冬の寒い日には、ダウンコートが必須です。ダウンの量が多いほど暖かさは増しますが、それに伴い、上半身には過剰なボリュームが生まれ、また、ダウンは水に弱いという欠点があります。
そこで、パタゴニアやノースフェイスといったアウトドアブランドでは、水に強くダウンと同じくらい保温性がある人工羽毛のプリマロフトという素材を使用することがあります。今回、このプリマロフトを使った街着用のコートを購入したので詳細をレビューいたします。
モコモコしすぎず、絶妙なゆったりしたシルエット

プリマロフトという聞きなれないと素材は、アメリカのALBANY社が開発した、羽毛に代わる超微細マイクロファイバーです。パタゴニアやノースフェイスの防寒着の素材として使われ、筆者も、冬山の防寒着として、パタゴニアのナノ・パフ・ジャケットを持っています。
ダウンが冬山に向かないのは、水に濡れてしまうと、ダウンが持っている空気のすき間(空気層)がなくなり、保温効果が失われるからです。

一方、プリマロフトは耐水性があるため、万が一、水が防寒着の中に入り込んでも、保温効果を維持します。また、軽量でコンパクトに折りたためるので、登山リュック(ザック)に入れてもかさばらないという特徴があります。
パタゴニアのジャケットは、登山用途なので明るいブルーを購入しました。街着としてはなかなか着こなせず、普段はタンスの中で眠っています。
筆者はスーツ出勤のため、「プリマロフトを使った軽量で暖かいロングコートで、休日、平日を問わず、着用できるものがあればな」とシップスのステントカラーコートを試着してしっくりきたので購入しました。
シルエットがダウンコートに比べて、スッキリしている点が気に入りました。かといって、細みすぎず、適度にゆったりとしているので、スーツを着ても動きやすいのがポイントです。
裾が広がって合わせやすいステンカラーコート

襟付きのシンプルなステンカラーコートです。ステントカラーコートはシンプルなので、いろいろなコーディネートと合わせやすいです。
チェスターコートと比べて裾が広がっているものが多いです。チェスターコートは着こなしの難易度が高いですが、それに比べると、ステンカラーコートははおるだけでも全身のバランスが整いやすいでので着まわしやすいといっていいでしょう。

首元までボタンがありますが、一番上のボタンを閉めると少し窮屈な感じがしますので、普段は上のボタンは閉めずに着ています。襟がついているので、マフラーなしでも首元にボリュームがでて、さまになります。
正面は比翼仕立てになっていて、正面のボタンを閉めるとボタンが隠れるのでよりスッキリとした印象となります。風が強く寒い日は、ボタンを閉めると冷たい風が入らず、より暖かいのでよくボタンを閉めて着ています。裏面は、袖の部分に切れ込み(スリット)がありませんが、裾が広がっているので動きにくさはなく、着心地もよいです。

外側の両サイドにはポケットがついています。ポケットにはボタンが付いており、物を入れてボタンを閉じておけば物を落とす心配もありません。内側の両サイドの胸のあたりに内ポケットがついていますので、ちょっとした小物も入れられます。
内側のポケットはボタンではなく、ファスナーとなっており、開け閉めが簡単です。腕の部分は、肩から袖にかけて細くなっており、袖もとがスッキリしてますので、袖が邪魔になることはなく、快適です。
落ち着いたカラー

カラーは2色展開。ダークグレー、ベージュです。ダークグレー、ベージュとも光沢が少なく、マットな風合いで落ち着いた色味で大人っぽい印象を与えてくれます。筆者は黒系のコートを探していたので、ダークグレーを購入しました。
ダークグレーはボタンが黒で全体がダークトーンですが、コートの側面の左側の腰の部分からプリマロフトのロゴが入ったタグが出ています。このタグが赤なので、ダークグレーの色味の中で目立っています。ブランドのロゴではなく、素材のロゴですが気になる方はタグを切るとよりシンプルになります。
ダウンコートよりボリュームがなく軽いが、暖かく快適

筆者は173cm、52kgの体型で、Mサイズを購入しました。Mサイズは着丈100cm、ゆき85cm、ウエスト131cm、Lサイズは着丈102cm、ゆき87.5cm、ウエスト134cmです。袖は腕を下ろした状態で親指の付け根が隠れるくらいです。
裾はひざに少しかかるくらいの着丈となり、全体のバランスがよく見えたので選びました。素材は、表地ナイロン100%、裏地ナイロン100%、袖裏地ポリエステル100%、中わたポリエステル100%です。パタゴニアのジャケットは、登山のたびに洗濯機でガンガン洗っても保温効果そのままで快適に使えています。
しかし本製品の洗濯表示を見たところ、家庭の洗濯機で洗えずドライクリーニングのみとなっています。プリマロフトは人工羽毛なので、シップスのステンカラーコートも家庭の洗濯機で洗えることを期待していましたが、この点は注意が必要ですね。

ダウンを使ってるコートやジャケットは、洋服全体にダウンの量を均一配置されるように、縫い目が多くなっているものがあり、表面の生地にもよりますが、内部の羽毛が生地のすき間から抜け出てきてしまうことがあります。
黒色の生地のダウンジャケットを着用していたことがありますが、羽毛が白なので目立って手入れが大変でした。その点、プリマロフトは人工羽毛なので、シップスのステンカラーコートも、パタゴニアのジャケットも今のところ、内部から抜け出てきていません。
パタゴニアのジャケットは、冬山に登るたびに洗濯しているので相当使い込まれてますが、全く内部の素材が抜け出てきてはいません。また、プリマロフトは化学繊維のため、羽毛のように動物性たんぱく質を含みません。そのため、羽毛にアレルギーがある方や羽毛の独特の臭いが気になる方にもオススメです。

価格は、2万5920円(税込)。筆者はパタゴニアのジャケットで軽さは感じていましたが、プリマロフトを使ったロングコートに袖を通すのは今回がはじめてでしたがロングコートでも軽くてびっくりしました。とても軽く暖かいので、ぜひ試着してみてください。
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