2018年FWにNEWERAのナノユニバース別注としてリリースされたこのモデルは、インラインでも扱いのあるシンセティックスエード素材をベースにしています。しかし、実はちょっとしたひねりがあります。NEWERAは言わずもがな、アメリカMLBの公式サプライヤーであり、ストリートブランドの一角として確固たる地位を築いています。
※NEWERAについてはこちらのサイトをご覧ください。http://www.neweracap.jp/
NEWERAのヘッドウェアは公式サイトを見ていただくとわかるのですが、とにかく種類が豊富。インラインでもカラーバリエーションはもとより、生地違いにMLBやNFLのチームロゴ違い、そしてシルエット違いにコラボレーションアイテムと数えればキリがありません。
それに加えて、各ブランドやセレクトショップ、メーカーとの別注アイテムも毎シーズン数多くあり、ワンシーズン、たった数か月だけでも膨大な量がリリースされているのです。筆者は毎シーズン公式サイトから別注や新作にコラボと一通り確認しているのですが、今回手に入れたこのアイテムは公式サイトには掲載のないアイテム。ナノユニバースの店頭で初めて存在を知りました。
基本はNEWERAの9Thirtyシルエット
このキャップに使用されているシンセティックスエードは、合皮なのですが、わずかに起毛があり、はた目から見れば本革のスエードレザーと見分けがつきません。逆に、雨にぬれても問題なく使えてお手入れが楽なので、機能面では本革をうわまわります。
シルエットはここ数年定番になった9Thirtyと呼ばれるタイプ。前述の通りシルエット形状も豊富なNEWERAですが、ローキャップタイプの9twentyよりもやや深めの被りで、フロントパネル部分に芯が入っていないのが大きな特徴です。被りが深めで頭にフィットしやすい分、ミニマルな印象になるでしょう。
同様にカーブバイザーになっている点も見逃せません。ストレートなフラットバイザーではどうしてもストリート感が出てしまいカジュアルさが気になるのですが、カーブバイザーになることでカジュアル感は出しつつも顔回りの印象をすっきりと整えてくれます。
筆者は童顔のためフラットバイザーではどうしても子供っぽくなりすぎてしまうので、ここは大きな評価ポイントになりました。
アジャスターでサイズ調節も出来る仕様で、メーカーのリリースでは頭囲62cmまでに対応しています。筆者は頭囲59cmほどで、NEWERAなら定番の59fiftyは「7 1/2」が適合サイズとなりますが問題なく被ることが出来ます。
また、アジャスターはやや長めに付けられているのですが、先端を収納するポケットがありますので本体内部に収納できます。また、頭囲が小さい人ならばロングストラップのようにあえて少し先端を出すことでアクセントをつける事も出来ますね。後者の場合はややルーズな印象になりますので、全体コーデの最後のひと匙程度に捉えておくと良いでしょう。
よく見ると、ロゴが少し違う
ブラックボディのこのアイテムでは同系色になっていますが、ロゴの刺繍もちゃんとついています。しかし、よくあるヤンキースロゴと違う点にお気づきでしょうか？ 実はこのロゴ、MLBのニューヨークヤンキースではなくニグロリーグのニューヨーク・キューバンズのロゴなのです。
詳細な説明は省きますが、ニグロリーグとは150年ほど前に存在したアフリカ系アメリカ人を中心にしたリーグ野球のこと。後に現在のMLBに統合されることで消滅してしまうので現存していませんが、今シーズンNEWERAのインラインでは、このニグロリーグをフィーチャーしたアイテムがリリースされていました。
ボディとロゴ、どちらも黒いため色味としてはとても地味に思えますがシンセティックスエードの表情ある生地感のおかげでそこまでの地味さは無く、落ち着いた印象になっています。
洗濯表示はこちらになります。全不可の表示になっています。フェイクスエードは水洗いする場合は色落ちに注意しなければならないため、筆者は念のため水洗いせずにテープ部分の拭きとりと消臭スプレーの吹き付けに留めていますが、着用１か月の現在も特に異常は無く使えています。
カラーは４色。おススメはピンクとベージュ
実はこのアイテム、展開色で刺繍ロゴがすべて違うのです。今回は一癖あるNYロゴという点に筆者は着目したので今回はあえて黒を選びました。そのためロゴではなく色でおススメする場合は秋冬の季節感がより強くなるベージュとダークトーンに映えるピンクのどちらか。
起毛生地特有の表情が出ているので悪目立ちのしない色味になっていて使いやすい印象でした。ネイビーに関してはいつもの白抜きのロゴのため普通です。ですが、こちらも生地感に助けられて地味さはあまり感じられない仕様になっています。
もし筆者のようにロゴから選ぶ場合はネイビーがヤンキース、ピンクがニューヨーク・メッツの現行球団の組み合わせになっています。そしてニグロリーグはベージュがブラックヤンキース、筆者の購入したブラックがキューバンズとなっていますので、こちらから選んでみるのも面白いかもしれません。
しかしながら組み合わせが決まってしまっているので、そこが難点と言えば難点になります。ちなみにナノユニバースのサイト内の説明文はキューバンズとブラックヤンキースが逆になっているようですので、注意が必要です。
インラインでは単体でラインナップされている２つのシリーズを合わせて作られたナノユニバース別注。微細な装飾性と定番のNYロゴだけではない一癖ある刺繍ロゴを併せた面白いアイテムになっています。別注でありながら、価格も通常のNEWERA9Thirtyとほぼ同額の4000円(＋税)と手ごろ感もありますので、興味ありましたら是非手に取ってみて下さい。
余談ですが、ニグロリーグをフィーチャーしたアイテムとシンセティックスエードを使用したキャップは、今回レビューしているアイテムとは別に、それぞれ単体でNEWERAのインラインでも展開されています。仕様が若干違いますのでここでの言及は避けますが、ご興味あればそちらもご確認ください。
