レアセルの細部に配慮が行き届いた極上のカットソーをレビュー

ショップの店頭には続々と秋物が並びつつある中、春夏のアイテムがいよいよ売りつくさんばかりの勢いでセールにかけられていますね。セールを経てもなお残っているものの多くは、市場に受け入れられるだけの価値がなかったのかもしれません。

しかしわずかながら、ブランドの知名度のためか生産量を間違えすぎたためか、良品であるにもかかわらず今なお残っているものもあります。今回はそんな“お宝”アイテムのひとつである、レアセルのカットソーをご紹介します。

注目を集める首元のボリューム豊かなデザイン

レアセルは全国のセレクトショップに商品を卸しているものの、実店舗は大阪にある1店舗のみ(2017年8月4日現在)ということで、まだ“知る人ぞ知る”ブランドかもしれません。

しかし個性的な遊び心が楽しめるアイテムの数々に、既に多くのファンがついている実力派ブランドです。さて、このカットソーの魅力はフェミニンともいうべき上品なシルエット。それを作り出している一番のポイントは、首元のデザインです。

交差した布が首元をスヌードのように包み込み、ボリューム感をもたらしています。首元はもっとも注目を集める部分のひとつ。ここにボリュームを作ることで、相対的に顔が小さく見える効果が生まれ、結果としてスタイルがよく見えます。

(首元の布を伸ばすとこうなります)

同じく布を伸ばして後ろから見るとこんな形。首元にボリュームがある代表的なアイテムといえばパーカーですが、パーカーはそもそもカジュアルなもの。その点、このカットソーは小顔効果を発揮しながらも、パーカーよりもドレス感のあるアイテムと言えます。
※ドレスとカジュアルについてはこちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

配慮の行き届いた“先端部分”が演出するきれいなシルエット

「首元はもっとも注目を集める部分のひとつ」と上述しましたが、他にも注目を集める部分があります。それは裾と袖。つまり服の先端部分です。このカットソーは、この2点いずれにもちょっとした配慮が行き届いたデザインになっているため、体型を美しく見せてくれます。

まず裾について。両サイドに前側4cm、後ろ側6cmのスリットが入っています。このスリットのおかげで裾が広がり、その上にある部分(=腰)が相対的に細く見えることでシルエットを美しく演出してくれるのです。

続いて袖について。このカットソーは七分袖のため半袖に比べると「ドレス感が増す」というのも利点ですが、それ以上に重要なのは袖が肘のあたりにフィットすること。男たるもの、貧弱に見えるよりはたくましく見える方が当然望ましいわけですが、鍛えていない腕の周りで袖がひらひらしていると細腕が強調されてしまいます。

その点、肘周りは腕よりも太いため袖のひらひらが低減されるので、一見して細腕とは気づかれにくくなるのです。なお、このアイテムは生地に伸縮性があるためか、肩幅が若干細めの設定。

なので筆者はLサイズを選びました。それでも肩幅43cmです。身幅は52cmとややゆったりめ。着丈は70cmで、身長178cmの筆者の腰が程よく隠れる程度です。

着心地のよい素材は毛玉との闘い

このカットソーのフェミニンともいうべき上品な印象は、素材によるところも大きいです。ポリエステル65%、レーヨン35%で構成されているためストンとした落ち感があり、シワがつきにくい上に程よい艶感があります。

ただ、もともと春先に着ることを想定されたアイテムのため、真夏に着るには若干暑く感じられます。なお、白いカットソーといえば“透け”が気になるところ。実のところ、このカットソーは後述する“一定条件”においては透けます。

ただし、首元の立体的なデザインゆえに胸元あたりは布が密着せず、結果として乳首が透けるような心配はありません。しかし“透け”とは別に、レーヨンは水分で痛みやすい素材でもあるので、下に薄手のTシャツ等を着込んだ方が無難です。ますます真夏には不向きですが。

さて、この素材の注意点として、毛玉ができやすいところが挙げられます。ポリエステルとレーヨンは、着心地の面では大変優秀な組み合わせである一方、毛玉という視点からは相性最悪。

耐久性の異なる素材が組み合わさることによって、とても毛玉ができやすいコンビネーションになってしまっているのです。裏返して洗濯ネットに入れて、他のものと分けて単独で「手洗いモード」で洗う、というくらいの意識でいた方が無難。

ドライクリーニングを活用するのも一手です。このようにケアには正直手がかかるのですが、手がかかる子ほどかわいいものです。なお、筆者は意識が足りていなかったため、毛玉の洗礼を受けてしまいました。どうぞご注意ください。

上に下に、重ね着で楽しもう!

このアイテムは、単品で着るだけでも十分ステキですが、重ね着することでまた魅力を発揮できるスグレモノです。上からジャケットなどを羽織ると首元のデザインが際立つことで、要素はシンプルなのに地味な印象にはなりません。

一方で、「一定条件で透ける」と上述しましたが、“白ベースの柄もの”を下に着ると透けます。例えばボーダーのTシャツ。写真では見づらいかもしれませんが、うっすらと全体が透けています。

カットソー単品のシンプルで上品なイメージは損なわれるかもしれませんが、ボーダーのインパクトが緩和されることで、おもしろい見え方になっているともいえます。これがロゴやイラストだと、ただ「透けていてだらしない」イメージにしかなりませんが、ボーダーのような柄物であれば、このカットソーにアクセントを加えることができそうです。

なお、このカットソーは白以外に青と黒の3色展開。青と黒の現物を見ていないので未確認ですが、おそらくこの“透け感”を楽しめるのは白だけの特権でしょう。

残りわずか。無くなる前にゲットしよう!

このカットソー、定価9720円のところをセール価格6804円で入手できる(2017年8月4日現在)今がチャンス。これからの季節に使い勝手がよい上に、まだ知らない人も多いブランド「レアセル」の商品ということで、周りとの差別化にもぴったりです。

この記事を読んで気になったなら、迷わずポチリしちゃいましょう。この機会に、実力派ブランド「レアセル」の魅力に触れてみてください。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。