スウォッチらしい文字盤とケース

(文字盤。デザインフルでも見やすくできています)
デザインの特徴はなんといってもその文字盤。黒に白と赤の点が打ってあり、インデックスは外側の白い点で描かれています。内側にはバラバラの点が描かれ、よく見ると赤い点が6個あります。
この6点は、機械式のムーブメントに使われている19石のルビーのうちの6個の位置と重なるそう。モチーフは太陽を中心とした星の動きで時間は天体の動きと符合するのでデザインとしてはうってつけです。

(横から。ちょっと厚いです)
一方、インデックスの点は等間隔で打たれ、視認性は抜群。時針と分針もやや太めで夜光塗料を塗ってあるので暗いところでも見やすい仕様です。デザインと機能性が両立しているのは、スウォッチならではでしょう。

(ベルトのおかげで少しだけチープ感が薄まっていますがスウォッチらしさは保っています)

(ベルトの裏側はレザーベルトらしくベージュになっています。ロゴの型押しも有り)
ケースはプラスチック製。厚さが13.6mmとやや厚めですが重さはほぼ感じません。プラスチックだとチープな感じがしますが、筆者はそれがスウォッチらしさだと思っています。また、ベルトはレザー製で、質感はマットで艶がありません。
バックルもプラスチックなのでラバーベルトに近い質感です。サイドのステッチにレザーらしさを感じる程度です。スウォッチらしさを損なわずほんの少しだけ雰囲気を良くしたベルトはケースとの相性もいいと思います。
機械式は裏面もポップ
ムーブメントは機械式。オリジナルで「システム51」という機構を使用しています。普通の機械式が100個以上のパーツで作られているのに対し、こちらはわずか51個のパーツだけで作られているとか。
製造は完全に自動化され、職人が手作業でつくる機械式のイメージを払拭したムーブメントです。裏面はシースルーになっているので中の機構が見えるようになっています。白黒のうずまき模様がまず目に飛び込んできてインパクト大。

(裏面。うずまき模様がとても印象的。外周がローター部分)
よく見るとうずまきではないのですが目がチカチカするのでうずまきに見えます。裏面の機構もデザインフル。通常ローター部分(腕を振ると回転してゼンマイを巻く機構)は半円状のパーツであることが多いのですが、この時計はそのパーツが丸い輪の形状をしています。
(こちらはリベンハムのもの。半円状のものがローター部分)
そのため一目で中の機構が見えるようになっていて機械好きにはたまらない仕様になっています。
世界一安いスイスの機械式時計?
機械式ですが、部品交換の修理はできず、壊れたときはムーブメントをそっくり交換するようです。普通の機械式時計のように孫の代まで受け継ぐことはできませんが、そもそもケースがプラスチックなのでそこまでの品質は期待できないでしょう。
しかし、メンテナンスフリーで使うことが可能なので気軽です。価格は1万8360円(税込)とスウォッチとしては高めの設定ですが、スイス製の機械式腕時計でこの価格はありえません。おそらく世界一安いスイス製機械式時計です。
本来、機械式時計は高価で修理すれば半永久的に使えるもの。代々受け継いでいくものであるのも納得できます。この時計のコンセプトはその反対に位置します。機械式の腕時計に興味がある人には体験版としてもオススメです。