NハリウッドのロンTから分かったシルエットの大切さ

ロングスリーブのカットソーいわゆるロンTといえば春夏の定番アイテムです。それだけ利用シーンも多く、シンプルでスタンダードなものであれば、昨今ではユニクロやGUで2000~3000円も出せば十分質の良いものが手に入ります。

しかし、今回ご紹介するのはN.HOOLYWOOD。Nハリから「アウターとして着られるアンダーウエア」として発売されたクルーネックのロンTです。一見シンプルですが、お値段はなんと1万6200円 (税込)。

決してブランドネームに頼りきったものではなく、値段以上の納得のこだわりを感じたので、その魅力をお伝えいたします。

デザインはシンプルだが、シルエットで魅せるロンT

まず最初に目につくのはネック部分で、やや開いた首元が少しルーズな印象をうけますが、それ以外は全くといっていいほどスタンダードです。

唯一特徴的なのはネック裏のタグ部分、こちら中から外にかけてループ上に縫い付けてあり、タグが後ろから見える状態になっています。また後ろにはセンターバックシームという、背中の真ん中に一本縫い目が走っており、これはN.HOOLYWOODのシンボリックな特徴です。

しかしどちらも後ろ部分にしか見えないものですし、デザインというよりはディテール程のものに抑えられています。

(参考/後ろ身頃)

https://goo.gl/QtggM7

それに反してシルエットには相当なこだわりが垣間見えます。ドロップショルダーで身幅も広いので、今っぽいビッグシルエットと言えます。しかし着丈はさほど長くしすぎず、全体的にはいわゆる「ボックスシルエット」としてキレイに収めています。

(参考/ボックスシルエット)

https://goo.gl/pZbKLn

また袖や裾は折返しがあるのみでリブは施されていません。それに裾にはサイドのスリットもあり、これによりたとえお腹周りがポッコリとした中年体型であっても綺麗にストンと生地が落ちキレイなシルエットを保つ事ができるようになっています。

このような年齢層に関係なく着こなせるアイテムというのは嬉しい限りです。

(参考/サイドのスリット)

一方腕まわりですが、こちらもリブがなくそで丈は少し長めとなっているので、ストンと落ちると手の甲が隠れる状態になってしまいます。

(参考/着丈とそで丈の状態 モデル身長180cmで着用サイズS40※Lサイズ相当)

https://goo.gl/Eo5rRz

これだとルーズ過ぎる印象があるのですが、しかし春先は朝と日中の気温差が大きいためロンT1枚だと体温調整が難しいのですが、リブの締め付けがないこの開いた袖のおかげで、手首から程よく空気が入れ替わり体温調整もしやすいですし、さらに暑ければクルクルとまくる事もしやすいので機能的にもこれが正解だと思います。

また腕まわりのくびれである手首を見せることでスッキリとした印象を与えることもできます。

ルーズなシルエットを大人っぽく昇華させる極上の生地感

シルエットとしてはややルーズ過ぎる印象があるのですが、なんと言ってもそれを打ち消す程の艶感たっぷりな生地が大人っぽい印象を補ってくれています。

(参考/艶のある生地感)

公式オンラインストアによると、「上質な生地は、繊維の中でも最も細長いとされる、“スビンゴールド”をブレンドした贅沢な糸を使用。」とあります。https://goo.gl/3jRG1Z

世界の綿の生産量の3%しかない貴重な綿を『超長綿』といいそれがプレミアムコットンと言われますが、昨今ではユニクロでもおなじみのスピーマコットンやギザコットンがそれにあたります。

しかしこの「SUVIN GOLD(スビン・ゴールド)」は綿総生産量の何と0.003%、ファッション業界でもその存在を知られていない、幻と称されるさらに希少性の高いプレミアムコットンということです。

(参考/スビン・ゴールドとは)
https://goo.gl/FAAK4W

確かにこのロンT厚みがあり、織り目もややザックリとしているにもかかわらず、今まで見たスピーマやシルケット加工などの生地と比べ物にならない程の艶を感じます。

N.HOOLYWOODのコンセプトが反映されたこだわりの製品

このロンTはN.HOOLYWOODの新たなコンセプトで生まれた“UNDER SUMMIT WEAR”からリリースされています。“必要最低限のアウターとして着れるアンダーウエア”という考えのもので、Summit(最上級な)とUnder(下)を掛けて、「下着(肌着)にあるものの中で最上級な」という意味合いがあるとのことです。

この「アウターとして着られるアンダーウエア」という一見矛盾したようなコンセプトで設計された製品ですが、私なりの解釈としてはシンプルでスタンダードで下着に近いデザインのものを、シルエットや素材でいかに一枚着でも様に見せる事ができるようになるかという挑戦でもあり、これは素晴らしい製品としてしっかりと仕上がって来たのでは無いかと思っています。

下着のようなデザインでも生地を肉厚にすることで、アウター感覚で着れるようにし、シルエットがルーズなぶん艶で上品な印象を与える。しかし本来生地の厚みと艶をだすということは相反するもので、その効果を得るために入手困難な最上級な素材を調達することで製品化を実現しているのです。

また先にデザインとして記述した「センターバックシーム」ですが、これは繰り返し洗濯をしても型くずれしにくく、丸胴に近いシームレスな着心地を再現すべくして生まれたブランド創設当初からの技術とのこと、このようにしっかりと機能面についても考え抜かれているプロダクト精神を鑑みると、正直この値段でも買えてよかったと思わせてくれます。

サイズ展開は3展開、全体的にリラックス感のある着心地

サイズ表記はSIZE:36/38/40の3つとなっていて、それぞれS/M/L相当と思われます。

着丈、肩幅、身幅、そで丈の順で、以下の通りです。
36:65/53/58/56
38:67.5/55/60.5/57
40:70/57/62/58

筆者の場合、170cm/65kgで着丈が短くなりすぎないサイズで選ぶと「38」となりました。

コットン100%で特にシワとり加工などもされていないので、選択して干したすぐはかなりシワがあります。しかし、生地に厚みがあるので、首周りの上の方はだんだんとシワが目立たなくなってきます。ただし、裾回りのシワは残りがちです。

(参考/洗濯したあとの状態)

なお、たたむ際に手でシワを伸ばしながら畳んで保管しておくと、かなりのシワは伸びて軽減されるようです。

(参考/一時畳んでおいてあったものを広げた状態)

耐久性ですが、4回洗濯しましたが、特にヘタってきた様子はありません。ネック部分も伸びていませんし、縮んだ様子もありません。また艶感も変わらない様子です。

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2019.04.18