無印良品のオーガニックコットンボーダー七分袖Tシャツが愛用されるワケ 

最近、肌寒い日が増えてきました。とはいえ、ニットだと急な日差しで汗をかいてしまう。今回は、そんな季節の変わり目に重ね着としても役立つ7分袖のバスクシャツをレビューします。

 バスクシャツとは?

 バスクシャツとは、ボーダーのカットソーのことで、フランス・バスク地方でワークウェアとして使われていたものが起源です。生地は厚めで、首元がボートネックになっていることが多く、無地のカットソーに比べて特徴的であるという点で絶大な人気があります。

(船底のような形をしたボートネック)

有名人ではピカソやジャンポール・ゴルチエが愛用していたことで知られ、フランスにゆかりの深い服といっていいでしょう。

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このバスクシャツを得意としているブランドにセントジェームズがあります。質のいいバスクシャツが約1万円で売られています。しかし、ちょっと高い。普通の人はカットソーにそれほどお金をかけたくはないでしょう。汚さないように気を使って気楽に着られません。

そこでおすすなのが、無印良品のバスクシャツなのです。

 絶妙なデザイン

ファストファッションの中からバスクシャツを選ぶにあたってもっとも注意すべき点は、嘘っぽくないデザインであることです。

ベーシックなアイテムの袖口にチェック柄が貼り付けられていたり、ボタンに変な意匠が込められているような下手なデザインは、まず「オシャレ」には見えません。「お母さんがイオンで買ってきたのかな?」と思われるのは、この安っぽいデザインのせいです。

一方、無印のバスクシャツは生地も厚く、身頃にゆとりもあって動きやすく、漁師のワークウェアという源流をしっかり意識したつくりがなされています。オシャレ初心者から上級者まで安心して着ていられる説得力のあるアイテムです。

生地が厚いことは機能性の意味でも利点があります。まず、体型が隠せます。薄手のTシャツを着て、体型がまるまる現れてしまった経験はありませんか? あの原因は、生地が薄いうえに、柔らかいことにあります。このカットソーは生地が厚いため、この問題は回避できます。

次に、防寒性。春と秋は何を着るか迷うことが多い季節です。暑いような、寒いような、微妙な時期に一枚持っておけば春と秋はこれで乗り切れます。筆者もこのカットソーは去年買ったのですが、そこから何度着たか知れません。

また、ボーダーの絶妙な洗いざらし感も、小奇麗すぎないため漁師のワークウェアであるバスクシャツの説得力を高めてくれています。ユニクロでもボーダーカットソーは売られていますが、このような絶妙な説得力を備えているのは無印でしょう。

もともと洗いざらしのようなデザインのせいか、洗濯しても風合いが損なわれるということはあんまり感じられません。生地が厚いために丈夫なのでしょう。

袖のステッチも生地と同色にし、ボーダーの黒にはかからないようにして限りなく目立たなくさせています。こういう細かいところまでの気遣いがよりこのボーダーカットソーに価値を感じさせます。

首元の開きも絶妙で、開きすぎていないためにいやらしさはゼロなのですが、それでもクルーネックよりは開いているので、絶妙な色気があるのです。

また、着丈も長めなために腰位置を隠してくれ、どこから足が始まっているのかわからなくさせることで脚長効果を生み出します。サイズ感は、175cm,65kgの筆者でLがジャストサイズです。実寸は、身幅50、肩幅45、着丈65。少しゆとりをもたせたようなデザインなので、普段の自分のジャストサイズか一つ上のサイズを選ぶとよいでしょう。

腰位置を強調させるともともとの体型がバレやすくなるので、このあたりのデザインはよく考えられています。

裾のスリットには補強が施されており、糸のほつれや生地の破れなどを防いでくれています。そのために、このシャツを一着買ってしまえば何シーズンも着ることができます。

シャツが入れられる

これから寒くなるに連れて重ね着をするようになると思いますが、この重ね着でよくあるおしゃれな着こなしとして「ニットの中にシャツを入れる」着こなしがあります。

ニットは暖かく寒い時期のカットソー代わりに使える便利で優れた服ですが、ニットの難点は値段が高いこと。「いやいや、ユニクロで安く売られてるじゃん」という声が聞こえてきそうですが、あれは例外です。

ユニクロは数の暴力ともいえる大量生産によってあの価格を実現しているのであって、それ以外のブランドでは、1万円前後が普通です。より品質の高いものであれば2万円はくだらないでしょう。

ニットは糸を編むためカットソーやTシャツに比べて手間がかかるのは仕方ありません。冬にしか着ないニットに高いお金をかけるのはバカらしくありませんか? そこで、ニットの代わりとして重ね着としても使えるアイテムがバスクシャツなのです。

なぜこのカットソーはシャツを中に入れてもサマになるのか? 普通のカットソーの中にシャツを入れたときと比べてみましょう。

(普通のカットソー)

(バスクシャツ)

いかがでしょうか。普通のカットソーに比べて、なんだかおしゃれに見えませんか。その原因はカットソーに入ったシワです。

普通のカットソーは生地が薄く柔らかく、シャツを中に入れてしまうと簡単にシワが入ってしまいます。それに比べてこのバスクシャツは生地が厚く身頃にゆとりがあるため、シワが入りにくいのです。見事にニットの代わりになっています。

このような着こなしをすることで寒くなっていっても重ね着で使うことができます。ぜひお試しあれ。

コーディネート例

バスクシャツにインディゴデニムはフレンチカジュアルの定番。フレンチっぽさを強調するため、デニムは色落ちの少ないクリーンなものを選ぶのがポイントです。昨今の装飾性のトレンドに合わせて、これだけでも十分オシャレですが、ここに腕や首元にアクセサリーを加えるのもいいでしょう。

先程のコーディネートにシャツを重ね着したもの。シャツを加えてドレス感が増したぶん、足元をスニーカーにしてカジュアルダウンしています。(ドレスとカジュアルのバランスについて、詳しくはこちら:http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

 まとめ

このシャツのことで一番言いたいことは、このシャツはとにかく使い勝手が良いということです。柄シャツであるため地味な印象にはならず、首元に特徴があるためおしゃれに見えやすいです。

初心者としても一枚持っているだけでおしゃれに見えやすいですし、上級者になってもフレンチカジュアルの文脈を意識すれば最大級のオシャレを引き出すことができます。値段は2990円(税込)ですが、1万円の同じようなカットソーと遜色ないデザインで圧倒的にコスパのいい洋服です。

(完売につき代用品)