レンドの革靴は革質と履き心地にこだわった逸品!

素晴らしい革靴とはどんなものでしょうか。主観ではありますが、私は「レザーの質」「デザイン」「履き心地」の3つが素晴らしい革靴の要素だと思っています。その3つを高いレベルでクリアし、4万円代とギリギリ手に取りやすい価格で提供しているのが「RENDO」の革靴です。

実際に浅草にあるお店に行って代表の吉見さんにフィッティングしていただいて選んだGB001。その魅力をお伝えします。

データに基づいて作られた日本人の足に寄り添った木型


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革靴の履きやすさとデザインを決定づけるのは木型といっても過言ではないくらい重要なものです。革靴はかかと、足の甲、土踏まずの3点で固定できると良いとされています。

安い革靴を履いてみると、甲はフィットするけどかかとが緩かったり、土踏まず部分のホールドが無かったりすることが多々あります。それはなぜか、靴を作る機械に合わせて木型を作っているからです。

人の足というのはとても複雑な形をしています。人の足に合わせて作った複雑な木型を使って機械で靴を作るのは大変なことです。ですから簡単に、大量に生産できるように、木型が機械に合わせて作られた結果、人の足に合いづらい靴の形になってしまったのです。


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もちろん例外もあるはずです。その1つが「RENDO」の革靴でしょう。「RENDO」の木型は日本人の甲高幅広といった足の特徴を踏まえて、たくさんの人の足を採寸し得られたデータから木型を作り上げています。

まさに日本人の足のために作られた木型です。足の形は人によって違うので合わない人ももちろんいると思いますが、大抵の人が素晴らしいフィット感を得られるはずです。

「買いたい!」と思わせてくれたフィッティング


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実際に浅草にある「RENDO」に行って代表の吉見さんにフィッティングしていただきました。私の足は甲高幅広なので典型的な日本人の足型と言えるでしょう。足の長さの実測が24.5cmで幅が広いため、サイズ7(25cm)を勧めていただいて履かせていただきました。


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履いた印象はボールジョイント部分が若干窮屈でしたが、土踏まずと甲がしっかりとホールドされていて、かかとも小さめに設計してあるので遊びがなく、まさにジャストフィット、足と靴が一体になっているといった感覚でした。

この時私は「4万3000円(+税)でこの履き心地は安い」と思いました。4万円の革靴というと高級靴の部類に入ります。しかし、我慢してお金を貯めればギリギリ手の届く範囲です。「頑張ってお金をためて買いたい!」そう思わせてくれる履き心地でした。

レザー製品なので伸びるということも考慮し、若干きつめのサイズ7を購入させていただきました。Amazonでも買うことができるので、地方の方にも手にとっていただけます。

できるなら浅草のお店に行ってフィッティングしていただき、一回足を通してみることをお勧めします。

職人が「連動」して靴は作られる

RENDOの革靴はなぜ高級靴の中でも4万円代と比較的低価格な値段を実現できたのでしょうか。その秘密は靴の生産方法にあると考えられます。靴の生産過程は大きく分けて3つに分けることができます。

はき心地を決める木型を作る職人、木型に合わせたレザーを裁断するパタンナー、そしてそれらを使って2次元的なパターンから3次元的な靴を作り上げる工場の大きく3つに分けられます。


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誰かがこだわりすぎてしまったらどこかでうまくいかない。お互いがバランスを取り合い「連動」して、初めて靴というのは出来上がるのです。この「連動」がブランド名である「RENDO」の由来になっています。

木型とパターンの作成をRENDOの代表である三吉さんが担当し、工場は三吉さんが働いていた場所でもあり、工房の近くにあるセントラル靴工場が生産、木型職人、パタンナー、工場が「連動」しているため、信頼感、コミュニケーションにおいて良い関係を築けていると言えます。

そういったことから素晴らしい品質をなるべく安い価格で提供できているのではないかと思います。

カジュアルな見た目だがスッキリとした印象

前置きが長くなってしまいました。次は見た目に入って行きましょう。見た目はUチップのトゥが丸く、外羽根のカジュアルな革靴です。トゥが尖りすぎることなく、カジュアルすぎることもない。一言で表すなら「肩肘貼らない自然な美しさ」といったところでしょうか。

J.M.WESTONの代表作であるGOLFのオマージュとも言えるでしょう。レザーは国産のカーフレザーを使用しています。写真から見てわかるように、とてもきめ細かく、ツヤがあります。触ってみるともちもちと弾力があり、しなやかな印象です。

しかし、よく見るとGOLFと違う部分が有ります。それがかかとの方まで伸びた羽根です。かかとまで羽根を伸ばすことで、見た目も靴を履いた際もスッキリとした印象に見えます。また、レザーを贅沢に使っているようにも見えるので、高級感も感じられます。

上の写真は右足を後ろから撮ったものです。履き心地に重要な土踏まず部分がぐっとくびれているのがわかると思います。このアーチが土踏まずを支えてくれます。

手作業でなく機械生産で土踏まずのアーチを作ることはとても難しいことです。木型の良さと工場の技術力の高さを感じ取ることができます。

ソールはリッジウェイソールで溝が深く、ラバーなので悪路もガンガン進んでいくことができます。

ヒールの立ち上がりも滑らかで、アキレス腱部分に噛み付いてくることもありません。かかとの収まりが良く、ライニングがスエードなので摩擦力が向上し、かかとの抜けも気にならない設計です。

縫製もピッチが短く丁寧で、直線的なステッチングでもうねりがありません。かかと部分の屈曲がある場所も綺麗に縫われています。

トゥのモカシン部分も綺麗に縫われています。屈曲部分はモカ割れが起きていますが、それ以外の場所はモカ割れしそうな気配が全くありません。

製法はグッドイヤーウェルト製法を用いて作られています。修理が可能な製法なので、ソールが減っても交換することで長い年月をともにすることができます。ソールを縫うためのステッチも一周ぐるっと細かいピッチで丁寧に縫われています。

履き込んで感じたさらなる良さ

いかに足入れ時の印象が良かったとしても、使わないと本当に良いかはわかりません。購入から3日に1回のペースで1ヶ月半ほど履きこんで感じたこと、気づいたことをお伝えします。

新品時のGB001は足幅の一番広い部分であるボールジョイント部分が比較的狭く、窮屈な印象でした。しかし、履き込んだことにより自分の足に馴染むかのようにボールジョイントの部分が伸び、窮屈なストレスを感じにくくなりました。

写真を見てみると、ボールジョイント部分が伸びたことによってさらに表情がついています。窮屈だったにもかかわらず、履いている際に痛みはありませんでした。

今まで革靴を履くとどこかが痛むものだと思っていましたが、木型の設計とレザーのしなやかさは履き心地にとても重要なのだと痛感しました。

レザーインソールも履きこんだ結果自分の足に合わせて沈み込んだので、履き始めからあった土踏まずのフィット感がさらに良くなりました。まさに自分の足に合った靴に少しずつ変化してきたという印象です。

フィット感があると他にも色々なメリットがあります。1つは足にたくさん汗をかいてもしっかりと吸収してくれる点です。先ほどの写真を見てみると、インソールとライニングはもちろん、タンの裏側にもレザーを使用しているので吸水性にも優れています。

おかげで足に水分をあまり感じることがありません。給水してくれた分、2、3日ほどシューツリーをつけて乾燥してあげることが大切です。

2つ目はソールが綺麗に削れていくことです。サイズの合ってない靴や、歩き方が悪いとソールが綺麗に削れていきませんし、減りも早いです。「RENDO」の靴は足との一体感があるので、歩き方が悪くなければソールも綺麗に削れていきます。

また、革靴ですとソールが固い分、長時間立っていることは疲れますが、歩く分にはむしろ足にテーピングをしたような感覚で、疲れにくい印象です。

唯一の悪い点は、レザーにシワがつきやすい点です。このモデルはUチップでカジュアルな革靴なので、履きシワが入る分にはむしろ味になりちょっとした貫禄が出ます。

しかし、この弱点はパターンオーダーによるレザーのアップグレードで改善できる可能性があります。フランスの有名タンナーであるアノネイのカーフやスエードのスーパーバックなど、色々なレザーを選ぶことができ、その中から悩むのもまた一つの楽しみです。

私はすでにプレーントゥの革靴は持っていたので、今回はカジュアルなUチップのGB001を選びましたが、履き心地の良さから今持っているものから買い替えを検討するほどです。

もちろん上を見ればさらにいい靴はあるはずです。しかし、比較的低価格ながら普段履きの靴としてこれほどバランスのいい靴は無いと思います。RENDOは2013年に始まったまだ新しいブランドです。

これからの飛躍をこのGB001とともに見守りたいと思います。

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