5000円以下で買える中田商店のフランス軍ステンカラーコートを徹底レビュー

細部まで徹底レビュー

1990年代フランスで製造されたデッドストックのステンカラーコートです。素材は表記なしなので不明とさせていただきますが、リアルな軍モノでとにかくツヤと生地の厚みが素晴らしい。それがたったの4860円(税込)です。

購入時期は2014年6月下旬ごろ、梅雨や秋雨の時期と春と秋に長く着られるようにイメージして購入しました。4年目に突入ですが、個人的にも初めて買ったステンカラーコートで、とても思い入れのあるコートです。

細部にわたってご紹介していきますので最後までお付き合いください。

コートの裾からご覧ください。直線的なラインでいかにもシンプルなつくりです。前身ごろと後身ごろの縫製もしっかり綺麗に縫ってありますね。

実際に着用すると膝下あたりにかかります。ロング丈で色味はオリーブなのでカジュアルですが、その着丈の長さでドレス感は担保可能です。

ポケットはここの位置についています。出自がミリタリーなので出し入れがスムーズで機能に無駄がありません。縫い付けもしっかりしています。

袖口は二折りほど長かったのでインナーを着ても違和感のないようにお直しに出して調整してもらいました。

4860円なので、自分好みのカスタマイズもしやすいですね。私はシーズンオフぐらいの時期にお直しをお願いすることが多いです。まだまだ改良予定ですが、肩口のエポーレットを外すこと、襟のかたちを変えること、腕まわりにゆとりがあるのでインナーにも着られるようにサイズ感を小さくしてお直しに出す予定です。

ゆっくりじっくりその時を楽しみつつ、お直しに出して理想のかたちにしたいコートです。近くのお直し屋さんに出して相談してみるのも参考になると思います。

ボタンですが比翼仕立てになっています。ボタンを隠してくれるので、カジュアル感を軽減してくれるデザインです。また雨にも濡れない配慮が嬉しいです。

ボタンはプラスチック製ですが、安っぽさはありません。出自がミリタリーなのでしっかりとした材質と糸で縫い付けています。

ツヤのある材質のボタンです。高級感があります。

襟元のボタンを留める方もほつれにくいようになっています。縫い付けやサイズ感もボタンとの大きさとバッチリ合います。

それぞれのところも同じようになっています。総合してボタンも頑丈なつくりがうかがえると思います。縫製の糸もしっかりしてありますね。

襟元はシンプルそのもののつくりです。

背面も肩甲骨あたりから裾までベントが入っています。

裾はこのぐらいのベント感です。

エポーレット(肩章)が気になる人は外してもらってもいいと思います。

拡大するとこんな感じです。階級を示すバッジやストラップをつける実用性のあるデザインなので、嘘っぽさはないのですが、筆者の場合は今まで十分楽しめたというのもあるのでお直し屋さんに取ってもらう予定です。

エポーレットのボタンを外すとこんな感じです。

裏地をご覧ください。

右側(ボタン)には内ポケットがついていません。

反対側(比翼)にはポケットが2つついています。上側にボタンでしっかり落ちないように施してあります。

下側のポケットをめくるとこのようになっています。大きさの目安は二つ折りの財布より大きめのサイズが入ります。まわりのつくりから考慮すると一番弱いつくりなので重いものを入れるのは期待できません。

次にこちらのボタン付きのポケットです。見た目より深いつくりになっているので、長財布やiPhone 7 plusがギリギリ入るサイズです。

奥襟側にサイズ表記のタグがあります。カラー展開が一色ですが、生地による個体差によって色味に多少の変化があります。私は店舗にて購入しました。

生地が厚くてしっかりしているので少し重いです。通販でオーダーするときに備考欄などに詳細を記入すれば問題ありませんが、サイト上のサイズより実店舗の方が豊富にあります。

事実として私のステンカラーコートで88C表記です。筆者の素人実測で着丈119cm(裏地のタグから裾まで)、身幅110cm(ボタンの留まる位置の範囲)、肩幅48cm(両エポーレットの根元幅)です。

他のフランス軍ステンカラーコートの色味よりややアッシュ(青味のある灰色)で一際目について購入しました。店舗に近いエリアの人は足を運ぶのがオススメです。

防水性はあるのか?

防水機能もありますのでレインコートとしても機能します。

どのぐらい防水機能があるか実験してみましょう。

水滴ができるまで吹きかけます。

水滴が少しにじんでいますが、裏地まで浸透しておらず水をはじきます。雨の日にもパーカーぐらいの着丈だと心もとないことが何度経験したことでしょう。お気に入りのインナーを着て出かけてもしっかりと守ってくれるのでとても重宝します。

さらに水滴をつけてこの通りです。

着こなしは?

シンプルなつくりでデザイン性の少ないステンカラーコートなので社風が厳しい職場でなければビジネスとカジュアル両方に着用できます。

春、秋最適とサイト上に表記してありますが、着こなし次第で冬も着られます。例えばインナーダウンや、同系色のダウンベストをアウターに羽織っても冬なら極寒の地以外なら違和感なく着用できるでしょう。

ボトムスは黒の革靴やスニーカーなどで微調整しつつ黒のスキニー、ジョガーパンツやスラックスなどでドレス感を保つことをおススメします。トップスは黒のタートルニットですとより大人っぽく見えます。

ハイブランドに匹敵!?

定価4860円(税込)ですが、アクアスキュータム、ブルックスブラザーズやマッキントッシュ……とはいかないまでも、シップス、ユナイテッドアローズ、ナノユニバースなどのセレクトショップやユニクロでステンカラーコートを買うよりはコスパは高いです。

色味は限定されますが、ミリタリーの実力を感じます。生地や縫製などを鑑みてもセレクトショップのオリジナル商品よりはコスパはよいのではないでしょうか。