【現役美容師が語る】オーシャントリコ「クレイワックス」はハマると強い! 細毛や軟毛の方におすすめ!

ヘアスタイリング剤、ワックスにはいくつかタイプがあり、クリーム、ファイバー、クレイ、グリースなど材質の違いやウェット・ドライなど求める質感によって、様々な商品に分かれています。今回紹介する商品はオーシャントリコのヘアワックス。クレイのタイプ。向いている髪質や作りやすいスタイルなどの観点から、使った感想を解説していきます。

材質とクレイワックスの特徴

手に取るとこんな感じです。容器から取り出す時点で固さがあります。筆者の感覚としては、取り出しづらいと言うほどでもないですが、少しずつ必要な量を取り出していく必要があります。クレイと言うのは「粘土」のこと。感触としてはまさにそんな土っぽい感じで、手に取り出すと、若干粘り気があります。クリームやファイバーのワックスに比べると、水分や油分が少ないのがわかるでしょう。

クレイワックスはその特性上、基本的に伸びが悪いものが多い。本当に土のようにガサガサして扱いが難しいものもありますが、このワックスは少し伸ばすとこのようなクリーム状に。比較的ではありますが、扱いや伸びは良い部類にはいります。とはいえ、使用の際には両手の手の平でしっかりとすり合わせ、ワックスを溶かしていく必要はあります。この作業をワックスの白い塊が消えるまで、いつもより時間をかけてやったほうが良いです。

使用感と仕上がり

髪の毛につけていきます。少しガサッした感触があります。髪の毛への伸びも良い方ではないので、しっかりと馴染ませる作業を行い、塗布ムラができないように注意する必要があります。このあたり、特に髪質によって評価が分かれるところだと思います。細毛や軟毛の方だとこのガサッとした質感はボリュームが出しやすく、馴染みもいいです。

細毛・軟毛はクリームやファイバーのワックスだと油分でベタっとし、濡れ髪のようになったり、「自然な感じ」がだしづらいのですが、クレイワックスであればその心配はありません。

反対に硬毛、太毛の方だとなかなか馴染まないです。筆者はこのタイプなのですが。ついているのか、ついていないのかわからないような感覚を覚えました。量も多めに使う必要があります。

固い材質から想像するにセット力もとても強そうなイメージですが、意外とそうでもない。一般的にスーパーハードと呼ばれるワックスよりは少し弱い程度と感じました。使いやすい、程よい強さと思います。

仕上がりです。ベタつきの少ないマットな仕上がりとなっています。油分の多いワックスはツヤがある分、ともすれば作為的な印象にもなりかねませんが、こうしたマット・クレイ系のワックスだともう少し自然な仕上がりとなります。またこのタイプは毛束を曲げたり無造作な雰囲気をだすのも得意。

直毛の方が動きのあるスタイルしたい場合、濡れ感がないドライなパーマスタイルに使用する場合などにも良いのですが、伸びや馴染み、操作性の点からスタイリングの難度が上がってしまうことも多いです。このあたり、かなり好き嫌いの評価が分かれるところだと思います。

毛束が作りやすいのもこのワックスの特徴の一つ。オーシャントリコを作成している美容室、オーシャントウキョウは、10代後半〜20代前半の若者に大人気のお店です。この商品もサロンに合わせた若者のスタイルに向けて作られているため、こうした束が作りやすい工夫がしてあるのでしょう。

マットで自然な雰囲気、ドライな質感はツヤ出しの仕上げに比べればややカジュアルな雰囲気。それふまえても、万能型と言うよりは動きのあるスタイルや無造作感のあるスタイルに的したワックスだと言えます。

キープ力や洗い落とし

キープ力は強いのですが、うまく馴染ませたり、量をしっかりつけないと効きの悪さがあります。クレイワックスは「油分で重くなって潰れる」と言うことは起こりづらいのですが、やはり弱点は馴染みの悪さ。つける時にしっかりやっておかないと、立たせたり動かした髪の毛がおっこちてきてしまいます。

また、洗い落としがセット力のわりには良いのも特徴の一つ。とくにこのタイプのワックスにしてはお湯での落ちがよく、つけた後の手洗いも石鹸が必要ないかなと思えるくらいでした。髪の毛の方も最初のすすぎをしっかりして、普通にシャンプーをすれば一度で落とすことができました。

気になる価格は?

まとめると、ボリュームが出しやすい、ドライな質感でつけすぎになりずらいと言う点から、髪質で言うと細毛・軟毛の方には特におすすめ。動きをだすスタイル、無造作なスタイル、少しカジュアルなスタイルを作りたい時におすすめ。確実におすすめできるターゲットとしてはこんな感じです。

クレイ系のワックスは伸びや馴染みに難があることが多いため、人によって好き嫌いの差が大きい。かなり評価や感想が分かれるところだと思います。筆者自身も直毛・多毛・硬いて言う髪質が揃っており、苦手意識がありましたがこの商品に関しては使いやすい部類であると感じました。気になる価格ですが、80gで1500円(+税)。

この商品はドラッグストアやコンビニ等でも流通しているものですが、サロン専売品とだいたい同じくらい。やや高めではありますが、手が届きやすい価格設定となっております。髪質との相性や好みが合えば、使いやすい商品と思います。