バーナーバトラーセイルズのエディターズショルダーはオシャレで使いやすい

今回ご紹介するのは、日々の荷物が何かと多くなりがちな方にオススメのバッグです。人気セレクトショップ「ステュディオス」の依頼により、“オールメイドインジャパン”にこだわるバッグブランド「バーナーバトラーセイルズ」が作成したエディターズバッグ。

大容量でありながら上品なカジュアル感のあるデザインで、幅広いコーディネートになじみやすいスグレモノです。

高品質ポリエステルと本革による上品なカジュアル感

そもそもエディターズバッグとは、「ファッション編集者が持つバッグ」ということで、“ファッション性の高さ”と“容量の大きさ”を両立しているのが特徴とされています。ではまず、このバッグにおける“ファッション性の高さ”を確認するために、外見的な特徴を順番に見て行きましょう。

商品名は「コーデュラナイロン」となっていますが、現在このバッグに使われている生地の素材は、「コーデュラポリエステル」です。商品開発後に素材を変更した結果、商品の名前と実態に齟齬が生まれてしまっています。

ともあれ、通常のナイロンやポリエステルよりも軽量で耐久性が高い素材。表面には細かい凹凸があり、“サラサラ”と“ザラザラ”の間のような触感。ポリエステルは、ともすれば発色が鮮やかになり過ぎる素材です。

しかしこのバッグでは、生地表面の質感によって光の反射率が抑えられることで、後述する革の色味と調和が取れており、全体として程よい大人っぽさに仕上がっています。

持ち手の部分の素材は柔らかな牛革。使い込むほどに色味が渋く深みを増していきます。二又になっているので、間のファスナーからの荷物の出し入れがしやすく、また荷物の重さが分散されるという機能的な利点もあります。

ファスナーの金具はピカピカしたシルバーなどではなく、革と合わせたダークブラウン。バッグ全体の、ネイビーとダークブラウンの調和を壊さないように配慮されています。

外側に一か所、ファスナーつきの小さなポケットがあります。筆者実測(以下同)で幅14.5cm×奥行14.5cm。かなり薄いのでたくさんのものは収納できませんが、スマートフォンやカードケースくらいは入ります。すぐに取り出せて便利です。

以上がバッグ本体についてですが、付属の肩ひもについても触れておきます。本革の色と合わせたダークブラウンで、厚めの布製です。

そして金属部分も黒ベースのメッキ仕上げになっており、長く使い込む内にメッキがとれて、段々と銅のような色が表れて味が出て来るので、バッグとしての一体感を損なうまいとする姿勢は感じられます。

しかし、肝心の肩ひもの布の素材感が、少々カジュアル過ぎる印象です。ちょっとしたコーティングなどにより、布そのものの質感を少しでも軽減してくれればよかったのですが。そんなわけで、ファッションアイテムとしてのこのバッグにおいて、肩ひもの使用を筆者はオススメしません。

容量は大きいものの、収納に際しては注意を要する

続いてこのバッグの“容量の大きさ”についてです。先に結論を申し上げれば、「エディターズバッグの名に恥じない、相当な大容量」です。コミック雑誌を中に10冊積んでも、楽々とファスナーが閉まる程度のキャパはあります。

1泊の国内旅行であれば、このバッグひとつで十分ではないでしょうか。しかし実物をパッと見る限り、そこまで大容量には見えないのです。洋服と合わせても、バッグが大きすぎてバランスが崩れる、ということはありません。

具体的な数字でサイズを見て行きましょう。このバッグは末広がりの台形のような形をしており、最上部の横幅が39cm、最下部の横幅が43cmです。なお、底面の縦幅は14cmです。

そして底面から上部までの高さは30.5cm。これは底面からファスナーの際(きわ)ギリギリまで、ではなく、バッグを自然に立てた時に、ファスナーが自然に閉まる最上部から底面までを測ったもの。つまり実用的な数字です。

ちなみに上掲の写真は、撮影のために新聞紙を大量に詰め込んでいます。実のところ、このバッグは、生地自体はしっかりしているものの、構造的には芯のようなものがなく“へなへな”しているので、何も入っていない状態では自立できません。この“へなへな”については後述します。

バッグの内側は、両サイドにポケットがついています。順番に見て行きましょう。片側の、ブランドロゴが上下に2つ並んでいる右側のポケットは横幅11.5cm×縦11.5cm、その左側の無地のポケットは横幅7cm×縦11.5cm。

どちらも特にボタンやファスナーはついていません。どちらもスマートフォンを入れると、上部4割ほどが見える程度のサイズ感です。

もう片側のポケットはファスナーつきで、横幅19.5cm×縦16.5cm。長財布がサイズ次第ではギリギリ入るかどうか、程度の大きさです。なお、両サイドにポケットがついているのは便利で結構なのですが、このバッグには中綿のようなものは一切ありません。

そのため外からの衝撃があれば、ダイレクトに中のものに伝わります。ノートPCなど精密機器を持ち歩く時は、それぞれクッション性のあるケース等に入れておく必要があります。

機能面で気になるところを2点ほど挙げておきます。
1点目は、バッグ本体のファスナーの使い勝手についてです。ファスナーの始点がバッグから離れているため、しばしば写真のように“クルリンパ”とひっくり返ってしまいます。

ファスナー自体の閉まりが悪いということはないのですが、片手で容易に開け閉めができるものではなく、必ず両手を使って丁寧に開け閉めする必要がある点で、慣れるまでは若干わずらわしさがあるかもしれません。

2点目はバッグの中の“秩序”についてです。このバッグは上述の通り、特に中綿のようなものがなく、生地そのものは丈夫ながら薄いポリエステルなので、“へなへな”しています。それでいて大容量。そんなバッグを、上部の柔らかな革の取っ手だけで持つのです。

バッグの中は常に不安定な状況にさらされます。そんなところに書類などの薄い紙類を入れるとしたら、たとえクリアファイルに挟んでいたとしても、バッグの中であちこちに動いてしまい、結果的にぐちゃぐちゃになってしまいます。

また、小物類もバッグの中であちこちに動くので、無造作に入れると、しばしば大きなバッグの中で迷子になってしまいます。

面倒ではありますが、紙類はバインダーのようなしっかりしたものに挟むとか、小物類は内ポケットに入れておく、またはバッグインバッグなどできちんと管理する、といった対策がオススメ。

このバッグは容量の大きさゆえに、大量のモノを運ぶのに適している一方で、整然とした状態でモノを運ぶのには不向きです。

色は間違いないブラックか、質感のあるネイビーか。

https://goo.gl/4FcbEX

このバッグはブラックとネイビーの2色展開。取っ手から生地まで真っ黒のブラックと、持ち手や金具周りにダークブラウンが効果的に配されたネイビーです。ゾゾタウンの売れ方を見ていると、ブラックの方が人気のようです。

合わせるコーディネートを選ばない点で、たしかに間違いないのはブラック。しかし筆者は、ネイビーをオススメしたいところです。特にブラウン系のコーディネートの場合、上品なネイビーの発色と本革のダークブラウンのコンビネーションは、ブラック以上に好相性。

コンパクトに折りたためる携帯性の高さ

市場には様々なエディターズバッグが流通しています。そんな中で、敢えてこのバッグを選ぶに値する理由として、実用的な価値を1点ご紹介します。

それは容易に折りたためる点。「生地そのものも丈夫ながら薄いポリエステルなので、“へなへな”している」と上述しましたが、その特性がまさに利点となります。上掲の写真で、横幅50cm×縦25cm×高さ5cm(それぞれ最長の部分を実測)です。

用途の一例としては、旅行の際に、目的地までは大きなバッグで出かけて、現地ではこのバッグを使う、というもの。

筆者は実際に、旅先でいっぱい買い物をして、ファッション的観点からはオススメしなかった肩ひもを使って、肩掛けにして帰ってくる、という使い方をしています。価格は1万7280円(税込)。

ゾゾタウンで入荷してもすぐに売り切れてしまう人気ぶりですが、実際に使ってみると、その理由がわかります。とにかく使い勝手が良いのです。安価ではありませんが、それに見合う価値を筆者は日々実感しています。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。