コーディネートにおいて、下半身は印象を整える土台です。なかでも靴は、人の目のとまりやすい先端に位置する重要なアイテム。ただ靴は中々やっかいなところがあります。暑さ寒さはある程度、服の脱ぎ着で調整が可能ですが、靴は出かけたらその日中変えることができません。
そのため、100%見た目重視で足に合わない靴を履くわけにもいかず、かといって履き心地重視でカジュアルなスニーカーを選んでしまうと、途端に子供っぽい印象が強くなり、コーディネートのバランスを崩してしまいます。常に必要でありながらなかなかセレクトが難しいアイテムであるシューズ。
ですが、今回は見た目と機能性を両立させたハイブリッドなアイテムとして、SLACK(スラック)のEX.CALMER LX SLIP-ONを紹介します。
素材と耐水性

まずはアッパー部分の素材です、一見レザー調。ですが本革ではありません。また、普通のフェイクレザーでもなく、素材には「マイクロファイバーレザー」が使用されています。これは文字通り、極細の繊維によってレザーの構造を模倣した、高品質な人工皮革のことです。
「普通のフェイクレザーとどこがちがうの?」と思うかもしれませんが、一番は通気性です。フェイクレザーは基本的にレザーの見た目や質感を再現していますが、こちらはさらに本革のような通気性の良さまで再現しているそうです。筆者自身、ぴったりサイズで長時間履いていても蒸れる印象を持ちませんでした。
繊維レベルで本革の質感や風合いに近づけたこういった素材を通常のフェイクレザーとは区別し、自然保護の観点から「ヴィーガンレザー」とも一部ではいうようです。

さらに、マイクロファイバーレザーは水や雨にも強いという特徴があります。「通気性が良いのなら雨や水にも弱いのでは?」と思うかもしれませんが、高密度の材質が水を浸透させず、弾いてくれます。
また本革だと雨ジミになってしまったりとケアが大変だったりしますが、こちらはサッとタオルで拭くだけで大丈夫です。筆者は濡れたまま乾くまで放っておきましたが特に問題ありませんでした。筆者自身、かなり激しい雨の際に履いていましたが、表地から浸水するようなことはありませんでした。
足馴染みもよく、リアルとフェイクの良いとトコ取りをしている高機能素材といえるでしょう。またアッパー以外のアウトソール部分などの素材はゴム。インソールもしっかりとクッション性があり、履き心地も良好です。
細かな配慮がひかるシルエット

シルエット自体は一般的なスリッポンと変わらないようにも思えますが、ところどころに細かな配慮が見て取れます。先端のトゥ部分がやや細身になっており、スリッポンにありがちなボテっとした印象を消してくれています。
また筆者は実物を見て、気づいたのですが、アウトソールとアッパーをつなぐ部分。この部分が斜面になっているのです。このため、上からだけではなく、横から見た際のシルエットもスッキリとした印象に。

「たかが」と思うかもしれませんが、スリッポンは気軽に履けるカジュアルスニーカーの極み。紐などの装飾もないため、逆に自分で手を加えることができません。革靴のようなスマートさとスニーカーの気軽さを丁寧に創ったとしている意識が感じられます。
サイズ感とカラーバリエーション

サイズは0.5cm単位にて用意されています。筆者はコンバース オールスターが26.5cm(26cmはきつくて入らず)、1㎝刻みのGUのシューズでは、ものによって26㎝か27cmを選択していますが、こちらは26cmがジャストサイズでした。
ぴったりすぎるかな、とも思ったのですが、紐で調整できないスリッポンのため、ジャストを選択。最初は歩いていて、小指と薬指の部分に先端が細身なこともあり、若干窮屈さを感じて「0.5cm、上でも良かったかも」と思いましたが、数日履いたら足になじみ快適に。
結果間違いないサイズ選択でした。そのため、ある程度足馴染みも考慮し、ジャストサイズを選択して良いかと思います。カラー展開はアッパー部分が、ブラック、ホワイトの二色(アウトソールはともにホワイト)とさらに、アッパーがブラックで、ホワイトのアウトソールの前後に黒のラバーを配置したものの3パターンが用意されています。
履き心地や素材感でいえばどれも変わらず良品。ただアウトソールの前後に黒のラバーが配置された、今回紹介している 【SLACK】EX.CALMER LX (SLIP-ON) はアウトソールの厚みを感じさせず、よりコーディネートしやすいかと。こちら公式サイトにて価格は8532円(税込)。長い付き合いのできるシューズとして値段も良心的で、オススメです。