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履くだけで簡単にドレスとカジュアルのバランスが取れてしまう革靴
みなさんはお好きな革靴ブランドがありますか?
革靴好きの方ならチャーチやジョンロブ、クロケット&ジョーンズといった大人の革靴ブランドを想像されるでしょう。今回はそういった究極のビジネスシューズとは異なり、究極のカントリーシューズの代名詞、トリッカーズを紹介したいと思います。
トリッカーズといえばブーツが代名詞ですが、街着のコーディネートに合わせやすいこと意識して短靴のバートンに着目しました。短靴でもカントリーシューズのデザインを施しているバートンは、見た目だけでも魅力たっぷりです。
トリッカーズとは?
https://www.loft-trading.com/blog/a-day-in-london-the-pop-up-flea/
トリッカーズは1829年にイギリスのノーザンプトンで設立されたイギリスの老舗革靴メーカーです。
現存する工場は、ノーザンプトン最古のグッドイヤーウェルト製法(英国靴を代表する靴の製法)の工場としても有名です。品質の高い素材を用いて作られた靴は、すべて職人のハンドメイド。世界中の有名店で販売されているほか、有名セレクトショップとのコラボレーションも多数製作されています。
イギリスではロイヤルワラント(日本でいう皇室御用達)も取得しており、イギリスのカントリーシューズといえばトリッカーズ、と文句のつけようのない歴史あるシューズメーカーです。
ちなみに、トリッカーズ社のホームページにも歴史が紹介されています(英語ですが)。
http://www.trickers.com/our-story
簡単にいえば、「魅力たっぷりの老舗メーカー」ということです。では、トリッカーズの何がいいのか?
それは男らしい無骨なデザインであるにもかかわらず高級感を備えていることが最大の魅力です。品のある高級感といえばジョンロブといったビジネスシューズが思い浮かびます。男らしい無骨なデザインというとレッドウィングのようなワークブーツが代表的なものです。
https://otokomaeken.com/brand/29493
http://zozo.jp/shop/abc-mart/goods/7603968/
トリッカーズはこの二つの魅力を兼ね備えています。実際にトリッカーズのディティールを見ていきましょう。
がっしりとした厚いソールや太いシューレースを備えていますが、高級感ある革やウィングチップのデザインが、しっかりとドレスライクな一面を引き出しています。
カントリーシューズという機能性の高さ
機能性には文句ありません。そもそもカントリーシューズとは、その昔、イギリスの上流階級の趣味の一つである“狩り”をする際に、彼らが郊外や田舎で狩りをするためのカントリースタイルだったのです。
http://www.thetweedpig.com/2015/11/cordings-of-harrogate.html
イメージとしてはこんな感じ。今回はカントリースタイルの細かい話はしませんが、銃を瞬時に構えやすくするために袖の付け根が動きやすく加工されているジャケットなど機能性と英国スーツの見た目を合わせた格好が特徴です。
写真に写っている犬を連れている人が革靴を履いています。こういった野外で履かれた靴が、トリッカーズのようなカントリーシューズなのです。
ご存じのようにイギリスは雨が多い国で、整備されていない道を快適に歩ける靴が必要でした。そこでトリッカーズのバートンのようにアウトドアでも快適に履ける防水性と耐久性に優れた靴が必要だったのです。
(ソールはダイナイトソールを使用)
トリッカーズのカントリーシリーズは、英国のダイナイトソールを使用しています。ダイナイトはラバーソールなので、水の浸透を気にする必要がなく、丸い突起状の凸部分で足場の悪い場所でも、強いグリップ力を発揮してくれます。
また、ノーズに打ち込まれたメダリオン(丸い穴の装飾)は、ただのオシャレ模様だけではなく、通気性をよくするための空気穴の機能も果たしています。
さらに前方から土踏まずの横まで伸びた革の切り替えは、降った雨がこのラインに沿って靴の下に流れ落ちやすいようにデザインされています。機能性ゆえの美しいデザイン、まさに機能美を備えた靴がトリッカーズというブランドの強みなのです。
圧倒的な高級感と、完成されたデザイン
トリッカーズのバートン最大の魅力は、何と言っても英国紳士が履くような高級感と機能性が備わったデザインの融合です。
トリッカーズの靴を見たことがある方は理解していただけると思うのですが、圧倒的な存在感の中に高級感が漂います。
写真で伝えるのはなかなか難しいのですが、少しでも伝わってくれれば幸いです。
まず、使われる革は表面のキメが細かい上質なカーフスキンを使用しています。そして厚いソールを使うにも関わらず美しく見えるのは、先ほど紹介したダイナイトソールを使用しているのがポイント。
ダイナイトソールに使用される円筒形の突起は、上から見ると目立たないので、ソールがそこまで厚く見えません。厚いソールを使用してしまうと、レッドウィングのブーツのようにカジュアル感が強くなります。
そして、ここに試行錯誤を重ねて完成された絶妙なシルエットが加わります。おそらくメダリオンの穴の大きさや、革の切り替えが少しでも変わっただけで、デザインが崩れてしまうでしょう。
円筒状の突起は、このように下から覗いて見ないと見えません。
最初に買う色は、黒がオススメ
トリッカーズといえば、デザインも秀逸ながら、革の美しさも魅力の一つです。
トリッカーズとインターネットで検索すると、エイコンやマロンと言われる茶系の靴が一斉にヒットします。とにかくこの色合いは美しい。好きな人なら間違いなく一目惚れするような色なのですが、「全体」になじみやすいコーディネートを優先するならば黒が一番です。
私たちがトリッカーズを履くタイミングは、ほぼ街中です。靴単体で見るならば、確かに茶系は革質がわかりやすいので魅力的なのですが、足元に収縮色である黒を持ってきたほうがバランスが取りやすく、そもそもトリッカーズのバートンはビジネスシューズに比べればカジュアルなデザインです。
ここは心を鬼にしてでも黒を選んだほうが、のちのち使うタイミングが増えるでしょう。
履き心地と実際に履いてみたイメージ
個人差はあると思うのですが、巷間言われるような革の硬さはあまり感じません。二、三ヶ月もすれば、すっかり足に馴染みます。気になる点は靴自体の重さです。
耐久性を意識してダイナイトソールを用いているため、通常の革靴よりはっきり言って重いです。自重があるぶん、いったん歩き始めるとトレッキングシューズのようにむしろ快適になる重さでもあります。
トリッカーズのバートンは、カジュアルなデザインながら高級感ある雰囲気も漂います。実際に履いてみると、このようになります。
一番シンプルなスタイルにバートンを合わせてみました。無骨なデザインのバートンですが、ドレスライクなシルエットと高級感のある素材を用いているので、違和感は生まれません。もちろんデニムなどに幅広く合わせられます。
最後に
一般的なバートンはなめらかでツヤのある革を使用したものですが、私はシボ革を使ったデザインのものを履いています。シボ革を使うぶん、カジュアル要素が増えるのですが、履きジワが目立ちにくいという利点があります。
(履きジワが色濃く出る部分だけシボ革を使ったモデルもあります)
もちろん通常の物も、声を大にしてオススメです。値段はポンド/円のレートなどによっても変化しますが、靴のセレクトショップであるトレーディングポストで税込8万1000円です。
まぁ、高いですよね(笑)。
ただそれでも私がオススメするのは、上記で説明してきたように、トリッカーズならではの魅力があるからです。ちなみに、バートンは幅が広めにデザインしているため、足幅が広い方でも安心して履いていただけると思います。
ニューバランスなどのスニーカーで25.5cmを履く私は、バートンだとUK6、日本サイズだと24.5cmを履いています。ちなみにレディースサイズでも展開があるため、私より足の小さい方でもサイズ探しで困ることはないと思います。まず、バートンの実物を見に行ってみましょう。
きっと溢れ出る存在感に心驚くこと間違いなしです!!