ヘアワックス「ナカノ」タントNワックスのハードタイプの実力は?

「ナカノ」といえば、ヘアスタイリング剤の登竜門的な存在で、筆者が学生の頃は、使いやすいワックスと言えば必ず名前があがりました。髪のおしゃれに興味を持ちはじめた少年にとって実になじみの深いメーカーです。こちらのタントシリーズはナカノのワックスに潤い成分などを配合したもの。

流通量が多く、ドラッグストアやディスカウントショップ、ネット通販でも入手することができます。美容室専売品は手に入りにくかったり、ネットでは値段が高騰してることもあるので、こういった定番アイテムは嬉しい限り。では、実際の使い心地はどうなのか、検証していきましょう。

テクスチャーと使い心地

こちらのワックスはファイバータイプ。手にとるとこんな感じです。糸を引くような伸びが特徴の材質。もちろん製品にもよりますが、基本的にファイバータイプはこの伸びの良さとなじみやすさが長所です。筆者は始めて使うワックスを選ぶ際、このファイバータイプかクリームタイプのワックスをおすすめしています。

理由は仕上がりの自然さと使いやすさ。クレイ、グリースといったマット仕上げ、ウェット仕上げのものは特定のスタイルで大活躍するものの、扱いにクセがあったり、つけづらかったりすることが多く最初の一歩には適しません。

ファイバーとクリームの違いについて説明しておきます。ファイバーは、つけやすさと伸びに優れます。細かい束の表現がしやすい。ツヤ控えめで自然な仕上がり。他方、クリームはセット力やキープ力に優れ、形が作りやすい。ツヤ感があってしっかり仕上げです。このあたりは好みで選んでいくとよいでしょう。このワックスも最大の良さはつけやすさだと感じました。

手に伸ばすときもさっと伸びます。ワックスでのスタイリングにおいて、全体にムラなくつけるのは非常に大事なところ。この商品なら髪にも引っかかることなく全体につけることができます。つける際のベタベタ感が少ないのも好感触です。

仕上がりはこんな感じ。適度なツヤ感と、細かい束ができています。

やはりクリーム状のタイプと比べるとまとまり感は弱いと感じましたが、そのぶん自然な仕上がりになっています。

セット力とキープ力

つけやすい半面、セット力とキープ力は他のハードタイプワックスと比べても控えめです。自分でつけた際には、夜になると髪の毛がおちてきてしまいました。量の多い方やしっかりセットする必要がある場合は、スプレーなどを併用するとよいでしょう。

余談にはなりますが、ワックスでのスタイリングに慣れてない場合はこのくらいの強さ、ハードタイプ程度のものを選ぶことをおすすめします。セット力とつけやすさはほぼ反比例する傾向にあり、はじめから強力なものを選んでしまうと扱いが難しいからです。特にある程度の髪の長さや量がある場合は、強いと馴染ませるのが大変です。はじめはこのくらいからで、物足りなければ強くする等調節していくのがよいでしょう。

気になる価格は?

サイズは二つの展開があり、通常の90g入りと30gのミニサイズがあります。今回掲載しているのは30gのもの。同じシリーズで7種強さ、質感が違うものがありますが、この4番が1番中間になる商品と思います。まずはここをお試ししてから調節していくのもよいでしょう。

価格は90gが1300円(+税)、30gが600円(+税)。ドラッグストア等ならもう少しディスカウントが入り、安くなると思います。つけやすさはピカイチ、ツヤ感や硬さもバランスよく、主張が強すぎない。髪型を選ばず万能に使える商品かと思います。特にワックスに慣れてない、何を選べばいいかわからない方にはお勧めです。気になる方は試してみてはいかがでしょうか?