リーツテイラーザズーのモッズコートでスタイリッシュにモッズを着こなそう。

ファッション好きとしてはコーディネートの幅が増える嬉しい季節ですね。音楽好きの私が冬場に真っ先に着たい物で候補にあがるのがモッズコートです。

最近、古着屋でモッズコートを購入したので商品のレビューだけでなく、モッズコートの特徴や歴史についても書いていきたいと思います。

モッズコートの由来

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モッズコートの由来については以前別の方が詳しく書かれていたので補足程度に簡潔に書きます。モッズコートとはいわゆるm-51、m-65ジャケットと言われる軍で着用されていた物の事を指します。

モッズコートと言われる由来は、イギリスで生まれた“モッズ”と呼ばれた若者達が深く関係しています。モッズ達はレアな黒人音楽、R&Bなどの音楽を好み、伝統的なスーツやローファーで着飾り、夜な夜なクラブに行って音楽を楽しみ、騒いでいました。

そんなモッズ達はクラブまでバイク(ヴェスパやランブレッタと呼ばれる車種が有名)で移動していたのですが、冬はスーツだけでは寒いし泥や水が跳ねてスーツが汚れてしまっています。

そこで、彼らは当時格安で流通していた正規軍の卸物であるm-51ジャケットを着用してクラブまで通うようになりました。スーツの上に着用するので、サイズは大きめの物を着用することが主流でした。

モッズ達が着ているコート、ということで生まれたのが「モッズコート」です。m-65は仕様がm-51と非常に似ており、現在はm-51と共にモッズコートと言われておりますが、当時のモッズ達は着用してはいません。

モッズコートの特徴

モッズコートの特徴をあげていきましょう。

1.ファー付きのフード。元々は寒冷地用に作られた物となっている為、ファーが付いた物が多いです。ファーはラクーン、化繊で出来たフェイクの物などが一般的です。またフード自体がボタンで取り外しができます。

2.裾と腰にあるドローコード。裾にあるドローコードは元々風によるはためきを防ぐ為に太ももに巻きつけ使用する物です。また腰にドローコードが付いている物もあり、腰回りを絞って身体にフィットさせる為に付けられています。

3.フィッシュテイル。裾の後ろの仕様が魚の尻尾の形に似ている為、フィッシュテイルと呼ばれています。ちなみにモッズコートの別名はフィッシュテイルパーカーとも呼ばれています。ボタンを止めることで、裾を平らにすることも可能になります。

4.比翼仕様。防寒を高める為、ジッパーがどこかに引っかかる事を防ぐ為、ジッパー留めを隠すように二重合わせの比翼仕立てになっています。

5.エポレット。こちらは軍物でよく見られる仕様ですが、ここに水筒や双眼鏡のストラップをかけ滑り落ちるのを防ぐ役割があります。他にも階級を示すバッチや装飾を着ける為に付けられたものです。また倒れた仲間を運ぶ時にエポレットを引っ張って使用されたとも言われています。

6.フラップポケット。テーラードジャケットにも付いていますが、ポケットの上側に雨の侵入を防ぐ為の布地が付いています。

7.ライナー。ライナーですがこちらがついている物、いない物、また取り外しができるかできないかで防寒性と着用できる時期が大きく変わってきます。

8.チンストラップ。襟のばたつきを抑える為に付けられています。また喉元を隠す事で防寒性を高める効果があります。

9.長い着丈。まあ見た通りですが、寒冷地で使われる事が多かった為、軍物の中では着丈が長めに作られています。

10.撥水性の素材。雪や雨を想定して撥水性の素材を使われている物も多いです。

細かい部分はまだありますが、ざっと大きな特徴はこんなものです。簡単に説明するといいながら、なぜここまで歴史や特徴の説明を長々と書いたのかと言う理由ですが、着こなしのルーツやその背景を知っていれば、自然とそのスタイルを再現することができます。

ルーツに基づいたスタイルは嘘くささがありません。また源流であるモッズコートの特徴を押さえておけば、少しでも源流に近いモッズコートを選ぶ事ができるようになります。

一番早いのは、軍卸物を取り扱っている古着屋でモッズコートを探すのが手っ取り早いですが、サイズが大きい、状態が悪いなどの問題もあるので、今回説明した特徴を参考にして商品選びをしてみて下さい。

細身のモッズコート?

さて今回私が購入した物が、リーツテイラーザズーのモッズコートです。リーツテイラーザズーは日本のブランドですが、ジャケットやデザインなどもイギリスを感じさせるブリティッシュな仕様の物が多く、ポールウェラーやストロークスなど海外のミュージシャン達も愛用しています。こちらのモッズコートのディテールを見ていきましょう。

モッズ達は大きめのモッズコートを着用していましたが、こちらは細身の作りになっています。ビックサイズの方が源流に近くいいのではないかと思ったのですが、最近はスタイリッシュで着こなしたいという欲があった為、細身の物を選びました。

サイズは36サイズでMサイズくらいです。ここのブランドはわりかし細身の作りですので、購入の際はサイズに気をつけましょう。実寸は肩幅45cm、身幅48.5cm、着丈77cm、袖丈63.5cmでこのサイズで177cm・65kgの私にジャストフィットです。

インナーに着込めるとしたらせいぜい薄いニットくらいで、中に余裕は全然ありません。こちらは身体のラインが出るくらい細いと認識していただいて構いません。着丈はコートのような長さはないので、ジャケットを着る感覚で着用することができます。

素材としてはコットンを使用しており、モッズコートに良く見られる少しごわついた物になっています。撥水性はあまりありません。

エポレット、フラップポケット、比翼仕様などは源流通り。ドローコードは本来は裾には付いていていますが購入した物は付いておらず、腰には元々付いていません。

ジップは上下の両端を開閉できるダブルジップ仕様です。ビッグシルエットにしたい場合は下のジップを上げたらボリューム感を出すことが出来ますが、いかんせん細くて着丈もそこまで長くないので全締めでIラインを作ることを推奨します。

ライナーは取り外しができず、裏地の防寒性としても真冬には少し頼りない素材です。

フードは着脱ができませんが、ファー部分はボタンで取り外しが可能です。ブランド物のモッズコートはフード着脱出来ずファーが着脱できる仕様が多いです。ちなみにファーはラクーン(アライグマ)を使用しています。

毛質はいいですが、少しチクチクします。ファーの大きさも大きすぎず、小さすぎないものになっています。

フィッシュテールの仕様にはなっていますが、着丈はそんなに長くありません。

真冬向きではないが、コーディネートは組みやすい

こちらは細身のアイテムになるので、中に着込むことが難しいです。その上、裏地がものすごく頼りないので真冬の着用は不向きです。しかし、こちらのアイテムでコーディネートをする場合、すごい楽チンです。

このように前を閉めてしまえば、残りを考える部分は靴とボトムスぐらいです。ファーが顔まわりにあるおかげで、小顔効果もあり、ストールなどの小物を使う必要もありません。また、細身で色はカーキ色、着丈長いといった特徴から、ドレス寄りのカジュアルと捉えてコーディネートを組んで頂ければいいです。

こちらは少し応用ですが、例えばこのように、インナーにはシャツとネクタイを着用し、モッズコートの前を閉めてシャツとネクタイが見える面積を減らします。ここに、黒のスキニーパンツ、コンバースのハイカットを合わせて頂ければUKスタイルの完成です。

なかなか普段着でネクタイを着用している方っていないですし、いざネクタイを付けてみたとしても仕事帰りのような印象を与えてしまいます。そのシャツ+ネクタイスタイルの見える部分を狭くしてあげることでドレス過ぎるイメージを緩和してあげるといった手法です。

もともと、モッズ達はスーツの上に大きめのモッズコートを着用していました。まあ私が購入したモッズコートでは下にスーツを着込むことが出来ないという点もありますが、考え方としてはそのスタイルに近いコーディネートになります。

細身だが合わせやすく簡単にUKコーデに

源流の物の物より細い作りなのでビッグシルエットでコーディネートを組む事は難しいですが、仕様は源流に近いデザインで、コーディネートも簡単に組むことが出来ますのでよかったらぜひ細身のモッズコートを手にしてみてください。

ちなみに定価は税込4万1040円ですが、古着屋での定価は税込6480円でした。ご参考までに。

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2019.02.09