SLACK/スラックというスニーカーブランドをご存じでしょうか? 東京発のオリジナルブランドで、革靴ライクなスニーカーを得意としています。スニーカーの履き心地とレザーシューズのようなカジュアルに寄り過ぎないスタイルを融合させ、幅広く使いやすいシューズを提供してくれています。筆者が愛用しているスニーカーブランドのひとつ。今回はその中でも、STUDIOUS/ステュディオスとのコラボレーションアイテム【SLACK×STUDIOUS】KLAVE U-TIP ML (BLACK/BLACK)を紹介。現代のビジネスシーンにマッチしたスニーカーとなっています。
素材構成
素材は、マイクロファイバーレザー&ラバーとの表記。アッパー部分がマイクロファイバーレザー、ソール部分がラバーとなっています。マイクロファイバーレザーとは、合成皮革いわゆるフェイクレザーのひとつです。ただ、ふつうのフェイクレザーとはちょっとつくりが異なります。一般的なフェイクレザーは、レザー/本革の「見た目」を真似ています。年々、フェイクレザーの質も上がっており、最近では一見して見分けがつかないクオリティのものも。しかし、本革との違いは、通気性。一般的なフェイクレザーは風を通さないため、ムレやすいのが欠点です。GUのフェイクレザーの靴などを見ると、ムレの解消のために小さくサイドに空気穴をいれているものもあったりします。
しかし、このマイクロファイバーレザーは人工素材を用いて、レザーの「構造」までを真似ています。そのため、一般的なフェイクレザーと比べて、通気性が担保されています。オフィシャルサイトの商品説明に「水や雨に強く、イージーケアな一面も魅力」と記載がありますが、雨の日にも濡れるのを心配することなく履くことが可能で、本革のような手入れも不要。もちろん本革のような経年変化はありませんが、柔らかい素材のため、最初から満足いく履き心地を体感できるでしょう。
ディティールと製法
デザインはすでにスラックで展開されている、「KLAVE U-TIP」のデザインがそのまま踏襲。Uチップのアッパーがクラシカルな革靴ライクな印象を際立たせてくれます。しかし、靴底はスニーカーライクなラバーソール。クッション性も高く、見た目とは逆にいい意味でレザーシューズらしさがありません。内側もスウェードタッチな素材が貼られており、脱ぎ履きがしやすくなっており、スニーカーブランドらしい細かい気遣いが見て取れます。
製法にはバルカナイズ製法が用いられているとのこと。「バルカナイズド製法(加硫製法もしくは加硫窯製法)」とは昔ながらのローテクスニーカー、いわゆるコンバースなどでも採用されている製法です。スニーカー本体とソール部の間にまだ固まっていないゴム(未加硫ゴム)を流し込み、特殊な釜にいれ高温で圧力を加えながらゴムを固めていく製造方法。高温の圧を加えながら固めていくことで、異なる素材同士が強力に圧着され、しっかりとした一体化を与えることができます。単純に接着剤でゴム底を張り合わせるよりも、はがれにくいのはもちろんのこと、キチンとスニーカー本体とソールが一体化することでしなやかでやわらかく仕上がります。国内でもごく僅かな工場でしか生産することのできない製法といわれています。
オンオフつかえるビジカジシューズとサイズ感
カラーはアッパーもソールもブラック×ブラックの一色展開。靴紐も黒に統一されており、ムダなカラーリングの切り替えがありません。サイズ感ですが、トゥの部分が細身となっているため、オフィシャルサイトでも「いつものスニーカーよりもワンサイズ程度アップ」が推奨されています。筆者は通常、GUの靴では26-27cmをモノによって選び、コンバース・オールスターは26.5cmがジャストですが、こちらは27cmを選び、ちょうどいいサイズ感でした。
最近はテレワークやリモートワークが進み、オフィスに行く機会も減っていたりするのではないでしょうか。そして、一気にオフィスに行く際の服装の自由度も上がっている人が多いのではないでしょうか。ただし、それでもビジネスシーンでは「イージージャケットでもOKだが、一応、ジャケットは着ておいてほうがいい」など、ある程度「ちゃんとした」恰好がまだまだ求められます。靴はチョイスがなかなか難しいもの。街着ではOKですが、ビジネスシーンや出勤でカジュアル過ぎるスニーカーは場違い感が出てしまうかもしれません。履き心地を重視するとオンスタイルから外れてしまいがち。そんな時に重宝するのが、本アイテム。スニーカーの履き心地と革靴ライクな見た目が、現代のビジネスシーンにマッチしているといえるでしょう。雨にも強く、イージーケアで履ける日を選ばないのも嬉しいところ。価格は、1万3800円(+税)と手頃。街着でもビジネスでも重宝すること間違いなしのスニーカーです。