ブラックパンツといえば初心者から上級者まで、必ずといっていいほど持っているアイテム。なぜなら、ボトムスにブラックを持ってくることで全体の印象を整えることができ、トップスに多少派手な色や柄物を持ってきても、バランスを保つことができるから。
本稿では、そんなブラックパンツの市場でもワンランク上の着こなしができるコーティングデニムをご紹介致します。
※ブラックパンツの優れた機能はこちら : http://www.neqwsnet-japan.info/?p=3832
(全体の印象が整う黒パンツ)
通常版fhin finnレビュー : https://goo.gl/oSBUAN
最大の特徴はコーティング
今回ご紹介するのは、「nudie jeans thin finn dry black coated」です。日本語読みで「ヌーディージーンズ シンフィン ドライブラックコーテッド」と読みます。
nudie jeansは、ブランド名。thin finnは、シルエット名。dry black coatedは生地に施している加工を指します。他のブラックパンツとの1番の違いでもあり、優れたポインドでもあります。
このコーティングはデニムでありながらレザーのように機能します。一般的にデニムはコットン素材なので凹凸があり色落ちしていく表情豊かな素材。対して、レザーは艶があり、ドレスライクな素材です。
つまり、パンツ単体でドレスとカジュアルのバランス感が整っていて、トップスに何を持ってきても簡単にサマになるアイテムであるといえます。
※ドレスとカジュアルのバランスはこちらから : https://goo.gl/M7C9Cm
(コーティングの艶)
パンツに使用されているステッチも考えられています。裾先から腰位置まで、一貫してブラックのステッチ。パンツのステッチはホワイトやオレンジであった場合は、かなり目立ちます。
もちろん、目立つから良くないという訳ではなく、このデニムにはブラックが最適ということ。ブラックにしている理由は、艶を最大限目立たせるためで。人の目がステッチに注目してしまうことを防ぎ、特徴ある艶に目が集中するよう計算されたカラーリングなのです。
(ブラックコーテッド)
(オレンジステッチ)
(ホワイトステッチ)
また、縫製も丁寧。生地本体は世界中から入手しているようですが、縫製は全てイタリア。イタリアの縫製は日本のような丁寧な技術者が沢山いるため、腕も確かです。
丁寧な縫製をしているデニムかどうかは、側面の膝付近、付け根部分の縫製の返し縫いの有無で判断することができます。もちろんヌーディージーンズは、綺麗な処理がされていることがわかります。
(丁寧なイタリアの縫製技術)
ヌーディージーンズのデニムは、素材にも拘っています。厳選された特定のオーガニックコットンのみを100%使用し、「履いていないのでは?」と錯覚するほど滑らかな肌触りを実現しています。
デニム特有のゴワゴワ感やヒヤッと感が軽減されており、デニムが苦手な方でも最初の1本に選びやすい商品です。他のブランドにはないこの肌触りの良さも、筆者が好んで履いている理由の1つです。
このコットンから生み出される経年変化は、デニムマニアの間でも評判で、ヌーディージーンズ専用のSNSがあり、個人同士が自分だけの色落ちを自慢しあったりしています。
(デニム裏面)
ユニクロのコストパフォーマンスに優れたデニムも良いですが、高いデニムはこういった細かい所の拘りが違います。さらに、ストレッチ素材であるポリウレタンを2%混紡しており、履く人にストレスなく優しく伸び縮みしてくれます。
なぜ、混紡率が2%なのか、2つ理由があります。1つ目は、デニム特有の色落ちが発生した際に、ヒゲやアタリといった、デニム本来の楽しみが感じられるようにするため、ポリウレタンの混紡率を低く抑えています。
(ヒゲやアタリ)
(ストレッチ混紡)
出典:https://goo.gl/m8RRfZ
デニムの醍醐味でもある色落ちは、ストレッチ素材が混紡されているものよりも、コットン100%のほうが色落ちが綺麗とファッション業界でも定説となっています。
(コットン100%の色落ち)
2つ目は、伸び縮みの「戻り」の良さ。混紡率だけで全てを語れませんが、一般的にストレッチの混紡率が高いデニムは、膝などのテンションが強くかかる部分が、伸びきってしまいだらしなく見えてしまいます。
余談ではありますが、このストレッチについては、今後360度ストレッチにしてほしいもの。市場には横だけに伸びるものが多いのですが、稀に360度縦横に伸び縮みする商品があります。
縦横をストレッチ素材としてしまうと独特のハリ感と特徴的な色落ちが犠牲になってしまう可能性があるため、はき心地とトレードオフの関係なので仕方ないところではあるのですが……。
(伸び縮み)
肌触りも損なわず色落ちも楽しめる、デニム専業ブランドであるヌーディージーンズの拘りの混紡率なのです。
続いて本体カラー。同じヌーディージーンズのブラックコーテッドモデル以外のパンツは、様々なカラー展開を行なっておりますが、レザー調を再現するため、こちらはブラックのみの展開。
他のカラーにコーティングすることも技術的には可能ではありますが、意味のないデザインには安っぽさが生まれてしまいます。レザーを意識してデザインしているため、意図してブラックだけに留めています。
多色展開の通常版fhin finnレビュー : https://goo.gl/oSBUAN
ブラックのみの展開ですが、そこはやはりデニム。横糸に白糸を使い、縦糸に黒糸を使って綾織してあり、黒部分が徐々に色落ちしていきます。嘘臭さのない、自分だけのリアルな色落ちを楽しむことができます。
レザー調でありながらも色落ちが楽しめるのは、このデニム以外に市場には存在しないといっても過言ではありません。
(嘘臭さのある色落ち)
出典:https://goo.gl/cQhMYj
(ヌーディージーンズの色落ち)
出典:https://goo.gl/z3jmuA
また、生地の厚さは、12oz(オンス)です。オンスとはデニムの厚さや重さを表す単位。手に取った時は、少しペラペラしてるなと思いましたが、数回着用して厚みの理由がわかりました。
綺麗なシルエットをつくるためです。後述しますが、スキニーパンツは厚い生地にしてしまうとゴワつきが出てしまい、足の線が綺麗にでなくなってしまうのです。
(生地の厚さは12oz)
リベットやボタンの色もパンツの横糸であるホワイトと相性が良く一体感があり、違和感が全くありません。色落ちとともに親和性が高く一体感が増していくしていくものと思われます。
(リベットとボタンと横糸のホワイト)
また、その他のブラックパンツであれば、埃が付着すると目立ってしまいますが、コーティングが施されているため付着すること自体ありません。細かいところですが嬉しいポイントです。
(埃がついたブラックパンツ)
(ブラックコーテッド)
理想的なスキニーシルエット
続いてシルエットです。スキニータイプのシルエットは裾先に向かっていくほどすぼまっていく細身のパンツです。他のパンツにはないシンフィン特有のシルエットは2点あります。
1点目は、腰回り。通常スキニーパンツといえば、お尻周りや腰回りから足先まで、これでもかというほどタイトなものが多いです。しかし、シンフィンは、お尻周りや腰回りの部分は、ゆとりを持たせ履く人にあまりストレスを与えないようなシルエットとしています。
そして、膝から下の部分については、急激に細くなり足を長く見せてくれます。そのため、お尻周りが大きい人でも大丈夫です。スキニーを諦めていた方はぜひ試しくみてださい。
2点目は、バックヨークが下がっていること。先に説明しました腰回りのゆとりを持ったシルエットに合うように後ろのポケット部分が下がって設計されています。これにより、履き心地は良いままに、足長効果を最大限に引き出すシルエットとしているのです。
(バックヨークが下がっている)
出典: https://goo.gl/3PNqZK
筆者が履いているサイズは、ウエスト31インチ、レングス32インチです。ウエストには、多少余裕があるため、もう1インチ下のサイズを選んでもいいかもしれないと感じています。コットン100%であればジャストサイズかもしれませんが、ポリウレタンが2%入っていますので、最初にきつくても多少馴染んでくるため、そのように感じました。
実寸では、ウエスト78㎝、ヒップ47㎝、股上25㎝、渡り幅26.5㎝、股下78㎝、裾幅17㎝。普段履いているその他のパンツとしては、ジーユーの360度ストレッチスキニーパンツで、ウエストサイズ30インチでかなりタイトに履いています。
友人の情報ですが、通常版のthin finnよりもコーテッド版の方が、サイズ感が大きいとのこと。あくまで購入の際の参考までに…。可能であれば、ご自分のいつも履かれるサイズ前後の試着をしていただければ間違いないでしょう。
弱点は洗濯にあり
ここまで良い点ばかり紹介してきましたが、もちろん弱点もあります。それは洗濯です。回数多く洗濯をしてしまうと、コーティングされた艶感が取れていってしまい、その他のブラックパンツと変わらなくなってしまいます。
コーティングの詳しい内容まではわかりませんが、艶感は2度と戻らないという訳ではなく、再度履き続けることによって戻ってきますので、ご安心ください。
それでもしばらくは、落ち着いた風合いとなりますし、且つ、永年的にコーティングは続かない可能性があるので注意が必要です。ヌーディージーンズは、色落ちを楽しむために、極力洗濯をしないことを推奨しているデニムブランドです。
初めて買った際は、衝撃を受けましたが、購入後6ヶ月間は洗わないことが基本です。すぐとれるデニムで作られた大きなタグに英字で記載されています。
(6ヶ月洗わないで!といったメッセージ)
出典:https://goo.gl/hhiYLi
デニムは経年変化を楽しんだところで、やぶけてしまうことがあります。しかしヌーディジーンズは、直営店舗での修理の対応を始めました。しかも、無料。色落ちの楽しさにこだわったデニムブランドだからこそアフターサービスまで考えて商品を作っています。
対応している店舗は都内の直営店舗がほとんどですが、それでも購入する側は、不安が少しでもなくなった方が絶対いいと思います。
(リペアステーション)
出典:https://goo.gl/c8DHv4
(新品の艶感)
出典:https://goo.gl/SmBZAk
(洗濯を数回した後の艶感)
安く賢く入手する方法
LEEで働いていたデザイナーがスウェーデンで2000年代前半に立ち上げたのがヌーディージーンズ。2005年には全世界で100万本販売本数を突破し、一大旋風をき起こしました。
もちろんオシャレに敏感な日本のセレクトショップは、販売開始から数年で取扱いを開始。「ビームス」「アローズ」「EDIFICE」といった日本を代表するセレクトショップは、軒並み取り扱いを開始し、大量に販売を行い、その当時、多くの若者が着用していました。
その結果、2018年現在、古着屋に良品が溢れることになるのです。筆者は、ユニクロなどのファストファッションより、ワンランク上のアイテムである、当商品の購入を考えたときに古着屋で格安で手に入れることができました。
そもそも、dry black cotedは、現在販売を終了しています。それでもamazonや楽天などの一部のネット店舗では、今もまだ販売されています。
初めて購入される方には近くの販売店舗でシルエットが同様のthin finnの試着をお勧めしますが、安く購入するなら断然古着屋かフリマアプリがオススメです。試着だけで見るならばzozotownもオススメ。
筆者は、古着屋で3000円で手に入れることができましたし、フリマアプリでも7000円程度で手に入れることができるようです。定価は2万2000円(+税)で、価格差はなんと6倍。こんなに良いものがこんなに安く手に入るのかと驚きを隠せません。
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