ミリタリーアイテムには無骨でありながら実用的で、男心くすぐる要素が詰まっています。しかし、一方で野暮ったさがあるのも事実。今回紹介するミリタリーシャツは、そんな本来の実用性を持たせつつも、野暮ったさを排除し、モダナイズされてクリーンな印象を獲得した一着です。早速レビューしていきましょう。
しっかりとした生地感ながらスッキリとしたシルエット
しっかりとした生地感は凹凸が出ており、多少ハードに扱っても型崩れなど無く、写真のように襟が立てやすいメリットもあります。綿97%、ポリウレタン3%で、ストレッチの効きはそれなり。体型が出にくく、シルエットもかなり現代的に細くしてあります。
(生地のアップ)
167㎝、51kgやせ型体型の筆者はSサイズを選択しました。スキニーの名の通りかなり細身のサイズ感です。カットソーの上に羽織って動きにくいと言うことはありませんが、シャツ+ニットの上に重ね着するような場合はワンサイズアップした方がよさそうです。
身幅はSサイズ49㎝、Mサイズ51㎝、Lサイズ53㎝、XLサイズ55㎝です。身幅と同様に肩幅も少々タイトです。筆者は細みのわりに肩幅は普通にあり、カットソー1枚でも張る感じがあります。Sサイズ41.5㎝、Mサイズ43㎝、Lサイズ44.5㎝、XLサイズ46㎝となっています。
裾は真っ直ぐフラットです。通常シャツはラウンドカットしていますが、こちらはよりアウターライクな作りです。サイドスリットがあり、インナーを裾から出すような着こなしをする場合に締めつけがなく綺麗にレイヤードできます。
(参考/ラウンドカットの裾)
着丈はSサイズ68㎝、Mサイズ70㎝、Lサイズ72㎝、XLサイズ73㎝になります。アウターとしてもインナーとしても使いやすい絶妙な着丈だと感じます。例えばもう少し短いと腰位置が露わになり脚の長さがモロに出ます。我々日本人の胴長短足体型がバレるのでいくらタイトでもスタイルが悪く見えてしまいます。
一方、着丈が長すぎる場合は、野暮ったさが出てしまいます。元々ミリタリーアイテムはレプリカ品であれ古着であれ、サイズがどデカく、我々日本人が着こなすには少々難しいアイテムです。とりわけ筆者のような小柄で細身体型だと着こなしが難しいのですが、こちらのシャツは説妙な長さにデザインされています。
アームホール、腕周り、袖周りもそれぞれタイトですが、袖丈は長くもなく短くもなく、ちょうどいい長さです。Sサイズ60.5㎝、Mサイズ62.5㎝、Lサイズ64.5㎝、XLサイズ、66.5㎝。長すぎて生地がもたつく感じはありません。インナーを着ても飛び出すようなことはないでしょう。
インナーとライトアウターの境界
ポケットは両胸に2つあります。フラップポケットの存在は、アウターライクに見えやすいと言えます。インナーに使われるシャツであれば、蓋つきである必要はないからです。
蓋が付いていることで、埃の侵入を防ぐなどの役割があります。ミリタリーディテールとして必要な要素でもあります。
胸ポケットの上部は自分の立場や身分を証明する階級証やバッジなどがつく部分ですが、コーデュロイ素材のデザインになっています。元々意味のあるものを換骨奪胎した程よいアクセントと言えるでしょう。
肩のエポレットは軍人感が増すためか、取り払われています。ディテールは盛り込めば盛り込むほど費用がかかるデメリットもあります。それは価格に直結するので、消費者としては無駄なデザインにお金は使いたくないですね。
デザインと価格の両立、ナノユニバースのリーズナブルな感覚はありがたい限りです。価格は9900円(税込)となっています。
しかしながら、起源のあるアイテムはデザインを無くすほど嘘くさく陳腐なものにもなり得ます。意味のあるデザインだからこそ価値があるのに、デザインを削いだ上襟や袖を裏返したらチェック柄が出てくるなどミリタリーアイテムの無骨さ、男らしさのカケラもないと言えるでしょう。
このあたりもやりすぎず、残すものは残してミリタリーシャツとしての体裁を保ったバランス感覚と言っていいのではないでしょうか。
ミリタリー色とクリーンさの共存
ミリタリーアイテムは元をたどれば軍人が任務遂行のために必要最低限の機能が備わったものです。男らしく無駄のないシンプルなデザイン、上述したような機能美から来る嘘臭さがない説得力。男心くすぐる要素がこれでもかと言うほど詰まっています。
あまりにもゴテゴテとしたミリタリー要素は女子ウケが気になるところです。しかし一方で、おしゃれの上手な女子はミリタリーアイテムをうまく着こなしています。例えば男臭いミリタリーアイテムを女性的なワンピースやスカートに合わせて「甘辛ミックス」として着こなすのが、得意であったりします。
我々男性もそう言ったギャップに魅力を感じ、ぐっと心を掴まれるものです。実はこのアイテム、単体でそういったギャップを持ち合わせています。「どこが可愛いんだ?」と思われる方がいるでしょう。
このシャツはミリタリー要素である男らしいディテール、色味に加え、シャツのクリーンな印象とナノユニバースこだわりのシャープなシルエットをあわせ持つことで、男くささと都会的なシャープさが共存したベストバランスなのです。
まさに「一枚でサマになる」シャツを体現しています。洗濯後のシワなど気にせず少々クシャッとしていてもシャツの持つクリーンさとシルエットのよさが発揮されているので、だらしなくなりません。あえてシワ感のある写真を掲載しておきます。
デートで着る場合は、アイロンをあててシワを伸ばしましょう。クリーンさに拍車がかかり、シャツのディテールがきちんと感と大人っぽさを生み出します。スラックスを合わせるとより大人っぽさが増すでしょう。
カーキとブラックの2色展開ですが、ブラックを選んだ場合、黒シャツの持つキザな印象、ホストっぽさ、キメすぎ感とミリタリーのディテールが相まって、こちらもやはり単体である程度バランスがとれるようになっています。
どちらの色にも言えることですが、下半身にスキニーでもスラックスでも黒を持って着てしまうと、爽やかさが足りないので、インナーには白のニットやシャツがオススメです。
現在在庫なし。しかし定番品
現在このアイテムは残念ながら売り切れてしまっています。しかしナノユニバースの過去のアイテムラインアップを見ると似たアイテムが出てきます。
素材が微妙に違っていたり、細かいディテールの差はありますが、人気とあり定番品として作り続けられているようです。似たアイテムが販売された際、本稿が少しでも皆様の参考になればと思います。