シンプルなコーディネートにこそ映える「ピエールアルディ」のクラッチバッグ

「いいクラッチバッグがほしい」前回のフェリージのブリーフケースを経て、小物の重要性に目覚めた筆者。「小物さえ調和して光っていれば、ほかは気を抜いてもいいんじゃないか」と考えるほどになりました。
前回記事「スーツ姿を格上げするフェリージのブリーフケース」https://fuku-labo.com/felisi-brief-case

そこで、手持ちの服と合うバッグを新調し、その効果を確かめることにしました。

私のクローゼットを見ると、見事に黒、白、青。着まわしやすさを意識した結果でした。これらの装いに溶け込むバッグはないか。私はzozotownを調べました。

こうして出会ったバッグ。それが今回ご紹介するピエールアルディのクラッチバッグです。さて、こちらでは成功の報告が続いていますが、今回の買い物も満足できたのでしょうか。

ブランド紹介


https://goo.gl/Af18tB

「ピエールアルディ」はフランスの高級靴ブランド。デザイナーもブランド名と同じピエールアルディです。

創業は1999年。当初はレディースのみでした。創業前はディオールのシューズデザインを担当。創業後にはバレンシアガを経て、現在はエルメスのシューズデザインも兼任しています。

名だたるハイメゾンからのラブコールを受けるだけあって、彼のデザインには「インパクトと華」があります。

しかし、2001年に始めったメンズラインにおいては「自分とシューズをリアルに繋ぐもの」という考えのもとで展開。「ラグジュアリーでありながら非常にベーシックな」ものも多く見られます。

今回ご紹介するクラッチバッグはその系譜を感じさせるアイテムです。ユニセックスアイテムあるため、両者の特徴が表れています。つまり。ラグジュアリーでありながらベーシックであり」「インパクトと華もある」。

愛鞄紹介

ピエールアルディ 「キャンバスキューブクラッチバッグ」27880(税込)

まず一番にこの「柄」に目を奪われます。キューブ模様はブラック、ホワイト、ミディアムグレーで構成されています。このブランドの象徴する柄です。

サイズは30cm×20cm。ユニセックスで使えるゴールデンサイズ。マチは1cm未満。収納力については後述します。重さは180g。内側がレザー素材のため、同じサイズ感のものと比べるとすこし重く感じます。

表地はなんとキャンバス素材。一見レザーですが、ハリのあるキャンバス地にプリント、型押し、そしてコーティングが施されています。結果、色ムラのない均一な仕上がりに。レザーではこうはいかないでしょう。

ジップはriri。洋服に詳しい方はニヤリとするでしょう。riri社は高級ジップを手がけるスイスのメーカーです。ハイメゾンのライダースジャケットをはじめ、多くの高級レザーアイテムにこのriri社のジップが使われています。独特の風合いがあり、滑らかに開閉する特徴があります。

ジップまわりは、黒のカーフスキンでトリム(フチ取り)。生後6ヶ月の以内の牛からとれる上質レザーがさりげなく使われています。結果、ジップまわりにも高級感が。隙のない外観に仕上がっています。

ご覧ください。なんと裏地までカーフスキンです。

しっとりとした高級レザーが惜しげもなく使われています。開閉のたびに目に入ってくる型押しロゴ。所有者の気分を盛りあげてくれます。

「MADE IN SPAIN」タグ。裏地を表へ裏返したときにはじめて確認できました。ブランドの静かな主張を感じさせます。

参考までにふたつ折り財布、A5サイズのメモ帳、シャーペン、新書1冊を入れてみました。

膨らみはご覧のとおり。シックな雰囲気は、辛うじて保たれています。この程度がマチ1cmのこのバッグでは限界です。あくまで手荷物最小限での外出用のクラッチバッグです。

やっぱりいいぞピエールアルディ


https://goo.gl/2SFvgT

このバッグは、シンプルな装いにこそ効果を発揮します。写真は青白基調の爽やかなコーディネート。パンツのダメージや、ゆるいネックなどがおしゃれに映ります。ところが……。バッグの部分を指で隠してみてください。

「シュッとしているけど、どこにでもいそうな印象」に早変わりしませんか。そう、シンプルコーディネートで小物まで地味だと、我々、見慣れてしまっているのです。

しかし、この方はそこへピエールアルディのクラッチバッグを入れました。結果「洗練されたカジュアル」な印象に。そう、持つだけで全体の印象を変えてしまうバッグなのです。

シンプルファッションが地味に見えてしまう理由のひとつに、2015年前後の「ノームコアトレンド」が挙げられます。ノームコアトレンドについてはこちらをご覧下さい。https://goo.gl/L5gjNc

そんなひとつ前のトレンドのため、2017年現在では「地味」に見られてしまいがちなシンプルファッション。それをクラッチバッグひとつで今年仕様にアップデートしてくれるとしたら、こんな便利なものはありません。シンプルファッション好きな私としては外せないアイテムです。

「所有の喜びが長く続く」こともポイントです。このバッグ、鞄の裏地にカーフスキンがあしらわれています。人からは見られない部分に、生後6ヶ月以内の子牛からとれる高級レザーが使われています。靴から始まったこのブランドの魂が感じられます。

また、この裏地のレザーは大人の粋もおしえてくれます。riri社のジップを開け、漆黒のやわらかいレザーの中から、スマートフォンや財布を取り出す……。 身の回りのものを、人から悟られず上品なケースに包んで扱えることに喜びを感じるようになりました。

「自分だけがその良さを知っている」という感覚もまたよいものです。これは贅沢品の魅力のひとつだなとわかりました。

シンプルファッション愛好者にオススメ

私の買い物は成功でした。シンプルファッションの先端に置けばコーディネートは一気に新鮮に。小物がハイなので、ローな服で合わせることによって全体のメリハリもつきました。結果、「小物が光っていれば服は適当でもサマになる」とわかりました。

モノトーン調の色使いも、服に合わせやすく重宝しています。黒、白、紺を愛用する私にはぴったりでした。

私は「シンプルな装いが好き」な人にこのクラッチバッグをオススメします。シンプルファッションは、清潔感、合わせやすさなどのメリットが多い一方。地味に見えやすいというデメリットもはらんでいます。

そこへこのような総柄クラッチを足してみることは有効です。一転、見る者を楽しませる装いへと変化します。

コーディネートの先端にハイメゾンのクラッチバッグはいかがでしょうか。ちなみにこのバッグ。ユーズド界隈でも出回っている定番モデルです。古着屋で見かけたらお手に取ってみることをおすすめします。