“ヌメ革”を使った革製品は長く愛用することで経年変化が楽しめることが大きな魅力の一つです。そのため、特に財布やベルトなどの小物に使われていますが、近年では「エンダースキーマ(Hender Scheme)」というブランドのヌメ革製のスニーカーも話題となっています。
エンダースキーマのヌメ革製スニーカー
ヌメ革は経年変化が大きいため、店頭で商品を見ただけではその魅力を十分に知ることは難しいです。そこで今回は、3年以上愛用した無印良品のヌメ革小物についてレビューします。本記事で経年変化によるヌメ革の魅力を感じていただけると幸いです。
無印良品のヌメ革小物にはいくつかカラーバリエーションがありますが、その中でも経年変化が最も大きく現れるのは「生成」という色です。「生成」は染色していない革本来のナチュラルな色合いであるため、ヌメ革特有の経年変化を存分に楽しみたいという方はぜひ「生成」を手にしてみてください。
筆者は「生成」の名刺ケースと二つ折り財布を2015年に購入しました。これらの商品は2019年3月現在ではラインナップにないモデルになります。よって今回はアイテムそのものではなく、ヌメ革の経年変化に着目してレビューしていきます。
ヌメ革小物、劇的ビフォーアフター
それでは早速、ヌメ革の経年変化について見ていきましょう。下には、購入して間もない頃と現在の写真を比較として載せています。
(上:2015年8月撮影、下:2019年3月撮影)
なんということでしょう! もともとはベージュのような薄い色合いだった革が、3年の月日を経ることにより艶が出て色が濃くなっています。しかも面白いことに、名刺ケースと財布とではそれぞれ色の変化が異なります。
どちらもほぼ同じ時期に購入したものなので、この違いは単純に使用頻度の差によって現れたものです。まず、この2つについて共通して行ったこととしては、使用前に日光浴をさせたことと、レザークリームの代用としてニベアの青缶を気まぐれに何度か塗ったことの2点です(自己流なので、真似する場合は自己責任でお願いします)
それ以外は特にこれといったメンテナンスは行っていません。ヌメ革をきれいに経年変化させる方法はインターネットで検索すると情報が出てくると思いますので、詳しく知りたい方は調べてみてください。
特に色濃く変化している財布は、毎日持ち歩いており、手で触れる機会も多いです。そのため、革が手の油分を吸って表面が艶のある濃い飴色に変化しています。一部に縫製のほつれも出ており状態が良いとは言えませんが、購入から3年以上経った今でも大きな故障やトラブルはありません。
財布の内側も小銭入れのスナップボタン部分の色が少し濃くなっていて、とても“味”のある見た目に仕上がっていると思います。
一方、名刺ケースは持ち歩く頻度が仕事柄少なく、たまにある出張の時に持つ程度です。そのため、手に触れる機会があまりないので色の変化は小さく、現在はキャメル色といったところでしょうか。それでも購入当初から比べると色が濃くなっており、革表面にも艶が出ています。
また、色がまだ薄いので革特有の斑点や傷が見えやすいです。ヌメ革は表面加工をほとんどしておらず水気や傷に弱いという欠点がありますが、より革本来の個性的な表情を楽しむことができます。今後さらに使い込んでいけば、もっと色が濃くなっていくでしょう。
ヌメ革を“自分色”に育て上げよう!
このように、ヌメ革小物は自分の使い方次第で“自分色”に育てることができ、自身と共に時を重ねていくことで“二つとない”アイテムになることが魅力です。
無印良品のヌメ革小物はパスケースや財布などのラインナップがあり、3000円程度のものから高くても1万円程度で購入することができます(バッグ等を除く)。丈夫で長く使えてコストパフォーマンスも高いので、ヌメ革入門としてもオススメです。ぜひこの機会にヌメ革の経年変化を楽しんでみてください。