コバ)のはりだしによって、シルエットのスマートさは少々損なわれています。
とはいえ、この野暮ったさが、革靴のフォーマル感を帳消しにしているともいえるので、好みの問題かもしれません。街着用の革靴に最初から数万円の投資するのはなかなか勇気がいります。そういった場合に、マックレガーであれば値段も手ごろなのオススメです。
また、ビジネス用としても使用する際は、最初からついているカジュアルな平紐を丸紐に替えることでドレスライクな印象を獲得することができます。ファッションのための本革靴。その最初の一足としてベストな選択といえるのではないでしょうか。Amazonなら送料無料で購入できます。