プロダクションオブファウンド×レショップのジャーマントレーナーはダンスシューズのような上品さ

REPRODUCTION OF FOUNDとL’ECHOPPEがコラボしてできたin side out germanはとてもエレガントな白スニーカー。インサイドアウトという名が示すとおり、アッパーを裏表逆にしたジャーマントレーナーです。筆者は裏返しにしただけで何が変わる?と思ってしまったのですが……店頭で履いた時、その考えは一転しました。たかが裏返し、されど印象は大違いなのです。

シルエットをチェック。全体に細身な使いやすいフォルム。

全体の印象としては、ぐっと細身な白スニーカーといったものです。このアイテムはジャーマントレーナーと呼ばれるトレーニング用の軍用スニーカーが原型にあるのですが、ジャーマントレーナーはスニーカーの中でもすこし大人っぽい雰囲気があります。これはミリタリーのアイテムにみられる特徴の一つですが、軍用に、トレーニング用に、と作られただけにデザインはシンプルで無駄のないものになるという背景があります。ジャーマントレーナーも例に漏れず、原型の時点で細身のシンプルなデザインのスニーカーとなっています(ミッション時のスニーカーが派手で大ぶりのデザインであれば目立って仕方がないでしょう)。

翻ってこのアイテムはREPRODUCTION OF FOUNDがジャーマントレーナーをさらに現代的に再現させたもの。原型からさらに細身にデザインされています。しかしジャーマントレーナーから大きく違和感が出るような変更ではなくあくまで街着に沿うようリデザインしているところに好感が持てます。

今回筆者が選んだサイズは42(日本サイズ27相当)です。足の実測は25cmなのでいつもスニーカーは26~26.5cmを選んでいます。このアイテムは細身なのでいつものサイズでは少し横幅がきつい可能性があります。実際筆者も縦幅は余っているのですが、横幅のフィット感が強いためワンサイズアップの42サイズに決めました。紐でぐっと締めれば浮くこともありません。また、ワンサイズ程大きめを選ぶことで縦に長くなるので相対的により細身に見せることもできます。ここは履き心地と見た目の好みから選びましょう。

(薄く細いのでボリュームを感じにくいフォルム)

白スニーカーは白が膨張色だけに目立ちやすいスニーカーです。さらにメンズのボトムスは黒が多いですから、合わせるときも目立ちやすい(もちろん狙って目立たせる着こなしもあります)。それだけにボリューミーな白スニーカーは合わせるのが難しいと言えます。白スニーカーにぴんとこない方はまず細身の白スニーカーから試すのがいいでしょう。このアイテムはボリュームのないぺたんとした印象が強いので着こなしの難易度も低いでしょう。

ディテールをチェック。インサイドアウトは効果ばつぐん!

このスニーカーの最大の特徴はインサイドアウトであるということ。インサイドアウトとは内側にあるものを外側に出してしまう手法のこと。シャツなどで言えば裏表逆にすれば布の縫い目はぎ合わせが見えてしまうので一般的にはカジュアルに見える手法ということです。

この手法をジャーマントレーナーに適用したのがこのアイテムです。写真をよく見ると本来なら別の革が当てられている場所に縫い代が見えていることがわかると思います。つまり通常のジャーマントレーナーのアッパーをぐるり裏表反転して縫い付けたようなデザインということです。

(スニーカーの内側。実はきちんと革が内側に当てられているというこだわりっぷり)

一見すると遊び心でしかないように思えるのですが……これ思った以上に見た目に影響します。インサイドアウトはカジュアルに見える手法と説明しましたが、このアイテムにおいてはよりドレッシーに、エレガントに見えるようになっています。裏返したことで革の切り替えが分かりにくくなるのでよりシンプルに見えます。また、薄く細いフォルムも相まってまるで白いレザーのダンスシューズのような印象に。足を通すとよりくたっと高さがつぶれるのでその印象を加速させているのでしょう。しかし縫い代のディテールはしっかり反映されているので地味な印象にもなりにくい。スニーカーであるという印象はきちんと残しながらもエレガントに表現された複雑なバランス感を保っていると感じます。

サイドの見た目も細身の印象を与える理由の一つでしょう。かかとのから履き口にかけて急峻に切り下がっていることで対比が生まれ、アッパーを実寸以上に薄く見せています。カバーソックスが見えそうになるのは少し困りますが笑、補って余りあるデザインと言えます。また、ソールはガムソール。ここはガムソールであることでスニーカー然とした印象を与えるので筆者は気に入っています。ドレッシーにするのであれば色をそろえるなどのアプローチもありますが、このアイテムの場合においてはやりすぎになるでしょう。スニーカーらしい印象やクラシカルな雰囲気を守るためのガムソールと筆者はとらえています。

(インソールの文字どころかパッケージの箱の印字まで反転させている。ここはデザイナーの遊び心)

素材をチェック。リアルレザーであることの是非は?

アッパーは柔らかい牛革を使用しています。履いた時にも感じますが、くたっと馴染んでつぶれるのでアッパーの高さがより低くボリューム感が減って感じます。これは馴染みやすいリアルレザーを使用するメリットと言えます。履きこめばさらに足に馴染んでフィット感が出ることでしょう。しかし合皮のような耐久性や扱いの容易さはないので注意を要するところです。筆者の意見としてはこのアイテムはリアルレザーの方が魅力を最大限に発揮できるアイテムだと思っています。リアルレザー特有の柔らかさがエレガントな見た目を後押ししている面があると考えています。

REPRODUCTION OF FOUND×L’ECHOPPEのin side out germanは2万5920円(税込)。白スニーカーとしてはなかなか値段が張るのですが、その分ぐっと差別化できるアイテムです。足元は特にコーディネートでも目につきやすい部分。ここに投資してコーディネートを格上げするのも一つの選択肢だと思います。一度履けばそのエレガントさに虜になるでしょう。おすすめします。

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