一年中履けて、着脱しやすく、歩きやすい靴スリッポン。便利な上ストリート感があり、シンプルなデザインのためどんな服装にもなじみやすい定番アイテムです。特にダークカラーになりがちな秋冬には、白いソールのスリッポンは取り入れやすいものです。
多くの方が着用しているスリッポンですが、オシャレ靴として考えた場合、多少気になるところがあります。それは、安っぽさと野暮ったさ。スリッポンは、シンプルなデザインゆえに安っぽさが出やすいものです。
また、機能性を重視するために、シルエットが太めになり、野暮ったい印象になりがち。オシャレ靴として、というよりも日常靴として使用されている方も多いのではないでしょうか。
そんな安っぽさ、野暮ったさを解消し、オシャレ靴として着用できるスリッポンが、今回紹介するSLACKのCALMERです。
ブランド名:SLACK
商品名:CALMER
価格:6480円(税込)
スリッポンらしからぬ細身のシルエット
なぜスリッポンが野暮ったいのか。その原因は、シルエットにあります。
世に出回っているスリッポンは、足幅が広い日本人が履きやすいようにアッパーがやや広く、歩いた時に踵の安定や足のフィット感を出すためにサイドやかかと部分が厚めになっています。アッパーが広く、サイド及びかかと部分が厚くなっていることが野暮ったさの原因と考えられます。
SLACKのスリッポンは、アッパーが細めに、サイドは薄いデザインのため、スッキリしたシルエットとなっています。このシルエットにより、野暮ったさを解消しています。
意匠を凝らした構築的なデザインで安っぽさの解消
次にスリッポンがなぜ安っぽく見えるかというと、シンプルなデザインが原因と考えられます。デザインがシンプルになると、素材の影響が大きくなります。革素材のような、素材そのものに高級感があるならばよいのですが、キャンバス生地には高級感はなく、そのためキャンバススリッポンは安っぽくなってしまいます。
では、なぜSLACKのスリッポンには安っぽさを感じにくいかというと、自然で嘘っぽくならない程度の意匠が施されているからです。
これは、アッパーのサイドの写真です。丸く反射しているリフレクターデザインが施されています。このリフレクターデザインがあることで、さりげなくオシャレ靴ですよと主張しています。
また、このアッパーの素材と異なり、リフレクターデザイン部分は反射した素材となるため、切り替えとなり、何もないアッパーと比べ細身に見える作用があります。
後面は、着脱しやすいように両端黒、中心がグレーのストラップがついています。このストラップがついていることで、後ろから見た時のアクセントの役割を果たしています。
また、このストラップがなければ、後ろから見た場合かかと部分は横長になりますが、ストラップがあることでキャンバス部分は左右に分かれるため、より細く見える効果もあります。
また、ちょっとわかりにくいですがSLACKと書かれたゴムの切り替えがついています。アクセントとしての役割もありますが、上述のリフレクターデザインと同様、厚くなりがちなかかと部分を、キャンバス生地とゴム生地の切り替えにより、薄く見せる効果があります。
さりげないデザインのおかげで安っぽさを解消し、切り替えによる視覚効果でシルエットづくりにも貢献しています。
スリッポンらしさ、歩きやすさはソールにあり!
ただただ大人っぽいスリッポンにするのであれば、ソールを薄くし、黒で統一すればいいのですが、そうすると歩きやすさは損なわれ、地味になってしまいます。
このスリッポンのいいところは、大人っぽいけど、スリッポンらしいカジュアルさもあり、歩きやすいところです。それを支えているのがソールおよびインソールです。
このソールは白色、厚さは2.7cmで、コンバースのオールスターのソールと同じ厚さです。決して薄くはありません。それ故、スリッポンらしいカジュアルさがあるのです。
また、クッション性のあるインソールが挿入されています。これにより、歩行時の衝撃吸収ができ、長時間の歩行も問題ありません。筆者は、一日中このスリッポンで街を歩いたこともありますが、その際も非常に快適に過ごすことができました。
実際使ってみて
このスリッポンを購入して、10回ほど使用しています。うち2回は、1日中履きましたが、歩き心地は前述のとおり、クッション性のあるインソールのおかげで申し分ありません。しかし、このスリッポン問題点がないわけではありません。
歩くとき人は、足の指の付け根の関節が屈伸を繰り返します。そのたびに、ソールは反って戻ってを繰り返すことになります。そのたびにアッパーとソールの継ぎ目はストレスにさらされることになります。
それが、このスリッポンではちょうどリフレクターデザインの部分にあたり、10回の使用でアッパーとソールの継ぎ目が少しはがれてきました。
また、もう一点、着脱時および歩行時にストレスがかかる場所、それはゴムの部分。足を入れる時には履き口を広げなければなりません。その際にゴムは最大限広がります。
また歩行時にも、甲は上がり下がりを繰り返すため、ゴムの部分はその都度伸び縮みを行っています。このゴムの部分も10回ほどの使用で、画像のとおり少し伸びてきました。
しかし、使用する分には全く問題なく、ソールが反っていなければ、継ぎ目のはがれも目立ちません。ゴムの伸びも履いていない状態でじっと見ればわかる程度で、履いている状態では全く気になりません。しかし、何年も使える代物ではなさそうです。
ちなみにサイズですが、筆者はコンバースのオールスターは27.0cm、アディダスのスタンスミスは、26.5cmを履いていますが、このスリッポンは、27.0cmでジャストでした。やや細身の作りですし、スリッポンのためジャストなサイズ感が望ましいと思います。
お近くに取扱店があれば試着するか、返品可能な通販を利用し、実際に履いてみられることを推奨します。
まとめ
構築的なデザインとシルエット、スリッポンらしいカジュアルさと大人っぽさを兼ね備えたスリッポンは、探してみても見つけ出すのはなかなか難しいものです。筆者は、かなり気に入っている上、どんなスタイルの服装にもすんなり馴染んでくれるため、ヘビロテしています。
特にドレスに傾倒しがちな秋冬には、程よいカジュアル要員として活躍してくれています。
※ドレスとカジュアルのバランスについてはこちらをご参照くださいhttp://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810
耐久性には多少難ありですが、価格も6千円台とお手頃。この見た目と履き心地を考えると、コスパもいいのではないでしょうか。おすすめです。