ステュディオスのショールカラーチェスターコートは何と合わせてもサマになる

冬のコーディネートで最も重要なアイテムは、間違いなくコートでしょう。身体の中で最も大きな面積を占めるものだけに、選び方ひとつで印象が大きく変わってきます。特にメンズファッションのトレンドが「ノームコア」の反動で“脱地味”に向かっている昨今。

コートそのもので“攻める”選択肢もありますが、デザインやシルエット、生地感に色と、様々なアプローチでカジュアルな要素を加えたアイテムを身に着けるとなると、コートはできるだけシンプルなものを選んだ方が、合わせやすいというものです。

そこで今回は、合わせやすさ抜群で、それでいて単体のアイテムとしても魅力的なデザインのコートをご紹介します。

ビジネス用に見えない“ショールカラー

今回ご紹介するコートの一番の特徴は、名前の通り「ショールカラー」です。ショールを肩にかけたような、優美な曲線を描く襟です。

そもそもチェスターコートとはスーツのジャケットをそのまま縦に伸ばしたような形のコートで、大人っぽさは抜群ですが、ビジネスっぽさが出てしまうのが惜しいところ。その点、襟がショールカラーになるだけで、ぐっとカジュアルな印象になります。

カジュアルと言っても子どもっぽくなるわけではなく、あくまでもビジネスの印象が遠ざかるだけなので、コート全体の印象は大人っぽいまま。実に優れたデザインと言えるでしょう。

ショールカラーは立ててもあざとい印象になりません。単に風の強い日の防寒にもなりますが、着こなしの選択肢としても持っておきたいところです。

さて、このコートはショールカラー以外の要素がきわめてシンプルである点もまた魅力的です。デザインとして特に目立つようなものはありません。敢えて挙げるなら、2つのポケットくらいでしょうか。

1つは胸ポケット。幅10cm×縦11cm強(以下、ポケットのサイズは全て筆者実測)。特に厚みもなく、スマートフォンを入れてもはみ出す程度の大きさ。単なる飾りと割り切る方がよさそうです。

一方で、左右のポケットは幅17cm×奥行25cm。ロングコートしては標準的ではありますが、なかなかの収納力です。長財布はさすがに厳しいですが、小銭入れやスマートフォンであれば問題なく入ります。入れたところが膨らんで傍目に不格好になる、ということもありません。

ついでながら、左側にのみ内ポケットもあります。横幅12.5cm×縦14cm。あまり厚みはありませんが、ここであればスマートフォンくらいは収納可能です。

自然にスタイルが良く見えるきれいなシルエット

このコート、サイズ感としては程よくゆとりがありつつも、ストンと落ちるきれいなシルエット。羽織るだけでサマになるスグレモノです。

着丈はSで100cm、Mで101.5cm、Lで103cm。身長178cmの筆者がMサイズを着ると、ちょうど裾の先端が膝の中心を隠す程度です。

袖丈はSで61cm、Mで62cm、Lで63cm。身長178cmの筆者がMサイズを着ると、親指の付け根に袖口の先端がきます。

なお、袖口のディテールにちょっとした遊び心が利いています。ボタンがひとつ留めてあるのですが、ボタン穴が斜めになっているのです。なお、このボタンはスーツにありがちな“飾りボタン”ではなく、実際に開け閉めが可能です。

肩幅はSで43cm、Mで44.5cm、Lで46.5cm。細身の筆者の肩がわずかに落ちる程度。パッドなど入っているわけではないので、多少の誤差は気になりません。むしろ肩幅も含めた袖の長さ、つまり袖口の位置がどこになるかでサイズ選びを検討した方がよさそうです。

短過ぎると寒い上に不格好。一方で長過ぎると余った袖がわずらわしいものです。身幅はSで54.5cm、Mで56.5cm、Lで58.5cm。ややゆとりがあるため、色々と着込む余地があり、防寒の観点からもコーディネートの観点からもありがたい。

ただ、コート自体は下まできれいなラインで落ちているので、ダブついているような印象はまるでありません。

毎日着ることを推奨されない取扱注意の生地

表地はウール90%+ナイロン10%のメルトン生地です。メルトン生地の特徴は、フエルトのように起毛感があり、厚手で保温性が高く、柔らかいこと。冬のコートの定番素材のひとつです。一方、裏地はキュプラではなく、ポリエステル100%。若干チープな印象で、残念なところです。

ボタンは樹脂製ですが、茶色がかった色と紋様が、無地のグレーの生地とよく合っており、安っぽさはありません。

ケアに際してはドライクリーニング一択です。しかし低温であればアイロンだけはかけてもよいとのこと。

それ以外にも色々と注意点があります。筆者は今まで、取り扱いに関する注意を喚起するタグが4枚も連なっている洋服を見たことがありません。1枚目は上述の洗濯についての注意。2枚目はピリング(毛玉)について。生地の特性上、ピリングの発生は不可避とのこと。

「毎日同じ商品をお手入れなしで着続けますと、必ずピリングは出来やすくなります。1日着用したら2日休ませるなどローテーションを考えて着用して下さい」とあります。

気に入っているのに、毎日使えないとは。と思っていたら、最後の一文で「気に入っていればいるほどお取扱いにもそれなりの気づかいが肝心です」とのこと。ずいぶんと人間臭い注意喚起です。

3枚目は色移り・色落ちについて。雨や汗などで濡れた時は他の衣料に色移りする場合があるとのこと。

そして4枚目は、「お取扱い上のご注意」として、「着用やクリーニングを繰り返すことで毛乱れを生じる可能性がある」「着用中の摩擦により、多少の毛抜けや毛羽立ちが生じ、毛羽が付着します。必要以上の摩擦は毛羽脱落の原因になりますので、お避け下さい」とあります。

必要な摩擦とは何でしょうか。あとは再びの“着用ローテーション”について、そしてクリーニングについての注意喚起です。なかなかの念押しぶりです。ともあれ、毎日着たい場合はとても入念なケアを要する模様です。

いずれも使いやすい全3色展開

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色はグレー、ネイビー、キャメルの全3色。いずれもベーシックではありますが、発色が良く、コーディネートを組みやすい色味です。一番人気はキャメル。上品な色がショールカラーのデザインと合っていて、羽織るだけで上級者の貫録が滲みそうです。

筆者はネイビーやブラウンのアイテムと合わせたく、グレーを選択しました。上品な明るめのグレーで、実に重宝しています。価格は2万2000円(税込)。デザイン的な使い勝手のよさを考えると、実にリーズナブル。オススメです。

ただし、上述の通り、生地の取り扱いに際して、“ヘビーローテーション”にはくれぐれもご注意ください。

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2019.02.09
EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。